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名古屋高等裁判所 昭和38年(ラ)21号 決定 1963年6月12日

理由

記録によると競売物件中桑名市大字矢田字崩七九七番宅地六〇坪と家屋番号崩二一番の家屋について債権者の一括競売の申立があり(本件記録一〇〇丁の一括競売申立書)競売裁判所はこれを許可した結果、内山千代子は桑名市大字矢田字崩七九七番宅地六拾坪同所七九七番、七六九番七六九番の参、七七〇番の壱〇、家屋番号弐壱番木造瓦葺平屋建居宅建坪弐拾坪五合四勺、木造瓦葺平家建店舗建坪拾壱坪六合五勺、木造亜鉛メツキ鋼板葺平家建作業場建坪弐拾四坪弐合七勺、木造瓦葺平家建物置建坪九坪壱合六勺、皆川けいは桑名市大字矢田字崩七六九番、宅地弐四坪参合八勺、同所同番の参、宅地壱八坪弐合弐勺、同所七七〇番の壱〇宅地五坪七合弐勺をそれぞれ競落したことは明白である。被審尋人松本忠男の尋問の結果と、本件記録編綴の登記簿謄本によると、水谷徳正が前期一括競売申請物件についてだけ抵当権を設定して居り他の七六九番、同番の三、七七〇番の一〇の宅地については抵当権を設定してないことが認められる。もつとも競売物件中一部についてだけ一括競売し、他の部分について各別に競売に付することは、競売物件全部を一括して競売に付するときに比べて、抗告人のいうような実際上の不利益、不便、困難が伴うことがあるが、必しもこれがためすべて不当ということができない。競売物件中一部について一括競売の申請があり、その申請が土地とその地上の建物であつて、そのものだけでも一括競売する方が経済上利益である場合であつて、他の部分については後順位抵当権の有無によつて、一部と他部と合せて全部について一括競売するときは、後順位抵当権の有無により競売後複雑な法律関係を生じ全部の一括競売を妥当としない事情にあると認められる本件の場合には、有効とすべきである。従つて抗告人の一括競売に関する抗告理由を採用できない。

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