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仙台地方裁判所 平成8年(わ)613号 判決 1997年3月25日

本店の所在地

宮城県石巻市南中里四丁目七番二三号

法人の名称

有限会社みなみたて葬儀社

代表者の住居

同石巻市南中里四丁目七番五号

(登記簿上・同所七番二三号)

代表者の氏名

南舘勇喜夫

本籍

同石巻市渡波字浜曽根の壱一二九番地の三二

住居

同石巻市南中里四丁目七番五号

職業

会社役員

被告人

南舘勇喜夫

昭和二七年五月三日生

主文

被告人南舘勇喜夫を懲役一年六月に、被告人有限会社みなみたて葬儀社を罰金二四〇〇万円に処する。

被告人南舘勇喜夫に対し、この裁判確定の日から三年間右刑の執行を猶予する。

理由

(犯罪事実)

被告人有限会社みなみたて葬儀社は、宮城県石巻市南中里四丁目七番二三号に本店を置き、葬祭に関する事業等を目的とする資本金五〇〇万円の有限会社であり、被告人南舘勇喜夫は、被告人会社の取締役(平成七年五月二九日代表取締役就任)として同会社の業務全般を統括していたものであるが、被告人南舘勇喜夫は、同会社代表取締役南舘勇記(平成七年五月二一日死亡)と共謀の上、被告人会社の業務に関し、法人税を免れようと企て、売上の一部を除外するなどの方法により所得を秘匿した上

第一  平成三年六月一日から平成四年五月三一日までの事業年度における被告人会社の実際所得金額が、一億一三七八万九三八一円であったにもかかわらず、平成四年七月三一日、宮城県石巻市千石町二番三五号所在の所轄石巻税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が九五六万八一九円で、これに対する法人税額が二七五万五三〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって、不正の行為により、同会社の右事業年度における正規の法人税額四一八四万一一〇〇円と右申告税額との差額三九〇八万五八〇〇円を免れ

第二  平成四年六月一日から平成五年五月三一日までの事業年度における被告人会社の実際所得金額が、七八五三万二九七一円であったにもかかわらず、平成五年八月二〇日、前記石巻税務署において、同税務署長に対しその所得金額が五五九万七四〇九円で、これに対する法人税額が一四九万五一〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって、不正の行為により、同会社の右事業年度における正規の法人税額二八六一万七四〇〇円と右申告税額との差額二七一二万二三〇〇円を免れ

第三  平成五年六月一日から平成六年五月三一日までの事業年度における被告人会社の実際所得金額が、一億七二八万九七三円であったにもかかわらず、平成六年八月一日、前記石巻税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が二〇一八万二八八六円で、これに対する法人税額が六七四万九五〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって、不正の行為により、同会社の右事業年度における正規の法人税額三九四一万一二〇〇円と右申告税額との差額三二六六万一七〇〇円を免れ

たものである。

(証拠)(括弧内の甲乙の番号は証拠等関係カードにおける検察官請求証拠の番号を示す。)

判示全部の事実について

一  被告人南舘勇喜夫の公判供述、検察官調書(乙2ないし4、6)

一  脱税額計算書説明資料(甲10)

一  売上高調査書(甲11)

一  仕入高調査書(甲12)

一  交際費調査書(甲13)

一  支払手数料調査書(甲14)

一  租税公課調査書(甲15)

一  リースレンタル料調査書(甲16)

一  雑費調査書(甲17)

一  受取利息調査書(甲18)

一  県民税利子割調査書(甲19)

一  未納事業税調査書(甲20)

一  内海一男の検察官調書(甲21)

一  南舘千代子の検察官調書(甲22)

一  南舘勇記の大蔵事務官に対する質問てん末書(甲23ないし25)

判示冒頭の事実について

一  商業登記簿謄本(甲1)

判示第一ないし第三の事実について

一  捜査報告書(甲6)

判示第一の事実について

一  確定申告書一冊(平成九年押第一七号の1)

一  脱税額計算書(甲7)

判示第二の事実について

一  確定申告書一冊(同号の2)

一  脱税額計算書(甲8)

判示第三の事実について

一  確定申告書一冊(同号の3)

一  脱税額計算書(甲9)

(適用法令)

一  罰条

被告人南舘につき いずれも平成七年法律第九号による改正前の刑法(以下同じ。)六〇条、法人税法一五九条一項

被告人会社につき いずれも法人税法一六四条一項、一五九条一項、二項

一  刑種の選択

被告人南舘につき 懲役刑を選択

一  併合罪の処理

被告人南舘につき 刑法四五条前段、四七条本文、一〇条(犯情の最も重い判示第一の罪の刑に法定の加重)

被告人会社につき 刑法四五条前段、四八条二項

一  刑の執行猶予

被告人南舘につき 刑法二五条一項

(裁判官 小野貞夫)

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