大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

仙台地方裁判所 平成22年(行ウ)13号 判決

主文

1  被告は,被告補助参加人改革ネット・自民に対し,658万9635円を支払うよう請求せよ。

2  被告は,被告補助参加人民主クラブ仙台に対し,221万6453円を支払うよう請求せよ。

3  被告は,被告補助参加人きぼうに対し,411万8950円を支払うよう請求せよ。

4  被告は,被告補助参加人公明党仙台市議団に対し,475万5227円を支払うよう請求せよ。

5  被告は,被告補助参加人社民党仙台市議団に対し,358万4388円を支払うよう請求せよ。

6  原告のその余の請求をいずれも棄却する。

7  訴訟費用は,これを10分して,その3を原告の負担,その余を被告の負担とし,被告補助参加人改革ネット・自民の補助参加によって生じた費用は,これを5分して,その2を原告の負担,その余を同補助参加人の負担とし,被告補助参加人民主クラブ仙台の補助参加によって生じた費用は,これを5分して,その1を原告の負担,その余を同補助参加人の負担とし,被告補助参加人きぼうの補助参加によって生じた費用は,これを5分して,その1を原告の負担,その余を同補助参加人の負担とし,被告補助参加人公明党仙台市議団の補助参加によって生じた費用は,これを5分して,その1を原告の負担,その余を同補助参加人の負担とし,被告補助参加人社民党仙台市議団の補助参加によって生じた費用は,これを10分して,その1を原告の負担,その余を同補助参加人の負担とする。

事実及び理由

【目次】

第1請求・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3頁

第2事案の概要等・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3頁

1  前提事実等・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4頁

2  関係法令等・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5頁

3  争点及び争点に関する当事者等の主張・・・・・・・・・・・・・・7頁

第3当裁判所の判断

1  総論

(1)  政務調査費の支出の違法性に係る主張立証責任等について・・12頁

(2)  経費を按分して政務調査費から支出することについて・・・・14頁

(3)  調査研究活動に要する旅費の支出について・・・・・・・・・15頁

2  各論

(1)  被告補助参加人改革ネット・自民・・・・・・・・・・・・・18頁

(2)  被告補助参加人民主クラブ仙台・・・・・・・・・・・・・・63頁

(3)  被告補助参加人きぼう・・・・・・・・・・・・・・・・・・79頁

(4)  被告補助参加人公明党仙台市議団・・・・・・・・・・・・・94頁

(5)  被告補助参加人社民党仙台市議団・・・・・・・・・・・・109頁

3  各会派の不当利得の額・・・・・・・・・・・・・・・・・・・128頁

4  附帯請求について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・129頁

第4結論・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・129頁

(別紙1)当事者目録・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・131頁

(別紙2)交付額等一覧表・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・134頁

(別紙3)平成20年度仙台市議会政務調査費の支出一覧・・・・・・・135頁

(別紙4)関係法令等の定め・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・176頁

(別紙5)主張整理表・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・183頁

(別紙6)A11議員の出張一覧・・・・・・・・・・・・・・・・・・201頁

第1請求

1  被告は,被告補助参加人改革ネット・自民に対し,1131万6297円及びこれに対する平成21年5月16日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払うよう請求せよ。

2  被告は,被告補助参加人民主クラブ仙台に対し,272万4669円及びこれに対する平成21年5月16日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払うよう請求せよ。

3  被告は,被告補助参加人きぼうに対し,522万0526円及びこれに対する平成21年5月16日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払うよう請求せよ。

4  被告は,被告補助参加人公明党仙台市議団に対し,567万1986円及びこれに対する平成21年5月16日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払うよう請求せよ。

5  被告は,被告補助参加人社民党仙台市議団に対し,396万2102円及びこれに対する平成21年5月16日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払うよう請求せよ。

第2事案の概要等

本件は,地方行財政の不正を監視・是正すること等を目的として結成された権利能力なき社団である原告が,仙台市議会の会派である被告補助参加人らにおいて,仙台市から交付を受けた平成20年度分の政務調査費の一部を違法に支出し,これを不当に利得したと主張して,地方自治法(平成24年法律第72号による改正前のもの。以下「法」という。)242条の2第1項4号に基づき,仙台市長である被告に対し,被告補助参加人らに対して違法に支出した政務調査費相当額の金員の返還及びこれに対する平成21年5月16日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を請求するよう求める住民訴訟である。

1  前提事実等(争いがない事実,当事者が争うことを明らかにしない事実及び当裁判所に顕著な事実については特に根拠を明記しない。)

(1)  当事者等

ア 原告は,地方行財政の不正を監視・是正すること等を目的として結成された権利能力なき社団である。

イ 被告は,仙台市の執行機関である。

ウ 被告補助参加人らは,いずれも,仙台市議会議員によって構成された権利能力なき社団である。

(2)  平成20年度分政務調査費の支出等

ア 被告補助参加人らは,法100条14項及び仙台市政務調査費の交付に関する条例(平成13年仙台市条例第33号。平成22年仙台市条例44号による改正前のもの。以下「本件条例」という。)2条に基づき,仙台市から,平成20年度分の政務調査費として,別紙2「交付額等一覧表」の「交付額」記載の各金額の交付を受け,同別紙の「支出額」のとおり支出した(自主返還分を除く。)。(以上につき甲2の1)

イ 上記アの「支出額」には,別紙3「平成20年度仙台市議会政務調査費の支出一覧」の「支払額」欄又は「金額」欄に記載された各支出(ただし,同別紙の「3.きぼう」の「資料作成費内訳(会派)」の№5の支出額は,8万2094円ではなく3万2094円であった。)が含まれており,原告は,本件訴えにおいて,上記各支出(以下「本件政務調査費の支出」という。)のうち同別紙の「違法支出額」欄記載の金額の各支出が違法であると主張している。

(3)  本件訴えに至る経緯

ア 原告は,平成22年3月30日,仙台市監査委員(以下「監査委員」という。)に対し,平成20年度における仙台市議会各会派の政務調査費からの支出に違法不当な点が多数存在するとして,別紙2「交付額等一覧表」の「監査請求額」記載の金額について住民監査請求を行った。

監査委員は,平成22年5月26日,上記監査請求について一部を認め,被告に対し,別紙2「交付額等一覧表」の「勧告額」記載の金額の返還を求める措置を講じるよう勧告し,その余の請求を棄却した。(以上につき甲1,2の1)

イ 原告は,同年6月25日,上記監査請求を棄却された支出の一部につき,その違法を主張して,被告に対する本件訴えを提起した。

2  関係法令等

(1)  仙台市における政務調査費の交付に関する規定等

ア 法は,普通地方公共団体が,条例の定めるところにより,議員の調査研究に資するため必要な経費の一部として,その議会における会派又は議員に対し,政務調査費を交付することができる旨規定し,当該政務調査費の交付の対象,額及び交付の方法については条例の定めに委ねている(100条14項)。

イ 本件条例は,法100条14項を受けて制定され,政務調査費を市議会における会派に対して交付する旨(2条)や収支状況報告書等の提出義務(9条)などを定めており,具体的な使途基準については規則に委ね,会派は政務調査費を必要経費以外に充ててはならない旨を定めている(5条)。

ウ 仙台市政務調査費の交付に関する条例施行規則(平成13年仙台市規則第32号。平成23年8月改正前のもの。以下「本件規則」という。)は,本件条例の施行に関し必要な事項を定めており,本件条例5条に基づき,次のとおり,政務調査費の使途基準(以下「本件使途基準」という。)を規定している(2条)。

(ア) 調査研究費 市政に関する調査研究活動及び調査委託等に要する経費(1号)。

(イ) 研修費 研修会,講演会等の実施に要する経費及び各種団体が開催する研修会,講演会等への所属議員等の参加に要する経費(2号)。

(ウ) 資料作成費 調査研究活動に必要な資料等の作成に要する経費(4号)。

(エ) 資料購入費 調査研究活動のために必要な図書,資料等の購入に要する経費(5号)。

(オ) 広報広聴費 議会活動及び市政に関する政策等の広報及び広聴活動に要する経費(6号)。

(カ) 人件費 調査研究活動を補助する者の雇用に要する経費(7号)。

(キ) 事務所費 調査研究活動のための事務所の設置及び管理に要する経費(8号)。

(ク) 事務費 調査研究活動に要する事務経費(9号)。

(ケ) その他の経費 前各号に掲げるもののほか会派が必要と認めた調査研究活動に要する経費(10号)。

エ 仙台市政務調査費の交付に関する要綱(平成13年3月27日議長決裁。平成23年8月改正前のもの。以下「本件要綱」という。)は,仙台市議会議長により制定され,本件条例の施行に関し必要な事項を定め,政務調査費の対象外となる経費(2条)や,調査研究活動に要する旅費の支出(7条)等について規定している。

オ 仙台市議会は,平成20年4月,全会派で構成する政務調査費に関する条例等整備会議における全議員の申合せとして,政務調査費取扱い手引書(仙台市議会平成20年4月。平成23年8月改訂前のもの。以下「本件手引書」という。)を作成した。本件手引書には,政務調査費の対象となる経費例や,本件使途基準の運用指針等が記載されている。(以上につき乙1)

(2)  調査研究活動に要する旅費に関する規定

ア 本件条例や本件規則には,調査研究活動に要する旅費につき直接言及した規定はなく,本件要綱において,特別職の職員の給与,旅費,費用弁償の額並びにその支給方法に関する条例(昭和31年仙台市条例第35号。以下「特別職給与条例」という。)に基づき支給する場合の旅費の額に相当する額を超えて支出することはできないと規定され(7条),本件手引書において,特別職給与条例に基づき支出することとする旨が記載されている(3章5項)。

イ 特別職給与条例は,市議会議員の内国旅行の旅費につき,職員等の旅費に関する条例(昭和27年仙台市条例第32号。以下「旅費条例」という。)の市長等の例によることとしている(2条1号,14条1項)。

ウ 旅費条例は,出張の際の旅費につき,旅費の種類(費目)を,鉄道賃,船賃,航空賃,車賃,日当,宿泊料等と定めた上(6条1項),鉄道賃は,路程に応じ旅客運賃等により支給することとし(同条2項),日当や宿泊料は旅行中の日数ないし夜数に応じた定額で支給することとする(同条6項,7項)など,旅費の費目の一部について,一定の事由に該当する場合に実際の支出額によらずにあらかじめ定めた額を支給する,いわゆる定額方式を採用している。

(3)  関係法令等の詳細は,別紙4「関係法令等の定め」に記載したとおりである。

3  争点及び争点に関する当事者等の主張

本件の争点は,本件政務調査費の支出に違法な支出が含まれるかであり,この点に関する当事者等の主張は,以下のとおりである。

(1)  総論

ア 政務調査費の支出の違法性に係る主張立証責任等について

(ア) 原告の主張

原告が,政務調査費を不当利得として返還することを請求するよう求めるためには,当該支出が調査研究のために用いられる可能性がないことをうかがわせる一般的・外形的事実(例えば,収支報告書の記載に表れた,研修会・物品の名称,書籍の表題等や研修会の趣旨・目的,講演者,講演の演題等),あるいは,一般的・外形的事実からは調査研究のために用いられる可能性があるとしても,当該支出が調査研究のための必要性に欠けるものであったことをうかがわせる具体的事実を摘示すれば足りる。これに対し,被告及び被告補助参加人ら(以下「被告側」という。)において具体的な反証を行わなければ,当該政務調査費の支出は違法な支出であると推認されるというべきである。

(イ) 被告側の主張

政務調査費を不当利得として返還することを請求するよう求めるためには,返還を請求する側において,具体的な政務調査費の支出が本来の政務調査費の使途及び目的に違反した不適切な支出であることを推認させる一般的・外形的事実を,客観的証拠に基づき主張立証する必要がある。

本件において原告が主張する違法事由は,会派ないし議員の説明が政務調査費の支出を正当化するものとしては不十分であるなど抽象的なものにすぎず,具体的な政務調査費の支出が本来の使途及び目的に違反した不適切な支出であることを推認させる一般的・外形的事実の主張立証がされているとは到底認められない。

このように,原告から具体的な主張がなされず,かすかな疑いが生じ得るにすぎない場合であっても,被告補助参加人らが,常に証明書類を提出してその支出状況を詳らかに説明しなければならないという反証責任まで負っているということはできない。

