大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

名古屋地方裁判所 昭和49年(わ)887号 判決

本店の所在地

愛知県岡崎市明大寺本町四丁目五番地

東洋産業株式会社

右代表者代表取締役

柳道熙

本店の所在地

愛知県岡崎市六供本町一丁目七番地

東洋観光株式会社

右代表者代表取締役

柳東範

本籍

韓国慶尚北道安東郡臨東面馬嶺洞一九一七番地

住所

愛知県岡崎市明大寺町字西郷中三九番地二八

会社役員

柳道熙

西歴一九二一年九月九日生

右のものらに対する法人税法違反被告事件について、当裁判所は、検察官杉浦肇および弁護人郷成文、同石川康之、同成瀬欽哉出席のうえ審理し、つぎのとおり判決する。

主文

被告人柳道熙を懲役一〇月に、被告人東洋産業株式会社を罰金四五〇万円に、被告人東洋観光株式会社を罰金五〇〇万円にそれぞれ処する。

被告人柳道熙に対し、この裁判確定の日から三年間その刑の執行を猶予する。

理由

(罪となるべき事実)

第一、被告会社東洋産業株式会社は、愛知県岡崎市明大寺本町四丁目五番地に本店店舗を置きパチンコ遊技場を営むもの、被告人柳道熈は同会社の代表取締役として同会社の業務全般を統括しているものであるが、被告人柳道熙は、同会社の業務に関し、法人税を免れようと企て、

一、前記会社の昭和四五年一〇月一日から同四六年九月三〇日までの事業年度において、所得金額が三二四九万四四〇七円であり、これに対する法人税額が一一六七万九〇〇〇円であるのにかかわらず、公表経理上売上の一部を除外する等の方法で得た収入を架空名義で預金するなどして近得の一部を秘匿したうえ、同四六年一一月三〇日、愛知県岡崎市明大寺本町一丁目四六番地所在岡崎税務署において、同税務署長に対し、所得金額が三三四万三九三七円、これに対する法人税額が九六万六〇〇〇円である旨の過少の法人税確定告書を提出し、もって、右不正の行為により同会社の右事業年度における正規の法人税額との差額一〇七一万三〇〇〇円をほ脱し、

二、前記会社の昭和四六年一〇月一日から同四七年九月三〇日までの事業年度において所得金額が二七〇七万〇八七五円であり、これに対する法人税額が九六四万〇二〇〇円であるのにかかわらず、前記同様の方法により所得の一部を秘匿したうえ同四七年一一月三〇日、前記岡崎税務署において、同税務署長に対し所得金額が八四万四三九四円、これに対する法人税額が一九万〇七〇〇円である旨の過少の法人税確定申告書を提出し、もって、右不正の行為により同会社の右事業年度における正規の法人税額との差額九四四万九五〇〇円をほ脱し、

第二、被告会社東洋観光株式会社は、愛知県岡崎市六供本町一丁目七番地に本店を置き、同市本町通二丁目七番地ほか二箇所に店舗を備えてパチンコ遊技場を営むもの、被告人柳道熙は同会社の実質経営者、いわゆる従業者として同会社の業務全般を統括しているものであるが、被告人柳道熙は、同会社の業務に関し、法人税を免れようと企て、

一、前記会社の昭和四五年一二月一日から同四六年九月三〇日までの事業年度において所得金額が三三六五万八三〇四円であり、これに対する法人税額が一一九四万二三〇〇円であるのにかかわらず、公表経理上売上の一部を除外する等の方法で得た収入を架空名義で預金するなどして所得の一部を秘匿したうえ、同四六年一一月三〇日、愛知県岡崎市明大寺本町一丁目四六番地所在岡崎税務署において、同税務署長に対し、所得金額が七八五万七八一七円、これに対する法人税額が二四八万三七〇〇円である旨の過少の法人税確定申告書を提出し、もって、右不正の行為により同会社の右事業年度における正規の法人税額との差額九四五万八六〇〇円をほ脱し、

二、前記会社の昭和四六年一〇月一日から同四七年九月三〇日までの事業年度において、所得金額が四〇二一万一九七四円であり、これに対する法人税額が一四二八万四三〇〇円であるのにかかわらず、前記同様の方法により所得の一部を秘匿したうえ、同四七年一一月三〇日、前記岡崎税務署において、同税務署長に対し、所得金額が六四五万八六〇九円、これに対する法人税額が一九一万七一〇〇円である旨の過少の法人税確定申告書を提出し、もって、右不正の行為により同会社の右事業年度における正規の法人税額との差額一二三六万七二〇〇円をほ脱し、

たものである。

(証拠の標目)

一、被告人柳道熙の当公判延における供述

一、別紙検察官請求証拠目録(一)および(二)に記載された請求番号欄の番号1から249までと同一の証拠(ただし、26と45の証拠を除く。)

(法令の適用)

被告人柳道熙の判示第一の一二および第二の一、二の各所為は、いずれも法人税法一五九条、七四条一項二号に各該当するところ各所定刑中いずれも懲役刑を選択し、以上は刑法四五条前段の併合罪なので同法四七条本文、一〇条により、犯情の最も重い判示第二の二の罪の刑に法定の加重をした刑期の範囲内で被告人柳道熙を懲役一〇月に処し、判示第一の一、二の各所為は、被告人柳道熙が被告人東洋産業株式会社の代表者として同会社の業務に関してなしたものであり、判示第二の一、二の各所為は被告人柳道熙が被告人東洋観光株式会社のいわゆる従業員として同会社の業務に関してなしたものであるから、いずれも法人税法一六四条一項に則り、被告人両会社に対し、それぞれ同法一五九条所定の罰金刑を科すべきところ、以上はいずれも刑法四五条前段の併合罪であるから同法四八条二項により各罪所定の罰金の合算額の範囲内で、被告人東洋産業株式会社を罰金四五〇万円に、被告人東洋観光株式会社を罰金五〇〇万円に、それぞれ処することとし、被告人柳道熙に対し、情状により同法二五条一項を適用してこの裁判の確定した日から三年間その刑の執行を猶予することとし、主文のとおり判決する。

(裁判官 前原正治)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例