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名古屋地方裁判所 平成8年(ワ)4626号 判決 1997年9月24日

反訴原告

マキノチェーンストアー株式会社

反訴被告

浜田邦子

主文

一  反訴被告は、反訴原告に対し、金一一六万三〇〇〇円及びこれに対する平成八年六月二一日から支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。

二  反訴原告のその余の請求を棄却する。

三  訴訟費用は、これを四分し、その一を反訴被告の負担とし、その余を反訴原告の負担とする。

四  この判決は、第一項に限り、仮に執行することができる。

事実及び理由

第一請求

反訴被告は、反訴原告に対し、金四八四万三八七九円及びこれに対する平成八年六月二一日から支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。

第二事案の概要

本件は、反訴原告が、その所有車両を道路上に駐車中、反訴被告運転の車両に衝突されたために損傷した事故につき、反訴被告に対し、民法七〇九条により、右損傷による損害の賠償を請求した事件である。

一  争いのない事実等

1  平成八年六月二一日午前一一時二七分ころ、愛知県津島市愛宕町四丁目八番地の一先の信号機による交通整理の行われていない交差点において、反訴被告運転の自家用軽四輪乗用自動車が、伊藤則幸運転の自家用普通貨物自動車と出会い頭に衝突し、その反動で、折から道路上に駐車していた反訴原告所有の自家用普通乗用自動車(以下「本件車両」という。)に衝突した(争いがない。)。

2  反訴被告は、民法七〇九条により、本件事故によって反訴原告に生じた損害を賠償すべき責任がある(争いがない。)。

3  本件車両の修理費相当の損害額は、二〇九万〇八七九円であり(争いがない。)、反訴原告は、右損害の填補を受けた(乙三)。

二  争点

本件車両の修理中の代車料の相当額と評価損害の額である(反訴原告は、以上のほかに、弁護士費用相当の四四万円の損害をも主張する。)。

代車料相当額につき、反訴原告は、一日当たり二万八一〇〇円、六〇日分の一六八万六〇〇〇円を主張し、反訴被告は、一か月分四三万六〇〇〇円を主張する。

評価損害につき、反訴原告は、修理費用の三〇パーセント相当の六二万七〇〇〇円を主張し、反訴被告は、評価損害の発生を否認する。

第三争点に対する判断

一  代車料相当額について

証拠(乙二、四、五の1ないし3)によれば、反訴原告は、平成八年六月二一日以降、株式会社トヨタレンタリース愛知から九〇日間乗用車を借り受け、右期間の利用料として二六〇万四八七〇円を支払ったことが認められる。

しかし、証拠(甲四、五、乙六)及び弁論の全趣旨によれば、反訴原告は、本件事故後、本件車両を反訴原告に販売した坪井一仁を代理人として、反訴被告と損害保険契約を締結していた保険会社の担当者と本件事故の損害賠償について交渉したが、坪井は、右担当者に対し、本件車両の損害の回復として、修理にとどまらず、新車への取替えを要求し、平成八年七月二四日に至って漸く修理を前提とする具体的な交渉に応じ、右保険会社の担当者は、同月二五日、坪井に対し一六六万四一七一円の修理費用の見積もりを提示したが、坪井は右提示額の受託を拒否したこと、坪井は、同年八月以降、修理業者に対し本件車両の修理を指示し、右修理は約半月で完了したこと、本件車両は、英国製乗用車であるが、その修理に要する期間は、部品の調達期間を考慮しても、最大限一か月であること、の各事実が認められ、右各事実によれば、本件車両の修理が平成八年八月以降にずれ込んだことの責任が専ら反訴被告にあるものということはできないから、反訴原告が支払った前記代車料の全額を反訴被告に負担させることは相当でないものというべきである。

そして、右の経過に照らせば、本件車両の修理期間中に代車を必要とした期間としては、一か月間を認めるのが相当というべきであり、証拠(乙二)によれば、リース業者から国産の高級乗用車を一か月間借り受けた場合の料金は四三万六〇〇〇円であることが認められ、右金額をもって反訴原告の代車料相当の損害額と認めるのが相当である。

二  評価損害について

証拠(甲三、乙六)によれば、本件車両は、反訴原告が新車として九〇〇万円で購入し、平成八年四月に初度登録をしたばかりの英国製乗用車ジャガー(型式E―JLDA)であることが認められ、前記のとおり、二〇九万〇八七九円の費用を要する修理が施されたことに照らせば、本件車両については、右修理にもかかわらず評価損害が発生したものというべきであり、その金額は、修理費用の約三〇パーセントに当たる六二万七〇〇〇円と認めるのが相当である。

三  弁護士費用

本件事故と相当因果関係のある弁護士費用相当の損害額は、一〇万円と認めるのが相当である。

(裁判官 大谷禎男)

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