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仙台高等裁判所 昭和25年(う)362号 判決 1950年7月29日

被告人

三浦昭吾

外一名

主文

本件控訴はいずれもこれを棄却する。

当審における訴訟費用は、被告人小定照弘の負担とする。

理由

弁護人清野鳴雄の控訴趣意について。

本件起訴状の冒頭に、「被告人二朗、同昭吾は、肩書地で開墾に従事しているものであるが、その経営費、生活費等に窮し、その費用を捻出する為めに、強盗をやることを謀り、昭和二十四年二月十四日夜、二朗が匕首を携へて、加美郡美石村館山郡部落県道で通行人を待受け、金品を強取しようとした事もあるのであるが」と表示してあることは、所論のとおりであり、また刑事訴訟法第二百五十六条末項には、「起訴状には裁判官に事件につき、予断を生ぜしめる虞のある書類、その他の物を添付し、又はその内容を引用してはならない」と規定しているけれども、本件において、前記起訴状の冒頭に記載した事項は、未だ以て右刑事訴訟法の条項に、いわゆる裁判官に事件につき予断を生ぜしめる虞のある内容に該当するものと解することができない。従つて本件の起訴が、右刑事訴訟法の条項に違背した無効のものであるといいえないから、何等公訴棄却さるべき筋合のものではない。

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