イ 経費を按分して政務調査費から支出することについて

(ア) 原告の主張

本件要綱8条が,「政務調査費に係る経費と政務調査費以外の経費を明確に区分しがたい場合には,従事割合その他の合理的な方法により按分した額を支出額とすることができるものとし,当該方法により按分することが困難である場合には,按分の割合を二分の一を上限として計算した額を支出額とすることができる。」と規定していることからすれば,政務調査に限らない用途での支出に関しては,合理的な按分割合に関して会派ないし議員が主張立証しない限り,2分の1で按分されなければならない。

本件政務調査費の支出のうち,人件費,資料購入費,広報広聴費,事務費等として支出されたものの大部分は,各論において主張するとおり,その性質上,その用途・目的は政務調査に限られないのであるから,被告側において,政務調査に用いたとの抽象的な主張をするだけではなく,客観的資料に基づいて使用実態を明らかにし,「政務調査のみに用いたこと」ないし「政務調査以外の用途に用いることがある場合の按分割合」を主張立証しなければ,2分の1で按分されるべきであり,経費の2分の1を超える部分を政務調査費から支出することは許されないというべきである。

(イ) 被告側の主張

被告補助参加人らは,別紙3「平成20年度仙台市議会政務調査費の支出一覧」の「按分率」欄記載のとおり,本件政務調査費の支出のうち按分すべき支出については,実態に即した按分割合を用いて実際の支出額を按分した上で政務調査費の支出を行っているから,更なる按分の必要はない。

個々の支出の按分の要否及び按分率については,各論において主張するとおりである。

ウ 調査研究活動に要する旅費の支出について

(ア) 原告の主張

被告補助参加人らは,調査研究活動に係る出張に要した旅費につき,交通費や宿泊費等の実費ではなく,旅費条例による算出額を調査研究費として政務調査費から支出している。

しかし,法100条14項は,議員の調査研究に資するため必要な経費の一部としてのみ政務調査費を交付することを許容しており,実際に支出していなければ調査研究活動に必要な経費とはいえないのであるから,本件使途基準にいう調査研究費として支出可能な金額は,市政に関する調査研究活動及び調査委託等に要する経費として実際に支出した額のみであることが明らかである。

被告側は,本件手引書に調査研究活動に要する旅費の支出にあたっては,旅費条例に基づき支出するものとする(本件要綱7条)旨が記載されていることを根拠としているものと思われるが,本件手引書の上位規範である本件要綱7条1項は,「『旅費条例』に基づき支給する場合の旅費の額に相当する額を超えて支出することはできない。」と,支給の上限を画するのみである。本件条例10条が,必要経費として支出した額を控除して得た額に残余がある場合には清算して返還することを規定していることに鑑みても,実費を超えて支給された部分を利得することは許されないというべきである。

したがって,旅費条例に基づき算出した額を政務調査費から支出することを認める本件手引書の記載部分は,法や本件条例に違反する。

被告補助参加人らは,原告による求釈明にもかかわらず,本件で問題とされている旅費の実費額を明らかにせず,各証人も支払った額や利用した旅行会社名を隠す態度が明らかである。これは,旅費条例に基づいて算出した旅費の額が,旅行会社に支払った実費を大きく超えているからである。社会常識に照らしても,旅行会社が各種割引等を利用して,正規料金(すなわち旅費条例に基づく額)よりも低額な旅行代金に抑えていることは公知の事実である。そうすると,宿泊付きの出張につき,少なくとも旅費条例に基づき算出された額の1割に相当する額が実費より過大に政務調査費から支出されているというべきであり,当該1割に相当する額は違法な支出である。

(イ) 被告側の主張

旅費の支給については,いわゆる「定額方式」と「実額方式」という2通りの支給方法が考えられるところ,政務調査活動に要する旅費の支給にあたり,いずれの方式を採用するかについては,議会の裁量に委ねられていると解される。

仙台市が旅費について旅費条例により定額方式を採用している取扱いは,冗費・乱費の抑制と事務の簡素化という合理的な目的に基づくものであり,旅費条例で定められた金額についても標準的な実費の範囲を逸脱するものとはいえないから,合理性がある。

そして,この趣旨は,会派及びその所属議員に対して旅費を支給する場合にも妥当するということができるから,調査研究活動に要する旅費について,合理的な制度である旅費条例の例により計算された金額を定額支給することは,十分な合理性が認められ,議会の裁量権を逸脱・濫用するものではないから,適法である。

(2)  各論

個々の支出の適法性に関する当事者等の主張の骨子は,別紙5「主張整理表」のとおりである。

第3当裁判所の判断

1  総論

(1)  政務調査費の支出の違法性に係る主張立証責任等について

ア 法100条14項,15項の規定による政務調査費の制度は,地方分権の推進を図るための関係法律の整備等に関する法律の施行により,地方公共団体の自己決定権や自己責任が拡大し,その議会の担う役割がますます重要なものとなってきていることに鑑み,議会の審議能力を強化し,議員の調査研究活動の基盤の充実を図るため,議会における会派又は議員に対する調査研究の費用等の助成を制度化し,併せてその使途の透明性を確保しようとしたものである。

そして,法100条14項は,政務調査費を「議員の調査研究に資するため必要な経費」の一部として交付する旨を規定するにとどまり,政務調査費の交付の対象,額及び交付の方法は,条例で定めることとしているが,これは,各地方自治体の実情に応じた運用を図るべく,条例等にその具体化を委ねることとしたものと解される。

そうすると,政務調査費に係る支出の適否は,上記法の趣旨に反しない限り,各地方公共団体における条例等の定めるところに従うべきであり,条例等における使途に係る定めが上記法の趣旨に則って定められているときには,それらの定めに基づいて上記適否を判断するのが相当であるというべきである。

イ この点,本件条例5条に基づき本件規則が定めている本件使途基準の内容(前記2(1)ウ)は,法100条14項にいう「議員の調査研究に資するため必要な経費」を具体化したものであって,法の趣旨に反するものではないというべきであるから,本件政務調査費の支出の適否の判断は,各支出が本件使途基準に合致するか否かを基準に判断するのが相当である。

そして,本件要綱及び本件手引書は,法規範性を有するものではないが,本件要綱は,本件条例の施行に関し必要な事項を定めるものとされ,政務調査費の対象外となる経費や,諸手続などを規定し,仙台市議会議長の決裁を経て作成されたものであり,また,本件手引書は,仙台市議会の全会派で構成する政務調査費に関する条例等整備会議において,本件使途基準の解釈等について全議員の申合せとしてまとめられたものであるから,いずれも,本件使途基準の趣旨や具体的内容を推知させるものとして,具体的支出の本件使途基準への適合性判断に当たって参考にされるべきものであると解される。

ウ そして,本件使途基準は,調査研究費につき「市政に関する調査研究活動及び調査委託等に要する経費」,人件費につき「調査研究活動を補助する者の雇用に要する経費」と定めるなど,調査研究のための必要性をその要件としているから,調査研究のための必要性が認められない支出は,本件使途基準に合致しないものとして違法になるというべきである。

議員の調査研究活動は市政全般に及び,その調査研究の対象,方法も広範かつ多岐にわたるものであり,調査研究活動の手段方法及び内容の選択に当たっては,議員の自主性及び自律性を尊重すべき要請も存在することから,いかなる手段方法によりいかなる調査研究活動を行うかは,議員の広範な裁量的判断に委ねられている側面があることは否定できないが,その裁量にはおのずから一定の限界があるというべきであり,当該支出に係る個別の事実から調査研究活動と市政との関連性を慎重に検討した結果,同支出に係る議員の判断に合理性があるということができない場合には,同支出につき調査研究のための必要性を認めることができず,本件使途基準に合致しないものとして違法になるものと解するのが相当である。

そして,議員の判断に合理性があるといえるかどうかについては,上記のとおり当該支出に係る個別の事実に基づき上記関連性について慎重に検討すべきであり,例えば,収支状況報告書の記載に表れた事実等(研修会・物品の名称,書籍の表題等や研修会の趣旨・目的等)から調査研究のために用いられる可能性がないことがうかがわれる場合,あるいは,その可能性があるといい得ても,当該支出が調査研究のための必要性に欠けるものであったことをうかがわせる具体的事実が認められる場合にあっては,議員の調査研究に資する意見交換等が現になされたり,市政に関する具体的な調査研究が現にされたとか,それが予定されていたなどの特段の事情について適切な立証が行われないときは,当該政務調査費の支出は本件使途基準に合致しない違法な支出であると判断するのが相当である。

(2)  経費を按分して政務調査費から支出することについて

本件要綱及び本件手引書は,本件使途基準に掲げる費用について,政務調査費に係る経費と政務調査費以外の経費を明確に区分し難い場合には,従事割合その他の合理的な方法により按分した額を支出額とすることができるものとし,当該方法により按分することが困難である場合には,按分割合を2分の1を上限として計算した額を支出額とすることができる旨を規定している(本件要綱8条,本件手引書3章4項)。

弁論の全趣旨によれば,会派及び議員の活動は,政務調査活動以外にも政党活動,後援会活動等と広範かつ多岐にわたることに伴い,会派や議員が使用する事務所,事務用品等につき,政務調査活動のための利用とそれ以外の活動のための利用とが事実上混在し,明確に区分することが困難な場合があり得ることが認められる。このような場合について,経費の全額を政務調査費から支出することを認めず,経費を按分して政務調査費から支出することとする上記の取扱いは,議員の調査研究に資するために必要な経費の一部として政務調査費の交付を認めた法の規定や調査研究のための必要性を要求する本件使途基準に沿ったものであるということができる。

そして,一般的,外形的事実から政務調査活動以外の活動にも利用されていることが推認される経費については,被告側において政務調査活動に利用される割合とそれ以外の活動に利用される割合を客観的資料に基づいて立証した場合には当該割合で按分した額を政務調査費から支出することが許されるが,そのような立証がされない場合には,当該経費の2分の1を超えて政務調査費から支出することは許されないというべきである。

(3)  調査研究活動に要する旅費の支出について

ア 原告は,被告補助参加人らが,調査研究活動に係る出張に要した旅費につき,いわゆる定額方式を採用している旅費条例に基づいて算出した額を政務調査費から支出したことが,法や本件条例に違反する旨主張する。

法100条14項は,政務調査費の交付は「議員の調査研究に資するため必要な経費の一部として」することができる旨を規定しており,上記経費は,本来的には,現実に要した費用,すなわち実費をいうものと解される。

もっとも,実費の経費の算定方法として,費用を要した都度その実費を計算してこれを支給すること(実額方式)は,本来の建前には忠実であるものの,経費の中には実費の算定が困難なものもあり,また,個々の支出について証拠書類の確保を要求し,事務担当者にもその確認の手数の負担を負わせることになって,当該費用の額や支出の頻度によってはいたずらに手続を煩雑にし,そのための経費を増大させることになりかねない。上記のような実額方式の問題点に鑑みると,政務調査費の支出について,あらかじめ一定の事由又は場合を定め,それに該当するときには,実際に費消した額の多寡にかかわらず,標準的な実費である一定の額を経費として認めることとする取扱い(定額方式)も,法100条14項にいう経費の算定方法としてこれを採用することが許されると解すべきである。そして,この場合,いかなる事由を政務調査費の支給事由として定めるか,また,標準的な実費である一定の額をいくらとするかについては,政務調査費の交付に関する条例を定める当該地方公共団体の議会の裁量判断に委ねられていると解するのが相当である。

この点,本件条例9条2項は,政務調査費に係る支出額につき,実費によるものとしつつも,これにより難いときは,別に定める方法により算出した額によることができる旨規定しているところ,法100条14項や,これを受けた本件条例1条において,調査研究活動に資するため必要な経費の一部として政務調査費を交付する旨が規定されていることに照らすと,本件条例9条2項の上記の規定は,実費の経費の算定方法として,原則として実額方式によることを定めた上で,実額方式を採用することに上記のような問題が生ずる場合には,社会通念上,実費を対象としてこれを交付するとの政務調査費制度の本来の建前を損なうものでない限り,標準的な実費である一定の額を経費として認めることとする定額方式を採用することも許容する趣旨であると解される(なお,本件条例9条2項にいう「別に定める方法」が,本件条例や本件規則で定められた方法以外の方法を排除する趣旨とは解されない。)。

これに対し,原告は,定額方式によることは,必要経費として支出した額を控除して得た額に残余がある場合には清算して返還することを規定した本件条例10条に違反すると主張するが,本件条例10条は,会派が交付を受けた額(四半期ごとに,会派の所属議員数に35万円及び各四半期に属する月数を乗じて得た額)から必要経費として支出した額を控除して得た額に残余がある場合の返還手続を定めた規定であって,必要経費の算出方法について定めた規定ではないから,原告の上記主張は採用することができない。

