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前橋地方裁判所 平成3年(わ)223号 判決 1991年11月26日

本店所在地

群馬県北群馬郡伊香保町大字水澤二〇六番地の一

被告人

株式会社田丸屋

代表者の住居

群馬県北群馬郡伊香保町大字水澤二〇六番地の一

代表者の氏名

大河原正臣

本籍

群馬県北群馬郡伊香保町大字水澤二〇六番地の一

住居

右同所

会社役員

被告人

大河原正臣

昭和六年一二月二三日生

右の者らに対する法人税法違反被告事件ついて、当裁判所は、検察官蝦名俊晴出席のうえ審理し、次のとおり判決する。

主文

被告人株式会社田丸屋を罰金二〇〇〇万円に、被告人大河原正臣を懲役一年二月に処する。

被告人大河原正臣に対し、この裁判確定の日から三年間、右刑の執行を猶予する。

理由

(罪となるべき事実)

被告人株式会社田丸屋は、群馬県北群馬郡伊香保町大字水澤二〇六番地の一に本店を置き、うどんの製造・販売及び飲食業等を目的とする資本金五〇〇万円の株式会社であり、被告人大河原正臣は、被告人会社の代表取締役として、被告人会社の業務全般を統括しているものであるが、被告人大河原は、被告人会社の業務に関し、法人税を免れようと企て、売上の一部を除外して簿外預金を蓄積するなどの不正な方法により所得を秘匿したうえ、

第一  昭和六一年二月一日から昭和六二年一月三一日までの事業年度における被告人会社の実際所得金額が八九二三万九〇六三円であったのにかかわらず、昭和六二年三月三一日、群馬県高崎市高松町三三番地所在の所轄高崎税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が三一三六万二八八四円で、これに対する法人税額が一二五〇万五〇〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって不正の行為により、被告人会社の右事業年度における正規の法人税額三七五六万五八〇〇円と右申告税額との差額二五〇六万〇八〇〇円を免れ、

第二  昭和六二年二月一日から昭和六三年一月三一日までの事業年度における被告人会社の実際所得金額が五八四二万三五一六円であったのにかかわらず、昭和六三年三月三一日、前記高崎税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が二五六〇万三七四六円で、これに対する法人税額が九七一万四九〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって不正の行為により、被告人会社の右事業年度における正規の法人税額二三四九万九三〇〇円と右申告税額との差額一三七八万四四〇〇円を免れ

第三  昭和六三年二月一日から平成元年一月三一日までの事業年度における被告人会社の実際所得金額が五九八六万〇一四二円であったのにかかわらず、平成元年三月三一日、前記高崎税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が七一五万八一四一円で、これに対する法人税額が二〇七万三八〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって不正の行為により、被告人会社の右事業年度における正規の法人税額二四一〇万七六〇〇円と右申告税額との差額二二〇三万三八〇〇円を免れ

たものである。

(証拠の標目)

判示事実全部について

一  被告人の当公判廷における供述

一  被告人の検察官に対する供述調書六通

一  被告人作成の答申書三通

一  前橋地方法務局渋川出張所登記官作成の登記簿謄本

一  大河原サツキ、田中敏彦、永井廣道、斉藤きよの検察官に対する各供述調書

一  佐藤宏子(二通)、田中正一、加藤晴啓、広木義雄、南木克己、山本玄晃(二通)、瀬下哲夫、山口善章(二通)、小野沢敏、蜂巣実、大嶋明の大蔵事務官に対する各供述調書

一  大蔵事務官作成の売上高調査書、原材料仕入高調査書、消耗品費調査書、事業税認定損調査書、受取利息調査書、株式売買益等調査書、過払源泉税調査書、未払源泉税調査書、雑収入調査書、現金及び預金調査書、有価証券調査書、代表者勘定調査書

一  南木克己作成の答申書

一  大蔵事務官作成の回答書

判示第一の事実について

一  大蔵事務官作成の脱税額計算書(昭和六二年度期のもの)

判示第二の事実について

一  大蔵事務官作成の脱税額計算書(昭和六三年度期のもの)

判示第三の事実について

一  大蔵事務官作成の脱税額計算書(平成元年度期のもの)

(法令の適用)

判示各行為は、各事業年度ごとに法人税法一五九条一項(被告人会社についてはさらに同法一六四条一項)に該当するので、被告人会社については情状に照らして同法一五九条二項を適用し、被告人大河原については所定刑中懲役刑を選択し、以上は刑法四五条前段の併合罪であるから、被告人会社については同法四八条二項により合算した金額の範囲内で罰金二〇〇〇万円に、被告人大河原については同法四七条本文、一〇条により犯情の重い判示第一の罪の刑に法定の加重をした範囲内で懲役一年二月に処し、被告人大河原に対し同法二五条一項を適用してこの裁判確定の日から三年間右刑の執行を猶予することとする。

(求刑 被告人会社に対し罰金二〇〇〇万円を被告人大河原に対し懲役一年二月)

よって、主文のとおり判決する。

(裁判官 沼里豊滋)

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