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名古屋高等裁判所金沢支部 昭和39年(行コ)3号 判決 1966年8月01日

金沢市西金沢町一丁目へ百七番地

控訴人

石丸外太郎

金沢市広坂二丁目二番六十号

被控訴人

金沢国税局長

市丸吉左エ門

右指定代理人

松崎康雄

藤沢茂

炭谷忠雄

干場芳昭

右当事者間の昭和三九年(行コ)第三号所得の更正処分に対する審査決定取消請求控訴事件につき、昭和四十一年六月二十九日終結した口頭弁論に基いて、次のとおり判決する。

主文

本件控訴を棄却する。

控訴審の訴訟費用は控訴人の負担とする。

事実

控訴人訴訟代理人(辞任前)は、「原判決を取消す。被控訴人が昭和三十六年九月三十日付でなした、控訴人の昭和三十四年分所得税につき金沢税務署長がした更正処分に対する控訴人の審査請求に対する審査決定は、これを取消す。訴訟費用は、第一、二審とも被控訴人の負担とする。」との判決を求め、被控訴人指定代理人は、主文と同旨の判決を求めた。

当事者双方の事実上の主張、証拠の提出、援用、認否は、次に記載するほかは原判決記載のとおりであるから、これを引用する。

控訴人訴訟代理人は、「(一)、控訴人が本件不動産(原判決添附の目録に記載の不動産)を売渡した相手は不動産取引業者である白江平太郎であつて、徳野精ら八名ではない。昭和三十四年三月当時、本件不動産のうちの家屋には多数の借家人が居住していたので、白江平太郎は控訴人から本件不動産を右借家人らの賃借権の負担付きで二百万円で買受け、白江が右借家人の賃借権を消滅させたうえで、徳野精ら八名に対して代金四百万円で本件不動産を売渡したのである。(二)、仮に控訴人が本件不動産を直接徳野精らに売渡したものであるとしても、その代金は二百万円であつた。」と述べ、当審における証人白江平太郎の証言を援用した。

被控訴人指定代理人は、「控訴人が本件不動産を白江平太郎に代金二百万円で売渡したということは否認する。控訴人は本件不動産を徳野精ら八名に代金四百万円で売渡したものである。」と述べ、当審における証人田川一郎の証言を援用した。

理由

控訴人の請求は失当であり、その理由は、原判決の八枚目裏の後から二行目より末行にわたつて、「かつ金銭の授受は直接売買当事者間でなされた」とあるのを、「右売買代金四百万円は、その一部を現金、一部を小切手によつて、買受人の代表者である徳野精から控訴人の代理人である同人の長男石丸明に交付して、支払われた」と改めるほかは、原判決記載のとおりであるから、これを引用する。

よつて、控訴人の請求を棄却した原判決は相当であるから、民事訴訟法第三百八十四条により本件控訴を棄却することとし、訴訟費用の負担については同法第九十五条、第八十九条を適用して、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 西川力一 裁判官 島崎三郎 裁判官 寺井忠)

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