イ そこで,本件の旅費の支出についてみるに,調査研究活動に係る旅費の支出について,本件要綱は,特別職給与条例に基づき支給する場合の旅費の額に相当する額を超えて支出することはできないこととし,本件手引書は,特別職給与条例に基づき支出することとし,特別職給与条例は,市議会議員の内国旅行の旅費につき旅費条例の市長等の例によることとし,旅費条例は,定額方式をも採用している。

そして,調査研究活動に係る旅費については,これを実額によるとした場合には,移動に用いる交通手段や宿泊場所の選択いかんによってかえって格差が生じかねず,制度を濫用する弊害が懸念されるところ,全ての移動手段に係る料金,宿泊料等について,実際の証拠資料に基づき支出額を確認した上で,その支出額が高額に過ぎないかや,これより低額の支払で済んだ可能性がないかなどの支出額の妥当性を個別具体的に逐一検討し,旅行中の一切の必要経費を算出しなければならないとすると,そのための事務処理手続が煩雑化してその経費が増大しかねないというべきである。そうすると,調査研究活動に係る旅費の支給にあたり,あらゆる費目について実額方式を採用することの問題点があることは否定できないから,一定の旅費の費目につき標準的な実費の額をあらかじめ定めてこれに従う定額方式を採用することは,それが社会通念上,実費を対象としてこれを交付するとの政務調査費制度の本来の建前を損なうとはいい難いものである限り,本件条例に反することはないというべきである。

これに対し,原告は,旅費条例に基づいて旅費の額を算出することは,旅費条例に基づく額を支給の上限と規定する本件要綱7条1項に反すると主張するが,その文理に照らして同項が定額方式を禁止しているということはできず,同項で上限とされた額(旅費条例に基づき支給する場合の額)を支給する取扱いが,同項に違反するということはできない。

ウ 被告においては,上記のとおり旅費条例に基づく取扱いをしているところ,旅費条例は,国家公務員等の旅費に関する法律を踏襲して制定されているものと認められ,最も経済的な通常の経路及び方法により旅行した場合の旅費により計算することを前提に,鉄道賃については路程に応じ旅客運賃,急行料金,特別車両料金,座席指定料金により支給し,市長等の出張に係る日当については3300円,宿泊料については宿泊先の地方により1万6500円又は1万4900円を支給するなどの内容を定めており(旅費条例7条本文,19条1項,20条1項,附則9項,別表第1),同条例において定額方式を採用している旅費の費目及び各費目に係る額の定めは,いずれも,社会通念に照らして相当性を欠くとは認められず,標準的な実費の範囲内であるというべきである。

そうすると,調査研究活動に要する旅費につき,定額方式を採用している旅費条例に基づき算出した額を政務調査費からの支出額とするという取扱いは,社会通念上,実費を対象としてこれを交付するとの政務調査費制度の本来の建前を損なうとはいえず,本件条例に反しないと解するのが相当である。

以上の検討を踏まえると,上記の取扱いをすることは,仙台市議会の裁量権の範囲を超え又はそれを濫用したものであるともいえないから,法100条14項にも違反しないと解するのが相当である。

2  各論(原告が問題としている各支出について)

(1)  被告補助参加人改革ネット・自民(以下「補助参加人自民」という。)

ア 会派全体

(ア) 調査研究費

原告は,補助参加人自民の出張に係る旅費について政務調査費から支出された額のうち1割が違法な支出であると主張するが,旅費条例に基づき算出した額を政務調査費からの支出額とするという取扱いをもって違法であるとはいえないことは既に検討したとおりであり,原告の主張は理由がない。

(イ) 人件費

a 原告は,補助参加人自民が政務調査費から会派控室の常勤職員2名の人件費を支出したことにつき,その2分の1を超える部分は違法である旨主張するところ,証拠(丙A3の1~丙A4の12,丙A150,丙D16,17の1~3,証人A11,証人A8)及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。

(a) 補助参加人自民は,会派控室における常勤職員2名分の人件費として,平成20年4月から平成21年3月までに合計275万5880円を政務調査費から支出した。

(b) 上記支出に係る領収書の名目は,いずれも「常勤調査研究補助」である。

(c) 補助参加人自民は,市議会各会派に対する職員雇用費交付規則(昭和60年仙台市規則第5号。以下「職員雇用費交付規則」という。)に基づき,控室業務に従事する常勤職員1名当たり毎月11万0400円及び特別手当を仙台市より支給されている(以下,仙台市が職員雇用費交付規則に基づき会派に支給する職員雇用費を「会派職員雇用費補助」という。)。

b(a) 本件使途基準によれば,人件費として政務調査費から支出することが許されるのは,調査研究活動を補助する者の雇用に要する経費であるから,当該職員の雇用に要する経費全額を政務調査費から支出することが許されるというためには,雇用していた職員につき調査研究活動の補助業務への専従性が認められなければならないというべきである。

そして,会派や議員が行う活動は,調査研究活動以外にも政党活動や選挙活動,後援会活動など極めて広範かつ多岐にわたるものであるところ,一般的,外形的には,会派控室は,各会議出席のための準備,待機・休憩が基本的な用途であること,そこに勤務する職員もそれらの準備の補助や議員の世話をする業務に従事することが推認され,そうすると,上記の職員の事務が調査研究活動の補助に当たるか否かについては容易に峻別し難い面があるといわざるを得ない。

補助参加人自民は,上記常勤職員2名につき,会派控室において調査研究活動の補助業務に専従させていた旨主張するが,補助参加人自民の会派控室が調査研究活動のみに利用されていたことを認めるに足りる証拠はなく,会派控室の職員に専従させていたとする調査研究活動の補助業務の具体的内容等も明らかではないといわざるを得ず,かえって,証拠(丙A150,164,証人A11,証人A8)及び弁論の全趣旨によれば,補助参加人自民は,会派控室に配置された職員をして,郵便物の受領,市民からの陳情への対応,電話・来客の対応,取次ぎ等の業務に従事させていることが認められるのである。以上によれば,会派控室の職員が調査研究活動に利用される割合とそれ以外の活動に利用される割合が立証されているということはできず,当該職員に係る人件費は,その2分の1を超えて政務調査費から支出することは許されないというべきである。

(b) 補助参加人自民は,常勤職員2名に対して支払っている毎月約19万円のうち11万0400円は,会派がその控室業務に従事する職員を雇用した場合に職員雇用費交付規則に基づいて仙台市から交付を受ける会派職員雇用費補助であり,政務調査費からの人件費の支出は,その残額についてのみであって,調査研究活動の補助業務のみに対して支給されているから,按分の必要はないと主張する。

しかし,証拠(丙D17の3)によれば,会派職員雇用費補助は,控室業務に従事する職員を雇用する会派に対し,当該職員の業務内容にかかわらず,定額で交付されるものである上,上記(a)のとおり,控室業務を調査研究活動の補助業務とそれ以外の業務に明確に区分することは困難であることからすれば,会派職員雇用費補助が控室に配置された職員の業務のうち調査研究活動の補助業務以外の業務に優先して交付されるものであると認めるに足りず,上記職員の業務全体に対して交付されるものというべきである。

よって,会派控室に配置された常勤職員の人件費の一部が会派職員雇用費補助によりまかなわれている事実は,残額について支払われた政務調査費の按分に係る上記(a)の結論を左右するということはできない。

(c) したがって,補助参加人自民が人件費として政務調査費から支出した額の2分の1に相当する137万7931円は違法な支出である旨の原告の主張は理由がある。

(ウ) 事務費その他の経費

a 証拠(丙A150,164)及び弁論の全趣旨によれば,補助参加人自民が,会派控室における事務用品やコピーに係る経費として,合計28万4252円を支出したことが認められるところ,原告は,そのうち2分の1を超える部分は違法である旨主張する。

b 会派控室は,上記(イ)で検討したとおり,各会議出席のための準備,待機・休憩が基本的な用途であることや,そもそも会派や議員が行う活動は極めて広範かつ多岐にわたるものであること,事務用品やコピー機は,その性質上,適宜必要に応じて使用するものであり,いかなる目的でどの程度使用したかを正確に把握することは困難であるというべきであることを総合考慮すると,一般的,外形的事実からは,会派控室における上記備品等は,調査研究活動以外の活動にも利用されていることが推認されるというべきである。

補助参加人自民は,同じ会派に所属する議員であっても,選挙になればライバル同士となることがあり,そのような者同士が会派控室を後援会活動や選挙活動,個人的業務に使用することはあり得ないから,上記事務用品やコピー機は全て調査研究活動のみに使用されている旨主張するが,会派や議員が行う活動は,後援会活動や選挙活動,個人的業務にも調査研究活動にも属しない種類のものもあり得ると考えられ,上記主張をもってしても,会派控室における事務用品やコピー機等が調査研究活動のみに利用されたと認めるには足りないというべきであり,ほかにこれらが調査研究活動のみに利用された事実を認めるに足りる証拠はなく,調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合が具体的に立証されているということもできない。

よって,会派控室における事務用品やコピーに係る経費は,その2分の1を超えて政務調査費から支出することは許されないというべきであり,補助参加人自民が支出した額の2分の1に相当する14万2122円は違法な支出である旨の原告の主張は理由がある。

イ A1議員

(ア) 調査研究費(旅費)

a 原告は,A1議員が平成20年7月及び同年12月にした各出張について,調査研究としての実質を備えていないから,支出の全額が違法である旨主張するところ,証拠(丙A5の1~丙A6の2,丙A134,157,証人A1)及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。

(a) A1議員は,平成20年7月22日から同月25日にかけて,大地震後の復興と今後の課題,除融雪対策と費用と課題,特養ホームの整備と課題,待機児童対策,横浜未来21の整備と課題,駅前広場の整備と費用についての調査研究を目的として,新潟市,長岡市,静岡市及び横浜市に出張し,出張に要した旅費が政務調査費から支出された。

(b) A1議員は,平成20年12月24日から同月25日にかけて,地下鉄運営及び課題,並びに地下鉄沿線まちづくりについての調査研究を目的として,大阪市及び神戸市に出張し,出張に要した旅費が政務調査費から支出された。

b 上記各事実によれば,上記2回の出張の目的は市政に関する調査研究活動であったということができるが,原告は,A1議員が各出張の具体的な訪問先や成果を証言できなかったことなどからすれば,これらの出張は調査研究としての実質を備えていない旨主張する。

確かに,A1議員の証言には,具体的な訪問先や成果について不明である部分が存するが,同議員は,新潟市には中越地震後の復興と課題を調査するために行き,静岡市には,津波対策を調査し,待機児童がゼロである点を参考にするために行き,横浜市には駅周辺の整備について調査するために行き,大阪市及び神戸市には地下鉄の運営に関する課題等について調査するために行った旨を証言しており,その目的や出張先に不合理な点はうかがえないこと,上記証言は上記各出張から5年以上が経過した時点でのものであることを踏まえると,詳細部分を証言できないからといって,直ちに政務調査の実質が否定されるとはいい難く,ほかに上記2回の出張がその実態を欠くとまで認めるに足りる証拠はないというべきである。

よって,上記2回の出張に要した旅費の支出が,本件使途基準に反した違法な支出であったということはできない。

(イ) 調査研究費(ガソリン代)

a 証拠(甲A24の1,2)及び弁論の全趣旨によれば,A1議員が,平成20年7月19日及び同月25日に購入したガソリンの代金合計3万2554円のうち,約7割に相当する2万2788円が政務調査費から支出されたことが認められるところ,原告は,この支出のうち上記ガソリン代金の2分の1を超える部分は違法であると主張する。

b 自動車は,その性質上,適宜必要に応じて使用するものであるから,同一の自動車を調査研究活動とそれ以外の活動に用いている以上,これをいかなる目的でどの程度使用したかを正確に把握することは困難であるというべきである。

補助参加人自民は,上記の政務調査費の支出は,自動車の使用実態を踏まえて政務調査活動業務の割合を7割として按分した上での支出であるから,更なる按分の必要はないと主張するが,その使用実態を裏付ける客観的資料は認められず,A1議員が使用した上記のガソリンが調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合が立証されているということはできないから,上記ガソリンに係る代金は,その2分の1を超えて政務調査費から支出することは許されないというべきである。

よって,上記ガソリン代金に係る政務調査費の支出のうち6510円は違法である旨の原告の主張は理由がある。

(ウ) 調査研究費(大広間使用料及び茶菓子代)

a 証拠(甲A6,7,丙A157,158,証人A1)及び弁論の全趣旨によれば,A1議員は,平成20年4月27日に荒浜コミュニティ・センターの大広間において,同年5月31日に下荒井公会堂において,周辺住民を集め,東部地区治水対策整備事業の進捗状況について報告するとともに,住民の要望を聴取したこと,上記コミュニティ・センターでの集まりの際には,大広間の使用料として500円,参集した住民156名分のコーヒーとおつまみ代として7万8000円が政務調査費から支出され,下荒井公会堂での集まりの際には,公会堂使用代金として1万円,参集した住民97名分のコーヒーとおつまみ代として4万8500円が政務調査費から支出されたことが認められるところ,原告は,上記各支出の全額が違法であると主張する。

b(a) 上記の各集まりは,市政に関する政策の広報又は広聴活動であるということができるから,上記の大広間及び公会堂の使用料は,本件使途基準にいう広報広聴費に該当すると認められる。

原告は,上記大広間や公会堂は,その広さに照らして156名や97名もの大人数を収容することは物理的に不可能であり,上記広報広聴の機会の実態があったかどうか疑わしいと主張する。

確かに,証拠(甲A27)によれば,荒浜コミュニティ・センターの大広間の広さは約113平方メートルであり,156名もの住民が一堂に会するには手狭であるといわざるを得ないが,当時の会場の具体的な配置等は明らかではなく,上記の集まりが物理的に不可能であったとは認めるに足りない。ほかに上記の各集まりがその実態を欠くとまで認めるに足りる証拠はないというべきである。

よって,上記大広間及び公会堂の使用料に係る政務調査費の支出が,本件使途基準に反した違法な支出であったということはできない。

(b) 次に,上記各集まりにおいて参集した住民に振る舞ったとされるコーヒーやおつまみ等に係る支出について検討する。

証拠(乙1)によれば,本件要綱2条1項2号及び本件手引書3章「8.対象外の経費」において,政務調査費を会議に伴う食事以外の飲食に要する経費に充ててはならない旨が規定されていることが認められるところ,原告は,実質的な広報広聴活動である上記各集まりにおけるコーヒーやおつまみ等に係る支出を政務調査費から支出することは,上記各規定に照らして許されないと主張する。

しかし,一般に,外部者を集める場合に社会通念上相当の範囲内の軽食を提供することが広く行われていることからすれば,広報広聴のために外部者を集める場合であっても,社会通念上相当と認められる範囲内の軽食の提供であれば,その費用を本件使途基準にいう広報広聴費に当たるものとして政務調査費から支出することは許されるというべきである。本件手引書(乙1)においても,例えば,研修費として政務調査費からの支出が認められる経費例には会食経費(茶菓代を含む)が記載されており(3章「7.項目別の政務調査費支出」「研修費」)会議費名目以外でも飲食に要する経費を支出することが許容されていることが認められるのであり,広報広聴のために外部者を集める際に,社会通念上相当と認められる範囲内の軽食を提供するために必要な経費を政務調査費から支出することを禁じているものと解することはできない。なお,証拠(乙3)及び弁論の全趣旨によれば,本件手引書には,平成23年8月の改訂により,広報広聴費の経費例として「広報広聴に伴う茶菓代(社会通念上妥当な範囲内に限る。)」が加えられたことが認められるが,これは,上記の趣旨を確認したにすぎないと解される。

証拠(丙A157,158,証人A1)及び弁論の全趣旨によれば,上記の各集まりにおいて参集した住民に提供された軽食は,コーヒー及び茶菓子にとどまり,その金額も一人当たり500円であって,社会通念上相当と認められる範囲内であるというべきであるから,これらの費用に係る参集した住民に振る舞ったとされるコーヒーやおつまみ等に係る政務調査費の支出が違法であったということはできない。

(エ) 研修費(懇親会会費)

a 証拠(甲A8,丙A159)及び弁論の全趣旨によれば,A1議員は,平成20年11月30日,荒浜ビックウェーブ親の会の懇親会会費として5000円を支払い,これが政務調査費から支出されたことが認められるところ,原告は,上記支出の全額が違法であると主張する。

b 補助参加人自民は,荒浜ビックウェーブ親の会懇親会とは,少年野球クラブの子どもとその保護者が集まる会合であり,政務調査活動の一環であって懇親を主たる目的とする会合ではない旨主張する。

しかし,上記懇親会の名称や支出の名目からすると,市政との関連性は希薄であることがうかがわれ,監査委員に提出した調査票(丙A159)や陳述書(丙A157)等によっても,同懇親会の主たる目的や具体的な内容は明らかではないから,本件使途基準に合致しない支出であると推認され,上記5000円の支出の全額が違法である旨の原告の主張は理由がある。

(オ) 研修費(会場費及び茶菓子代等)

a 証拠(甲2の1,甲A9,丙A157,159,証人A1)及び弁論の全趣旨によれば,A1議員は,①平成20年10月22日に,仙台市若林区所在の飲食店において周辺住民を集め,地下鉄東西線仮称荒井駅建設予定地について関係住民から話を聞いたこと,②同年12月21日に,荒浜コミュニティ・センターにおいて周辺住民を集め,離岸堤,護岸堤の破損状況の調査結果を報告し,今後の対応等について意見を聞いたこと,③上記①の集まりに係る会場費及び参集した住民28名分のコーヒー代として1万5900円が,上記②の集まりに係る大広間使用料として500円,参集した住民157名分のコーヒーとおつまみ代として5万1810円が,政務調査費から支出されたことが認められる。

b 上記の各集まりは市政に関する政策の広報広聴活動であるということができ,振る舞った軽食も社会通念上相当の範囲内であるということができるから,上記(ウ)bのとおり,いずれの経費についても,本件使途基準にいう広報広聴費に当たり,政務調査費から支出することが許されるというべきである。

よって,当該支出の違法をいう原告の主張は,理由がない。

(カ) 資料購入費

a 証拠(甲A10)及び弁論の全趣旨によれば,A1議員が,「憲法と日本のあゆみ-昭和元年・終戦」と題する書籍及び「憲法と日本のあゆみ-明治・大正」と題する書籍を合計7万円で購入し,その購入費用が政務調査費から支出されたことが認められるところ,原告は,上記支出のうち2分の1を超える部分は違法であると主張する。

b 上記いずれの書籍についても,その題名や推認される内容に照らすと,市政との関連性を認めることができ,A1議員は,これらを調査研究活動の資料として利用したと認めるのが相当であるから,その購入に係る支出が調査研究活動のための支出として合理性ないし必要性を欠くとはいえず,その全額を政務調査費から支出することについて違法であるということはできない。

(キ) 広報広聴費

a 原告は,A1議員が使用した街宣車等の経費に係る政務調査費の支出につき,その2分の1を超える部分が違法であると主張するところ,証拠(甲A34~39,42,丙A157,160,証人A1)及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。

(a) A1議員は,平成20年4月20日に1回,同年5月から同年12月までに4回,平成21年1月から3月までに1回,東部地区治水対策整備事業の進捗及び今後の課題並びに都市計画道路等の進捗及び今後の課題についての経過又は結果を報告するため,各回3万円で運転手付きの街宣車を利用し,その費用合計18万円が政務調査費から支出された。

(b) A1議員は,平成21年3月1日,離岸堤,護岸堤の破損状況と復元の調査のため,砂浜を走行することができる軽トラック2台を利用し,その費用2万4000円が政務調査費から支出された。

b 原告は,A1議員が都市計画道路を調査した時期は平成21年1月であるから,上記a(a)の街宣車の使用のうち平成20年に行われた5回において都市計画道路の調査の結果等を報告することは不可能であると主張するところ,確かに,証拠(甲A40,丙A109の4,証人A1)によれば,A1議員が都市計画道路等を調査したのは平成21年1月以降であると認められるから,平成20年の5回の街宣車の使用の際に都市計画道路等の報告が行われたとは認められない。しかし,A1議員は,上記街宣車の使用の際には東部地区治水対策整備事業の進捗と今後の課題についての報告も行った旨説明しており,これを否定するに足りる証拠は存しない。

原告は,街宣車は選挙活動等にも利用できる旨主張するが,上記認定事実のとおり,A1議員が街宣車を賃借したのは計6回という限られた期間であり,街宣車が調査研究活動以外に利用されたことを推認させる事実は存しないというべきである。

以上によれば,A1議員による上記の街宣車及び軽トラックの使用は,市政に関連する調査研究活動に必要であったと認められるから,その費用に係る支出が本件使途基準に反した違法な支出であったということはできない。

(ク) 人件費

a 証拠(甲A11,12,29,31~33,43,44,丙A109の1~7,丙A157,証人A1)及び弁論の全趣旨によれば,A1議員は,次のとおり,雇用した職員に対する報酬を支払い,その費用が政務調査費から支出されたことが認められるところ,原告は,この支出のうち2分の1を超える部分は違法であると主張する。

(a) 平成20年4月20日

支払名目 車代共アルバイト代金

報酬額  4万円

(b) 平成20年8月18日

支払名目 現地調査3日間車代共

報酬額  4万5000円

(c) 平成20年9月24日

支払名目 封筒宛名書

報酬額  8万8000円

(d) 平成20年12月30日

支払名目 大型封筒宛名書

報酬額  9万7500円

(e) 平成21年1月30日

仙台市東部道路下及び仙台南部道路下の用水路,排水路合計162か所の調査の補助業務に3日間にわたり従事した職員に対し,報酬として4万5000円を支払った。

(f) 平成21年2月10日

支払名目 封筒書

報酬額  8万円

(g) 平成21年3月12日

支払名目 封筒書

報酬額  4万9000円

b(a) 上記a(a)の平成20年4月20日の車代共アルバイト代金を名目とする支出については,証拠(甲A34,証人A1)によれば,A1議員は,同じ日に上記(キ)a(a)のとおり運転手付きの街宣車で広報活動を行って上記の支出とは別に3万円を支出したこと,A1議員はその日に上記街宣車の他に人を雇って車を出したことはない旨証言したことが認められ,これらを踏まえると,上記の車代共アルバイト代金を名目とする4万円の支出がどのような目的のために支出されたものであるのか不明であるといわざるを得ず,これについての政務調査費の支出のうち少なくとも2分の1に相当する2万円は違法な支出である旨の原告の主張は理由がある。

(b) 上記a(b)の平成20年8月18日の現地調査3日間車代共を名目とする支出については,A1議員は,その都度発生する特定の業務のため,臨時的にその業務を依頼し,業務内容や業務時間を考慮して給与を支給した旨を説明するにとどまり(丙A157),具体的な業務内容が明らかではない。よって,これについての政務調査費の支出のうち少なくとも2分の1に相当する2万2500円は違法な支出である旨の原告の主張は理由がある。

(c) 上記a(c)(d)(f)(g)の封筒の宛名書きは,前掲証拠によれば,それぞれ1000枚前後の大量の封筒について行われたと認められることに,そもそも議員が行う活動は極めて広範かつ多岐にわたるものであることや,封書にどのような書面が封入して送付されたかということを把握することは困難であることを併せ考慮すると,一般的,外形的事実からは,上記各封筒は調査研究活動以外の活動にも利用されていることが推認されるというべきである。

使用された封筒が具体的にどの地域ないし範囲の住民に送付されたのかを認めるに足りる証拠はなく,A1議員は,例えば,都市計画道路の進捗状況や東部地区治水対策整備事業の進捗状況等を内容とする「関係皆様へご報告」と題する文書の送付のためのものであった旨説明するものの(丙A157),上記封筒全てが調査研究活動のみに利用されたと認めるには足りないというべきであり,調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合が具体的に立証されているということもできないから,上記の封筒の宛名書き業務に係る政務調査費の支出の2分の1に相当する15万7250円は違法な支出である旨の原告の主張は理由がある。

(d) 上記a(e)の平成21年1月30日の調査に係る支出について,A1議員は,仙台市東部道路下及び仙台南部道路下の用水路,排水路合計162か所を調査した際の費用である旨説明しており(丙A157,証人A1),3日間という限られた期間であることや調査研究活動の内容が具体的であることに照らすと,調査研究活動の補助業務への専従性が具体的・合理的に立証されているということができる。

したがって,上記支出は,その全額について違法ではない。

(e) 以上によれば,原告の主張は合計19万9750円の支出の違法をいう限度で理由がある。

(ケ) 事務費その他の経費

証拠(甲A29,31~33)及び弁論の全趣旨によれば,A1議員が上記(ク)a(c)(d)(f)(g)に係る切手代と封筒代について支出した金額(合計54万5260円)の全てが政務調査費から支出されたことが認められるところ,既に検討したとおり,上記封筒が調査研究活動のために利用される割合とそれ以外の活動に利用される割合が立証されているとはいえない以上,上記の切手代と封筒代についても2分の1を超えて政務調査費から支出することは許されないというべきである。

よって,上記の金額の2分の1に相当する27万2630円は違法な支出である旨の原告の主張は理由がある。

ウ A2議員

(ア) 調査研究費

原告は,A2議員の出張に係る旅費について政務調査費から支出された額のうち1割が違法な支出であると主張するが,旅費条例に基づき算出した額を政務調査費からの支出額とするという取扱いをもって違法であるとはいえないことは既に検討したとおりであり,原告の主張は理由がない。

(イ) 人件費

a 原告は,A2議員が使用した人件費に係る政務調査費の支出のうち2分の1を超える部分は違法であると主張するところ,証拠(丙A110の1~12)及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。

(a) A2議員が平成20年4月から平成21年3月までに雇用していた職員に対して支払った報酬のうち合計102万円につき,政務調査費から支出された。

(b) 上記職員は,A2議員の政務調査活動のみならず,後援会活動その他の活動に関する業務にも従事している。

b 補助参加人自民は,上記の支出額は,上記職員の活動実態を踏まえて調査研究活動の補助業務の割合を約35%と見積もった上で,職員に支払った報酬総額のうち上記按分割合に基づく額を政務調査費から支出したものであると主張する。

しかし,A2議員が上記職員に支払った報酬の総額を認めるに足りる証拠はなく,また,上記職員がA2議員の調査研究活動の補助業務に従事した割合とそれ以外の活動の補助業務に従事した割合が立証されているということもできないから,上記の政務調査費の支出のうち2分の1に相当する51万円は違法である旨の原告の主張は理由がある。

エ A3議員

(ア) 調査研究費

原告は,A3議員の出張に係る旅費について政務調査費から支出された額のうち1割が違法な支出であると主張するが,旅費条例に基づき算出した額を政務調査費からの支出額とするという取扱いをもって違法であるとはいえないことは既に検討したとおりであり,原告の主張は理由がない。

(イ) 資料作成費

弁論の全趣旨によれば,A3議員が平成20年10月3日に購入した住宅地図1万5750円の代金全額が政務調査費から支出されたことが認められるところ,原告は,この支出のうち2分の1を超える部分は違法であると主張する。

弁論の全趣旨によれば,住宅地図は,予算配分の確認作業等,市政に関する調査研究に必要な資料であると認められ,A3議員が住宅地図を調査研究活動以外の活動にも利用しているというべき事情も見当たらないから,上記住宅地図の購入代金に係る政務調査費の支出をもって,本件使途基準に違反した違法な支出であったということはできず,原告の主張は理由がない。

(ウ) 資料購入費

証拠(丙A112の1~3)及び弁論の全趣旨によれば,A3議員が購入した書籍代金合計2万0451円が政務調査費から支出されたことが認められるところ,原告は,この支出のうち2分の1を超える部分は違法であると主張する。

上記書籍の題名や内容等は明らかではなく,市政との関連性は不明であるといわざるを得ない。

よって,上記支出額のうち2分の1に相当する1万0225円は違法な支出である旨の原告の主張は理由がある。

(エ) 人件費

a 原告は,A3議員が使用した人件費に係る政務調査費の支出のうち2分の1を超える部分は違法であると主張するところ,証拠(丙A111の1~30)及び弁論の全趣旨によれば,A3議員が平成20年4月から平成21年3月までに雇用していた職員に支払った報酬(合計72万円)の全額が政務調査費から支出されたことが認められる。

b 補助参加人自民は,上記支出は調査研究活動の補助業務に特定して雇用している者に対する支出であると主張し,A3議員は,特定の課題についての政務調査が必要となった場合に補助員に業務を依頼していること,ふだんから依頼している補助員は3名であること,特定の課題とは,例えば,商業活性化対策のための商店街視察や意見聴取,東二番丁幼稚園の存続に関する調査,保育所民営化に関する調査等が挙げられること,給与はその時々の業務量に応じ,1か月当たり1万円から3万円を支給していることなどを説明する(丙A152)。

しかし,A3議員の上記説明を勘案しても,A3議員が長期間にわたって雇用していた者が従事していた業務の具体的内容は明らかでないといわざるを得ず,A3議員が支払った上記の人件費は,調査研究活動の補助業務のみに利用されたと認めるに足りず,また,調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合が立証されているということもできないから,その2分の1を超えて政務調査費から支出することは許されないというべきである。

よって,上記支出額のうち2分の1に相当する36万円は違法な支出である旨の原告の主張は理由がある。

オ A4議員

原告は,A4議員のウェブサーバー使用料に係る政務調査費の支出3万1500円のうち2分の1に相当する1万5750円が違法であると主張するが,証拠(丙A123)及び弁論の全趣旨によれば,原告が違法であると主張する上記1万5750円については既に自主返納がされたことが認められるから,上記支出に係る原告の請求は理由がない。

カ A5議員

原告は,A5議員の出張に係る旅費について政務調査費から支出された額全額の返還を求めているが,第6回口頭弁論期日において,上記出張は政務調査を目的として行われたものであることが明らかになったとして全額が違法である旨の主張を撤回している。

原告は,上記支出額のうち1割が違法な支出であると主張するが,旅費条例に基づき算出した額を政務調査費からの支出額とするという取扱いをもって違法であるとはいえないことは既に検討したとおりであり,原告の主張は理由がない。

キ A6議員

(ア) 調査研究費

原告は,A6議員の出張に係る旅費について政務調査費から支出された額のうち1割が違法な支出であると主張するが,旅費条例に基づき算出した額を政務調査費からの支出額とするという取扱いをもって違法であるとはいえないことは既に検討したとおりであり,原告の主張は理由がない。

(イ) 資料購入費

a 証拠(甲A13~15)及び弁論の全趣旨によれば,A6議員が「地方自治情報誌」,「正論」,「Will」,「SAPIO」と題する書籍を購入した代金合計3万9028円が政務調査費から支出されたことが認められるところ,原告は,この支出のうち2分の1を超える部分は違法であると主張する。

b 「地方自治情報誌」については,その性質上,市政との関連性が一般的に認められるというべきであり,上記各書籍のうちその余のものについては,前掲各証拠及び弁論の全趣旨によれば,いずれも政治問題や社会問題を主なテーマとして掲載する雑誌であることが認められるから,調査研究活動への必要性が認められ,調査研究活動以外の活動にも利用されていることをうかがわせるべき事情も見当たらない。

原告は,上記各書籍のうち特に「Will」や「SAPIO」は大衆雑誌であると指摘するが,上記各書籍が対象としているテーマに照らすと,記事の書き方が大衆的な興味を満たすようなものであるからといって,調査研究活動以外の活動にも利用されたと評価するには足りないというべきであり,上記各書籍の代金を按分することなく全額につき政務調査費から支出されたことが違法であるということはできない。

(ウ) 事務費その他の経費

a 証拠(丙A135)及び弁論の全趣旨によれば,A6議員が購入したテレビ及びメモリーカードの代金のうち2分の1(合計8万7161円),デジタルカメラの代金の全額(8万3790円)並びに住宅地図の代金の全額(1万4700円)が政務調査費から支出されたことが認められるところ,原告は,テレビ,メモリーカード及びデジタルカメラについては支出の全額が,住宅地図については支出の2分の1を超える部分が違法であると主張する。

b(a) テレビ,メモリーカード及びデジタルカメラについて,調査研究活動のための必要性を欠くとまで認めるに足りる証拠はないから,それらの支出の全額が違法であるとの原告の主張は理由がない。

もっとも,上記各備品については,その性質上,適宜必要に応じて使用することができるものである以上,一般的,外形的事実からは,調査研究活動以外の活動にも利用されていることが推認されるというべきである。

補助参加人自民は,上記各備品を調査研究活動のみに使用しており,その目的以外に使用することはないと主張するが,その使用実態を裏付ける客観的資料は認められず,A6議員が使用した上記各備品が調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合が立証されているということはできず,上記代金は,その2分の1を超えて政務調査費から支出することは許されないというべきである。

そうすると,テレビ及びメモリーカードに係る政務調査費の支出については,そもそも代金の2分の1が政務調査費から支出されているにとどまるから,その違法をいう原告の主張は理由がないが,デジタルカメラに係る政務調査費の支出については,代金の2分の1である4万1895円が違法な支出であるという限度で原告の主張は理由がある。

(b) 住宅地図については,既に検討したのと同様に,その購入に係る支出が議員の行う調査研究活動のための支出として合理性ないし必要性を欠くとはいえず,その全額を政務調査費から支出することについて違法とはいえず,原告の主張は理由がない。

ク A7議員

(ア) 調査研究費

原告は,A7議員の出張に係る旅費について政務調査費から支出された額のうち1割が違法な支出であると主張するが,旅費条例に基づき算出した額を政務調査費からの支出額とするという取扱いをもって違法であるとはいえないことは既に検討したとおりであり,原告の主張は理由がない。

(イ) 人件費

a 原告は,A7議員が使用した人件費に係る政務調査費のうち2分の1を超える部分は違法であると主張するところ,証拠(丙A113の1~12)及び弁論の全趣旨によれば,A7議員が平成20年4月から平成21年3月までに雇用していた職員に支払った報酬(合計70万5000円)の全額が政務調査費から支出されたことが認められる。

b 補助参加人自民は,上記支出は調査研究活動の補助業務に特定して雇用している者に対する支出であると主張し,A7議員は,特定の課題についての政務調査が必要となった場合に補助職員に業務を依頼していること,ふだんから依頼している補助職員は1名であること,特定の課題についての政務調査とは,例えば,地域課題の吸収,各種団体及び住民からの陳情や相談等の聞き取り業務,現地調査等が挙げられること,調査の結果については,補助職員からの報告を受けていることなどを説明する(丙A154)。

しかし,A7議員の上記説明を勘案しても,A7議員が長期間にわたって雇用していた者が従事していた業務の具体的内容は明らかでないといわざるを得ず,A7議員が支払った上記の人件費は,調査研究活動の補助業務のみに利用されたと認めるに足りず,また,調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合が立証されているということもできないから,その2分の1を超えて政務調査費から支出することは許されないというべきである。

よって,上記支出額のうち2分の1に相当する35万2500円は違法な支出である旨の原告の主張は理由がある。

(ウ) 事務費その他の経費

a 原告は,A7議員が電話代行サービスを利用した料金について政務調査費から支出された額の2分の1を超える部分が違法である旨主張するところ,証拠(丙A154)及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。

(a) A7議員は,電話代行サービスを利用し,平成20年4月から平成21年3月までの使用料金として合計24万5700円を支払い,その全額が政務調査費から支出された。

(b) 上記電話代行サービスは,専用回線に電話すると,電話代行システムに転送され,オペレーターにおいて内容を聴取してA7議員の携帯電話又はEメールへ連絡を入れるという仕組みになっている。

b 上記の電話代行サービスは,その仕組みに照らすと,調査研究活動に係る電話以外にも,私用のみならず,調査研究活動以外の議員活動,選挙活動,政党活動,後援会活動等に係る電話でも日常的に頻繁,かつ容易に使用され得るから,一般的には,調査研究以外の活動にも利用されていることが推認されるというべきである。

補助参加人自民は,上記電話代行サービスを利用している電話回線を政務調査以外に使用することはないと主張するが,その利用実態を裏付ける客観的資料は認められず,A7議員が利用した上記電話代行サービスが調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合が立証されているということはできず,上記料金は,その2分の1を超えて政務調査費から支出することは許されないというべきである。

よって,上記料金の2分の1に相当する12万2850円は違法な支出である旨の原告の主張は理由がある。

ケ A8議員

(ア) 調査研究費

原告は,A8議員の出張に係る旅費について政務調査費から支出された額のうち1割が違法な支出であると主張するが,旅費条例に基づき算出した額を政務調査費からの支出額とするという取扱いをもって違法であるとはいえないことは既に検討したとおりであり,原告の主張は理由がない。

(イ) 資料購入費

a 証拠(甲A17,丙A125)及び弁論の全趣旨によれば,A8議員が,「繁盛商店街の仕掛け人」と題する書籍,住宅地図及び地図用DVDを購入した代金合計2万4780円が政務調査費から支出されたことが認められるところ,原告は,この支出のうち2分の1を超える部分は違法であると主張する。

b 証拠(丙A125)及び弁論の全趣旨によれば,「繁盛商店街の仕掛け人」は,全国における中心市街地活性化の取組みに関する成功事例集であることが認められ,市政との関連性を認めることができ,A8議員は,これを調査研究活動の資料として利用したと認めるのが相当であるから,その購入に係る支出が調査研究活動のための支出として合理性ないし必要性を欠くとはいえず,その全額を政務調査費から支出することについて違法とはいえない。

住宅地図及び地図用DVDについては,既に検討したのと同様に,その購入に係る支出が議員の行う調査研究活動のための支出として合理性ないし必要性を欠くとはいえず,その全額を政務調査費から支出することについて違法とはいえず,原告の主張は理由がない。

(ウ) 人件費

a 原告は,A8議員が使用した人件費に係る政務調査費のうち2分の1を超える部分は違法であると主張するところ,証拠(丙A114の1~12)及び弁論の全趣旨によれば,A8議員が平成20年4月から平成21年3月までに雇用していた職員に支払った報酬(合計36万円)の全額が政務調査費から支出されたことが認められる。

b 補助参加人自民は,上記支出は調査研究活動の補助業務に特定して雇用している者に対する支出であると主張し,A8議員は,同議員が調査研究したい課題についての業務を行わせることを目的に職員を雇用していること,勤務日は週1~2日程度であることなどを説明する(丙A155)。

しかし,A8議員の上記説明を勘案しても,A8議員が長期間にわたって雇用していた者が従事していた業務の具体的内容は明らかでないといわざるを得ず,A8議員が支払った上記の人件費は,調査研究活動の補助業務のみに利用されたと認めるに足りず,また,調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合が立証されているということもできないから,その2分の1を超えて政務調査費から支出することは許されないというべきである。

よって,上記支出額のうち2分の1に相当する18万円は違法な支出である旨の原告の主張は理由がある。

(エ) 事務所費

a 弁論の全趣旨によれば,A8議員が支払った事務所の賃料について合計72万8000円が政務調査費から支出されたことが認められるところ,原告は,この支出のうち2分の1を超える部分は違法であると主張する。

b 議員の活動が極めて広範かつ多岐にわたることに照らすと,その活動の拠点となる事務所においては,一般的,外形的には,調査研究活動以外の活動も行われることが推認される。

上記賃料に係る政務調査費の支出額及び弁論の全趣旨によれば,政務調査費から支出されたのはA8議員が支払った賃料のうち8割であることが認められるところ,補助参加人自民は,上記事務所は調査研究活動以外にも使用する可能性があることから,調査研究活動業務の割合を8割として按分した旨主張するが,上記事務所の利用実態を裏付ける客観的資料は認められず,上記事務所が調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合が立証されているということはできないから,上記事務所の賃料は,その2分の1を超えて政務調査費から支出することは許されないというべきである。

よって,上記賃料に係る政務調査費の支出のうち27万3000円は違法な支出である旨の原告の主張は理由がある。

(オ) 事務費その他の経費

a 証拠(甲2の1)及び弁論の全趣旨によれば,A8議員が支払った携帯電話料金のうち3分の2,灯油代のうち5分の4,紙代,トナー代,デジタルカメラ等の購入代金の全額が,政務調査費から支出されたこと,上記支出額のうちデジタルカメラ購入代金の3分の1に当たる1万0800円が既に返還されたことが認められる。

b 上記備品等は,調査研究活動に用いるほかにも,私用のみならず,調査研究活動以外の議員活動,選挙活動,政党活動,後援会活動等の目的でも日常的に頻繁,かつ容易に使用され得るから,一般的には,調査研究以外の活動にも利用されていることが推認されるというべきである。

補助参加人自民は,上記備品等は,それぞれの使用実態を踏まえて,按分の必要があるものは既に按分をした上で政務調査費を支出している旨主張するが,上記各備品の利用実態を裏付ける客観的資料は認められないから,A8議員が利用した上記備品等が調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合が立証されているということはできず,上記料金等は,その2分の1を超えて政務調査費から支出することは許されないというべきである。

よって,上記備品等に係る政務調査費の支出のうち7万1748円の支出は違法である旨の原告の主張は理由がある。

コ A9議員

(ア) 調査研究費

原告は,A9議員の出張に係る旅費について政務調査費から支出された額のうち1割が違法な支出であると主張するが,旅費条例に基づき算出した額を政務調査費からの支出額とするという取扱いをもって違法であるとはいえないことは既に検討したとおりであり,原告の主張は理由がない。

(イ) 広報広聴費

a 証拠(甲A3)及び弁論の全趣旨によれば,A9議員のホームページに係る経費のうち9割に当たる9000円が政務調査費から支出されたことが認められるところ,原告は,この支出のうち上記経費の2分の1を超える部分は違法であると主張する。

b 証拠(甲A3)及び弁論の全趣旨によれば,上記ホームページには,A9議員が掲げる政策や,市議会における同議員の質問項目等が掲載されていることが認められるが,議員のホームページは,一般的に,当該議員に関する様々な情報が掲載されるのが通常であるというべきであり,その全てが議員の調査研究に資するものとは考え難く,他方,ホームページに掲載された情報を,調査研究に資するものとそれ以外のものとに峻別することも現実的には困難である。

そうすると,議員のホームページに係る経費については,その2分の1を超えて政務調査費から支出することは許されないと解するのが相当である。

よって,上記支出額のうち4000円は違法な支出である旨の原告の主張は理由がある。

サ A10議員

(ア) 研修費

a 原告は,A10議員が支払った仙台市障害者スポーツ協会の年会費5万円に係る政務調査費の支出のうち2分の1を超える部分と21世紀宮城野会の懇談会費6000円に係る政務調査費の支出全額が違法であると主張するところ,証拠(丙A126,127)及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。

(a) A10議員が平成20年12月19日に仙台市障害者スポーツ協会に支払った年会費5万円が政務調査費から支出された。

(b) 上記協会は,障害者にスポーツを体験してもらうためのきっかけと環境づくりを行い,障害者スポーツの普及及び振興を図るとともに障害者スポーツの可能性を研究・開発することを目的とし,障害者スポーツの宣伝活動や研究,大会の実施等を事業とする団体である。

(c) A10議員が同月22日に支払った21世紀宮城野会の懇談会費6000円が政務調査費から支出されたが,その後,同額が自主返納された。

b 仙台市障害者スポーツ協会の年会費については,上記認定事実によれば,同協会の目的や事業内容は市政に関連するものと認められ,同議員が支出した年会費が社会通念上不相当に高額であるともいえないから,その支出が違法であるということはできない。

21世紀宮城野会の懇談会費については,上記認定事実のとおり,全額自主返納済みであるから,原告の請求は理由がない。

(イ) 資料購入費

証拠(丙A116の1,2)及び弁論の全趣旨によれば,A10議員が購入した書籍の代金合計1万3235円が政務調査費から支出されたことが認められるところ,原告は,上記支出のうち2分の1を超える部分は違法であると主張する。

上記書籍について,その題名や内容を認めるに足りる証拠はないから,上記書籍と政務調査との関連性は不明といわざるを得ない。

したがって,上記書籍の購入費用の2分の1に相当する6617円は違法な支出である旨の原告の主張は理由がある。

(ウ) 広報広聴費

a 証拠(甲A4)及び弁論の全趣旨によれば,A10議員のホームページに係る経費合計15万3300円が政務調査費から支出されたことが認められるところ,原告は,この支出のうち2分の1を超える部分は違法であると主張する。

b 証拠(甲A4)及び弁論の全趣旨によれば,上記ホームページには,A10議員のプロフィールやA10議員が掲げる政策,議会レポート等が掲載されていることが認められるが,既に検討したとおり,議員のホームページに係る経費については,その2分の1を超えて政務調査費から支出することは許されないと解するのが相当である。

よって,上記支出額のうち7万6650円は違法な支出である旨の原告の主張は理由がある。

(エ) 人件費

a 証拠(丙A117の1~10)及び弁論の全趣旨によれば,A10議員が平成20年6月から平成21年3月までに雇用していた職員に支払った報酬(合計50万円)の全額が政務調査費から支出されたことが認められるところ,原告は,この支出のうち2分の1を超える部分は違法であると主張する。

b 補助参加人自民は,上記支出は調査研究活動の補助業務に特定して雇用している者に対する支出であると主張し,A10議員は,政令指定都市や自治体が発信する情報や資料の整理及び視察先で収集した資料の分類整理などの業務を行わせることを目的に職員を雇用していること,勤務日は週3日程度であることなどを説明する(丙A156)。

しかし,A10議員の上記説明を勘案しても,A10議員が長期間にわたって雇用していた者が従事していた業務の具体的内容は明らかでないといわざるを得ず,A10議員が支払った上記の人件費は,調査研究活動の補助業務のみに利用されたと認めるに足りず,また,調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合が立証されているということもできないから,その2分の1を超えて政務調査費から支出することは許されないというべきである。

よって,上記支出額のうち2分の1に相当する25万円は違法な支出である旨の原告の主張は理由がある。

(オ) 事務所費

a 弁論の全趣旨によれば,A10議員が支払った事務所の賃料(合計78万円)の全額が政務調査費から支出されたことが認められるところ,原告は,この支出のうち2分の1を超える部分は違法であると主張する。

b 補助参加人自民は,上記事務所は調査研究活動以外には使用していないと主張するが,上記事務所の利用実態を裏付ける客観的資料は認められず,上記事務所が調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合が立証されているということはできないから,上記事務所の賃料は,その2分の1を超えて政務調査費から支出することは許されないというべきである。

よって,上記賃料に係る政務調査費の支出のうち2分の1を超える額である39万円は違法な支出である旨の原告の主張は理由がある。

(カ) 事務費その他の経費

a 証拠(甲2の1)及び弁論の全趣旨によれば,A10議員が支払った携帯電話料金(合計13万0752円)及び固定電話料金(合計3万2602円)の全額が政務調査費から支出されたこと,その後,上記携帯電話料金に係る支出のうち2万6151円が返還されたことが認められる。

b 携帯電話料金及び固定電話料金は,調査研究活動に用いるほかにも,私用のみならず,調査研究活動以外の議員活動,選挙活動,政党活動,後援会活動等の目的でも日常的に頻繁,かつ容易に使用され得るから,一般的には,調査研究以外の活動にも利用されていることが推認されるというべきである。

補助参加人自民は,携帯電話料金は,調査研究活動業務の割合を8割として既に残り2割は返還済みである,固定電話料金は調査研究活動に限定して契約した事務所において使用するものであるから調査研究活動以外に使用することはないと主張するが,上記各電話料金の使用実態を裏付ける客観的資料は認められないから,A10議員が使用した上記各電話料金が調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合が立証されているということはできず,上記各電話料金は,その2分の1を超えて政務調査費から支出することは許されないというべきである。

よって,上記携帯電話料金の2分の1から上記返還額2万6151円を控除した額である3万9225円と,上記固定電話料金の2分の1に相当する1万6300円とを合計した額である5万5525円の支出の違法をいう限度で,原告の主張は理由がある。

シ A11議員

(ア) 調査研究費(旅費)

a 原告は,A11議員の出張に係る旅費についてされた政務調査費の支出全額が違法である旨主張するところ,証拠(甲A19,丙A53の1~丙A85,136~147,150,証人A11)及び弁論の全趣旨によれば,A11議員は,①平成20年4月7日に,水族館や経済活性化と資金調達,国際経済状況について調査するために東京都へ,②同年4月15日から同月16日にかけて,スポーツ振興やスポーツ施設等について調査するために長野市へ,③同月22日から同月23日にかけて,経済活性化と街づくり,世界経済と地域の関わりについて調査するために東京都へ出張するなど,別紙6「A11議員の出張一覧」のとおり,「出張期間」記載の期間に,「調査研究項目」記載の目的に基づき,「出張先」記載の場所を訪問する合計33回の出張をしたこと,上記各出張に係る旅費が政務調査費から支出されたことが認められる。

b 原告は,上記各出張について,政務調査とは異なる目的での出張であることや,出張の具体的内容や成果が明らかではないことなどを理由に,政務調査費から支出した旅費の全額が違法である旨主張する。

(a) まず,証拠(丙A53の1,2,丙A54の1,2,丙A76,138,150)及び弁論の全趣旨によれば,別紙6「A11議員の出張一覧」の②③⑩の出張について,出張前に提出された届出書記載の用務先やA11議員の陳述書に記載された用務先と,出張後に提出された政務調査費支払証明書記載の行程との間に,一部齟齬があることが認められる(例えば,②の出張について,出張前に提出する届出書には用務先が「東京・長野」と記載されているが,政務調査費支払証明書には東京が記載されていない。)。

しかし,上記のいずれの齟齬も,事前の届出書に記載された複数の目的地の一部のみが,政務調査費支払証明書に記載されているにとどまり,同証明書に記載された行程に基づいて計算された金額が政務調査費から支出されているのであって,上記届出書に記載されていない目的地に出張したとして旅費を政務調査費から支出したとか,実際には訪問していないにもかかわらず,旅費を政務調査費から支出したと認めるには足りない。予定されていた目的地の範囲を縮小して出張したとしても,直ちに調査研究目的が失われることにはならないというべきであるから,上記の齟齬を理由に支出が違法であるということはできない。

(b) 証拠(丙A150,証人A11)によれば,A11議員は,複数の出張先で国会議員や法人役員等と面会したことが認められるところ(例えば,別紙6「A11議員の出張一覧」の⑩の出張は,目的先が参議院議員会館であり,参議院議員と面会したことが認められる。),原告は,政務調査活動ではなくA11議員自らの政治活動のための出張であった旨主張する。

しかし,議員や法人役員と面会して上記別紙記載の調査研究項目について意見交換を行い,レクチャーを受けた旨の説明が不合理であるとまでいうことはできず,出張において議員や会社役員と面会したことを理由に政務調査費の支出が違法であったということはできない。

(c) 別紙6「A11議員の出張一覧」の出張先には,博物館や水族館などの観光施設が含まれるが,観光政策に係る調査研究のために観光施設を訪問し,視察することにも調査研究活動としての必要性や合理性を認め得るというべきであり,当時,仙台市において水族館を建設するという話があったなどのA11議員の証言をも併せ考慮すると,観光施設を訪問したことのみを理由に当該出張と政務調査との関連性を否定することはできないというべきである。

(d) 原告は,A11議員が調査研究活動の具体的な内容や成果等を挙げられていないことを理由に上記政務調査費の支出が違法である旨主張する。

確かに,A11議員の証言には,具体的な訪問先や成果について不明である部分が存するが,同議員は,別紙6「A11議員の出張一覧」記載の「調査研究項目」に関連する人物と面会したこと,仙台市における水族館の設置や地下鉄事業,スポーツ施設や文化施設の効果的な運営方法等に係る調査をするために出張したことなどを証言しており,その目的や出張先に不合理な点はうかがえないこと,上記証言は,上記各出張から5年以上が経過した時点のものであることを踏まえると,詳細部分を証言できないからといって,直ちに政務調査の実質が否定されるとはいい難く,ほかに上記各出張がその実態を欠くとまで認めるに足りる証拠はないというべきである。

(e) また,旅費条例に基づき算出した額を政務調査費からの支出額とするという取扱いをもって違法であるとはいえないことも,既に検討したとおりであり,上記各出張に要した旅費の支出が,本件使途基準に反した違法な出張であったということはできない。

(イ) 調査研究費(ガソリン代)

a 証拠(丙A150)及び弁論の全趣旨によれば,A11議員が購入したガソリン代のうち7割(合計25万8552円)が政務調査費から支出されたことが認められるところ,原告は,この支出のうちガソリン代金の2分の1を超える部分は違法であると主張する。

b 自動車は,その性質上,適宜必要に応じて使用するものであるから,同一の自動車を調査研究活動とそれ以外の活動に用いている以上,これをいかなる目的でどの程度使用したかを正確に把握することは困難であるというべきである。

補助参加人自民は,上記の政務調査費の支出は,自動車の使用実態を踏まえて政務調査活動業務の割合を7割として按分した上での支出であるから,更なる按分の必要はないと主張するが,その使用実態を裏付ける客観的資料は認められず,A11議員が使用した上記のガソリンが調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合が立証されているということはできないから,上記ガソリンに係る代金は,その2分の1を超えて政務調査費から支出することは許されないというべきである。

よって,上記ガソリン代金に係る政務調査費の支出のうち7万3870円は違法である旨の原告の主張は理由がある。

(ウ) 事務費その他の経費

原告は,A11議員が利用した電話料金やデジタルカメラの購入代金についての政務調査費の支出のうち各料金等の2分の1を超えて支出された部分が違法である旨主張するところ,弁論の全趣旨によれば,A11議員が支払った携帯電話料金の7割並びに固定電話料金及びデジタルカメラの購入代金等の全額(合計29万2503円)が政務調査費から支出されたことが認められる。

上記備品等は,調査研究活動に用いるほかにも,私用のみならず,調査研究活動以外の議員活動,選挙活動,政党活動,後援会活動等の目的でも日常的に頻繁,かつ容易に使用され得るから,一般的には,調査研究以外の活動にも利用されていることが推認されるというべきである。

補助参加人自民は,上記備品等は,それぞれの使用実態を踏まえて,按分の必要があるものは既に按分をした上で政務調査費を支出している旨主張するが,上記各備品の利用実態を裏付ける客観的資料は認められないから,A11議員が利用した上記備品等が調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合が立証されているということはできず,上記料金等は,その2分の1を超えて政務調査費から支出することは許されないというべきである。

よって,上記備品等に係る政務調査費の支出のうち9万5271円の支出は違法である旨の原告の主張は理由がある。

ス A12議員

(ア) 調査研究費

原告は,A12議員の出張に係る旅費について政務調査費から支出された額のうち1割が違法な支出であると主張するが,旅費条例に基づき算出した額を政務調査費からの支出額とするという取扱いをもって違法であるとはいえないことは既に検討したとおりであり,原告の主張は理由がない。

(イ) 人件費

a 証拠(丙A118の1~12)及び弁論の全趣旨によれば,A12議員が平成20年4月から平成21年3月までに雇用していた職員に支払った報酬のうち8分の5(合計60万円)が政務調査費から支出されたことが認められるところ,原告は,この支出のうち報酬額の2分の1を超える部分は違法であると主張する。

b 補助参加人自民は,上記の支出額は,上記職員の活動実態を踏まえて調査研究活動の補助業務の割合を8分の5として按分した上での支出であるから,更なる按分の必要はないと主張し,A12議員は,市政に対する問い合わせや苦情等の対応,特定の課題に対する情報収集・調査,調査資料の整理,現地調査,広報誌の発送などの業務を職員に行わせていること,突発的に生じた政務調査以外の業務も行わせているため,実態に照らして8分の5を政務調査費として計上した旨を説明する(丙A161)。

しかし,A12議員の上記説明を勘案しても,A12議員が長期間にわたって雇用していた者が従事していた業務の具体的内容は明らかでないといわざるを得ず,A12議員が支払った上記の人件費は,調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合が立証されているということができないから,その2分の1を超えて政務調査費から支出することは許されないというべきである。

よって,上記支出額のうち12万円は違法な支出である旨の原告の主張は理由がある。

(ウ) 事務費その他の経費

a 弁論の全趣旨によれば,A12議員が購入した中古パソコン,デジタルカメラ及びプリンターの代金の3分の2(合計22万4840円)が政務調査費から支出されたことが認められるところ,原告は,上記支出のうち2分の1を超える部分が違法である旨主張する。

b 上記備品等は,調査研究活動に用いるほかにも,私用のみならず,調査研究活動以外の議員活動,選挙活動,政党活動,後援会活動等の目的でも日常的に頻繁,かつ容易に使用され得るから,一般的には,調査研究以外の活動にも利用されていることが推認されるというべきである。

補助参加人自民は,上記備品等は,使用実態を踏まえて,調査研究活動業務の割合を3分の2として按分した上での支出であるから,更なる按分の必要はないと主張するが,その使用実態を裏付ける客観的資料は認められず,A12議員が利用した上記備品等が調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合が立証されているということはできないから,上記各代金は,その2分の1を超えて政務調査費から支出することは許されないというべきである。

よって,上記備品等に係る政務調査費の支出のうち5万6210円の支出は違法である旨の原告の主張は理由がある。

セ A13議員

(ア) 調査研究費

原告は,A13議員の出張に係る旅費について政務調査費から支出された額のうち1割が違法な支出であると主張するが,旅費条例に基づき算出した額を政務調査費からの支出額とするという取扱いをもって違法であるとはいえないことは既に検討したとおりであり,原告の主張は理由がない。

(イ) 事務費その他の経費

a 弁論の全趣旨によれば,A13議員が支払った携帯電話料金の7割(合計9万9451円)が政務調査費から支出されたことが認められるところ,上記支出のうち携帯電話料金の2分の1を超える部分が違法である旨主張する。

b 携帯電話料金は,調査研究活動に用いるほかにも,私用のみならず,調査研究活動以外の議員活動,選挙活動,政党活動,後援会活動等の目的でも日常的に頻繁,かつ容易に使用され得るから,一般的には,調査研究以外の活動にも利用されていることが推認されるというべきである。

補助参加人自民は,上記の政務調査費の支出は,携帯電話の使用実態を踏まえて調査研究活動業務の割合を7割として按分した上での支出であるから,更なる按分の必要はないと主張するが,その使用実態を裏付ける客観的資料は認められず,A13議員が使用した上記電話料金が調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合が立証されているということはできないから,上記電話料金は,その2分の1を超えて政務調査費から支出することは許されないというべきである。

よって,上記電話料金に係る政務調査費の支出のうち2万8412円は違法である旨の原告の主張は理由がある。

ソ A14議員

原告は,A14議員の出張に係る旅費について政務調査費から支出された額のうち1割が違法な支出であると主張するが,旅費条例に基づき算出した額を政務調査費からの支出額とするという取扱いをもって違法であるとはいえないことは既に検討したとおりであり,原告の主張は理由がない。

タ A15議員

(ア) 資料購入費

弁論の全趣旨によれば,A15議員が購入した住宅地図の代金(2万0370円)が政務調査費から支出されたことが認められるところ,原告は,上記支出のうち2分の1を超える部分が違法であると主張する(なお,A15議員のその余の資料購入費については,原告は第6回口頭弁論期日において,支出の2分の1を超える部分が違法である旨の主張を撤回している。)。

住宅地図については,既に検討したのと同様に,その購入に係る支出が議員の行う調査研究活動のための支出として合理性ないし必要性を欠くとはいえず,その全額を政務調査費から支出することについて違法とはいえず,原告の主張は理由がない。

(イ) 広報広聴費

a 弁論の全趣旨によれば,A15議員のホームページに係る経費(合計15万7500円)が政務調査費から支出されたことが認められるところ,原告は,この支出のうち2分の1を超える部分は違法であると主張する。

b 証拠(甲A5)及び弁論の全趣旨によれば,上記ホームページには,A15議員のプロフィールや同議員が掲げる政策,議会報告等が掲載されていることが認められるが,既に検討したとおり,議員のホームページに係る経費については,その2分の1を超えて政務調査費から支出することは許されないと解するのが相当であるから,上記支出額のうち7万8750円は違法な支出である旨の原告の主張は理由がある。

チ A16議員

(ア) 調査研究費

原告は,A16議員の出張に係る旅費について政務調査費から支出された額のうち1割が違法な支出であると主張するが,旅費条例に基づき算出した額を政務調査費からの支出額とするという取扱いをもって違法であるとはいえないことは既に検討したとおりであり,原告の主張は理由がない。

(イ) 資料購入費

a 証拠(甲A18,丙A128)及び弁論の全趣旨によれば,A16議員が「仙台市制施行120周年記念写真集 保存版 ふるさと仙台」と題する書籍を購入した代金1万2600円が政務調査費から支出されたことが認められるところ,原告は,この支出のうち2分の1を超える部分は違法であると主張する。

b 前掲各証拠及び弁論の全趣旨によれば,上記書籍は,仙台市の文化や歴史を写真と文章で解説する郷土資料であるから,市政との関連性を認めることができ,A16議員は,これを調査研究活動の資料として利用したと認めるのが相当であるから,その購入に係る支出が調査研究活動のための支出として合理性ないし必要性を欠くとはいえず,その全額を政務調査費から支出することについて違法とはいえない。

(ウ) 人件費

a 原告は,A16議員が使用した人件費に係る政務調査費のうち2分の1を超える部分は違法であると主張するところ,証拠(丙A119の1~18)及び弁論の全趣旨によれば,A16議員が平成20年4月から平成21年3月までに雇用していた職員に支払った報酬(少なくとも合計72万円)の全額が政務調査費から支出されたことが認められる。

b 補助参加人自民は,上記支出は調査研究活動の補助業務に特定して雇用している者に対する支出であると主張し,A16議員は,平成20年4月から同年9月までは2名の補助職員を,同年10月以降は1名の補助職員を雇用したこと,補助職員の業務内容は,有害鳥獣対策,地域防犯活動,幼児保育などに関する調査・情報収集などであり,いずれも市政全般に関する調査業務であること,週1日程度勤務していた補助職員に対しては毎月2万円を支給し,週3日程度勤務していた補助職員に対しては毎月5万円を支給していたことなどを説明する(丙A162)。

しかし,A16議員の上記説明を勘案しても,A16議員が長期間にわたって雇用していた者が従事していた業務の具体的内容は明らかでないといわざるを得ず,A16議員が支払った上記の人件費は,調査研究活動の補助業務のみに利用されたと認めるに足りず,また,調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合が立証されているということもできないから,その2分の1を超えて政務調査費から支出することは許されないというべきである。

よって,上記支出額のうち2分の1に相当する36万円は違法な支出である旨の原告の主張は理由がある。

(エ) 事務所費

a 証拠(丙A129)及び弁論の全趣旨によれば,A16議員が支払った事務所の賃料の全額(合計48万円)が政務調査費から支出されたことが認められるところ,原告は,この支出のうち2分の1を超える部分は違法であると主張する。

b 補助参加人自民は,上記事務所は調査研究活動以外には使用していないと主張するが,上記事務所の利用実態を裏付ける客観的資料は認められず,上記事務所が調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合が立証されているということはできないから,上記事務所の賃料は,その2分の1を超えて政務調査費から支出することは許されないというべきである。

よって,上記賃料に係る政務調査費の支出のうち2分の1を超える額である24万円は違法な支出である旨の原告の主張は理由がある。

(オ) 事務費その他の経費

a 証拠(甲2の1)及び弁論の全趣旨によれば,A16議員が支払った電話料金及び資料代(パソコン代)合計11万2320円の全額が政務調査費から支出されたことが認められるところ,原告は,この支出のうち2分の1を超える部分は違法であると主張する。

b 上記備品等は,調査研究活動に用いるほかにも,私用のみならず,調査研究活動以外の議員活動,選挙活動,政党活動,後援会活動等の目的でも日常的に頻繁,かつ容易に使用され得るから,一般的には,調査研究以外の活動にも利用されていることが推認されるというべきである。

補助参加人自民は,上記備品等は全て調査研究活動に使用していると主張するが,上記備品等の使用実態を裏付ける客観的資料は認められないから,A16議員が使用した上記備品等が調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合が立証されているということはできず,上記備品等の代金については,その2分の1を超えて政務調査費から支出することは許されないというべきである。

よって,上記支出のうち2分の1を超える額である5万6160円は違法な支出である旨の原告の主張は理由がある。

ツ A17議員

(ア) 調査研究費

原告は,A17議員の出張に係る旅費について政務調査費から支出された額全額の返還を求めているが,第6回口頭弁論期日において,上記出張は政務調査を目的として行われたものであることが明らかになったとして全額が違法である旨の主張を撤回している。

原告は,A17議員の出張に係る旅費について政務調査費から支出された額のうち1割が違法な支出であると主張するが,旅費条例に基づき算出した額を政務調査費からの支出額とするという取扱いをもって違法であるとはいえないことは既に検討したとおりであり,原告の主張は理由がない。

(イ) 人件費

a 証拠(丙A120の1~36)及び弁論の全趣旨によれば,A17議員が平成20年4月から平成21年3月までに雇用していた職員に支払った報酬の全額(合計119万4000円)が政務調査費から支出されたことが認められるところ,原告は,この支出のうち2分の1を超える部分は違法であると主張する。

b 補助参加人自民は,上記支出は調査研究活動の補助業務に特定して雇用している者に対する支出であると主張し,A17議員は,住民からの相談や陳情の聞き取り,現地調査,情報収集を目的に補助職員を雇用していること,ふだんから業務を依頼している補助職員は3名であり,補助職員は,調査業務の多寡に応じて一か月当たり4日から8日程度勤務していたことなどを説明する(丙A163)。

しかし,A17議員の上記説明を勘案しても,A17議員が長期間にわたって雇用していた者が従事していた業務の具体的内容は明らかでないといわざるを得ず,A17議員が支払った上記の人件費は,調査研究活動の補助業務のみに利用されたと認めるに足りず,また,調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合が立証されているということもできないから,その2分の1を超えて政務調査費から支出することは許されないというべきである。

よって,上記支出額のうち2分の1に相当する59万7000円は違法な支出である旨の原告の主張は理由がある。

(ウ) 事務費その他の経費

a 証拠(甲2の1)及び弁論の全趣旨によれば,A17議員が支払ったノートパソコン代,レーザープリンタ代等の全額(合計34万5408円)が政務調査費から支出されたことが認められるところ,原告は,上記支出のうち2分の1を超える部分が違法である旨主張する。

b 上記各備品は,調査研究活動に用いるほかにも,私用のみならず,調査研究活動以外の議員活動,選挙活動,政党活動,後援会活動等の目的でも日常的に頻繁,かつ容易に使用され得るから,一般的には,調査研究以外の活動にも利用されていることが推認されるというべきである。

補助参加人自民は,上記各備品は全て調査研究活動に使用していると主張するが,上記各備品の使用実態を裏付ける客観的資料は認められないから,A17議員が使用した上記各備品が調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合が立証されているということはできず,上記各備品の代金については,その2分の1を超えて政務調査費から支出することは許されないというべきである。

よって,上記支出のうち2分の1を超える額である17万2704円は違法な支出である旨の原告の主張は理由がある。

テ A18議員

(ア) 調査研究費

原告は,A18議員の出張に係る旅費について政務調査費から支出された額のうち1割が違法な支出であると主張するが,旅費条例に基づき算出した額を政務調査費からの支出額とするという取扱いをもって違法であるとはいえないことは既に検討したとおりであり,原告の主張は理由がない。

(イ) 資料購入費

証拠(甲A18)及び弁論の全趣旨によれば,A18議員が「仙台市制施行120周年記念写真集 保存版 ふるさと仙台」(1万2600円)と題する書籍等を購入した代金合計1万7210円が政務調査費から支出されたことが認められるところ,原告は,この支出のうち2分の1を超える部分は違法であると主張する。

しかし,「仙台市制施行120周年記念写真集 保存版 ふるさと仙台」と題する書籍については,既に検討したとおり,代金を按分することなく全額につき政務調査費から支出されたことが違法であるということはできない。

もっとも,上記書籍以外の書籍(上記合計額1万7210円からふるさと仙台の代金1万2600円を控除した4610円分の書籍)については,題名や内容等が明らかではなく,市政との関連性は不明であるといわざるを得ない。

よって,題名等が明らかではない書籍の購入費用の2分の1に相当する2305円は違法な支出であるという限度で原告の主張は理由がある。

ト 小括

以上によれば,補助参加人自民に係る違法な支出の合計額は,658万9635円である。

(2)  被告補助参加人民主クラブ仙台(以下「補助参加人民主」という。)

ア 会派全体

(ア) 調査研究費

原告は,補助参加人民主の出張に係る旅費について政務調査費から支出された額のうち1割が違法な支出であると主張するが,旅費条例に基づき算出した額を政務調査費からの支出額とするという取扱いをもって違法であるとはいえないことは既に検討したとおりであり,原告の主張は理由がない。

(イ) 研修費

a 原告は,補助参加人民主による研修費の支出の全額が違法であると主張するところ,証拠(丙B2~4,31,証人F)及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。

(a) 補助参加人民主は,平成20年5月22日から同月23日にかけて,仙台市所在のホテルにおいて,会派基本政策の確認及び平成20年度調査活動をテーマとした会派研修会を実施し,会派の基本方針と今後の会派の調査研究活動の方針の確認や,仙台市当局の職員らと行政改革の進捗状況及び財政状況等についての議論などを行った。

(b) 補助参加人民主は,同月22日の昼食代として単価2310円の幕の内弁当12個の代金を,同月23日の昼食代として合計1万2100円を上記ホテルに支払った。

(c) 補助参加人民主は,上記ホテルに支払った(b)の各昼食代,コーヒー代,コピー代及び会場料の合計11万0778円を,研修費として政務調査費から支出した。

b 原告は,研修内容に会派基本政策の確認,会派総会等が含まれていることからして,もっぱら会派内での親睦を深めるための会合であったことをうかがわせるから,支出の全額が違法であると主張するが,上記研修会は,そのテーマや行われた内容に照らすと,調査研究活動と関連する研修会であったと認めることができ,原告の上記主張は採用することができない。

原告は,仮に上記研修会を調査研究活動とみる余地があるとしても,1食1000円を超える昼食代の支出は社会通念上相当な範囲を超えて違法であると主張するが,研修会の際に単価2310円の幕の内弁当を昼食とすること(上記a(b))をもって,会派に与えられた政務調査費の支出に係る裁量の範囲を逸脱・濫用したとまでは認められず,原告の上記主張も採用することができない。

原告は,上記ホテルが発行した請求領収書(丙B4)記載の合計額は9万8678円であり政務調査費から支出した11万0778円との差額である1万2100円については,政務調査費として支出したという説明が何らされていないから違法である旨主張するが,上記認定事実に証拠(丙B4)及び弁論の全趣旨を併せると,上記の差額は,上記請求領収書に昼食代1万2100円(上記認定事実a(b))が記載されていないことにより生じたものにすぎないことが認められるから,原告の指摘によっても上記支出の違法を認めることはできない。

したがって,上記研修費に係る政務調査費の支出が,本件使途基準に反した違法な支出であったということはできない。

(ウ) 資料作成費

a 証拠(丙B31)及び弁論の全趣旨によれば,補助参加人民主が,会派控室に設置しているパソコンのサポート代金や消耗品,コピー機に係る経費(合計49万0096円)を,政務調査費から支出したことが認められるところ,原告は,この支出のうち2分の1を超える部分は違法であると主張する。

b 会派控室は,既に検討したとおり,各会議出席のための準備,待機・休憩が基本的な用途であることや,そもそも会派や議員が行う活動は極めて広範かつ多岐にわたるものであること,パソコンやコピー機等は,その性質上,適宜必要に応じて使用するものであり,いかなる目的でどの程度使用したかを正確に把握することは困難であるというべきであることを総合考慮すると,一般的,外形的事実からは,会派控室における上記備品等は,調査研究活動以外の活動にも利用されていることが推認されるというべきである。

補助参加人民主は,所属議員全員の申合せにより,後援会活動や政党活動,選挙活動等への使用を禁止しており,実際にこれらの活動に使用されることは全くない上,政務調査活動と議会活動は密接不可分の関係にあるから議会活動に関連した活動がなされることを理由として按分する必要はない旨主張し,証拠(丙B5,31)及び弁論の全趣旨によれば,補助参加人民主は,平成19年5月16日,所属議員全員の合意によって,会派控室を,各議員の後援会活動や選挙活動,政党活動,その他会派が不適切と認めた活動に使用することは禁止する旨の申合せをしたことが認められる。

しかし,会派や議員が行う活動は,上記申合せで禁止された活動以外にも,調査研究活動に属しない種類のものがあり得ると考えられ,上記申合せの存在をもってしても,会派控室におけるパソコンやコピー機等が調査研究活動のみに利用されたと認めるには足りないというべきであり,ほかにこれらが調査研究活動のみに利用された事実を認めるに足りる証拠はなく,調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合が具体的に立証されているということもできない。

よって,会派控室におけるパソコンやコピー機等に係る経費は,その2分の1を超えて政務調査費から支出することは許されないというべきであり,補助参加人民主が支出した額の2分の1に相当する24万5044円は違法な支出である旨の原告の主張は理由がある。

(エ) 資料購入費

弁論の全趣旨によれば,補助参加人民主が「仙台市制施行120周年記念写真集 保存版 ふるさと仙台」と題する書籍を購入した代金1万2600円が政務調査費から支出されたことが認められるところ,原告は,この支出のうち2分の1を超える部分は違法であると主張する。

しかし,既に検討したとおり,上記書籍の代金を按分することなく全額につき政務調査費から支出されたことが違法であるということはできないから,原告の主張は理由がない。

(オ) 人件費

a 原告は,補助参加人民主が政務調査費から会派控室の常勤職員及び臨時職員の人件費を支出したことにつき,その2分の1を超える部分は違法である旨主張するところ,証拠(丙B8~13の4,丙B31)及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。

(a) 補助参加人民主は,以下の条件で,会派控室における常勤職員を雇用した。

業務内容 会派の事務全般及び政務調査活動の補助

雇用期間 平成20年4月1日から平成21年3月31日

賃金   月額15万6400円(専ら政務調査活動の補助に従事する分としての4万6000円を含む。)

ただし,6月には8万6400円,9月には4万1000円,12月には11万0400円,3月には5万7000円を上乗せして支給する。

(b) 補助参加人民主は,上記常勤職員の人件費につき,平成20年4月から同年8月,及び同年10月から平成21年2月については毎月4万6000円を,平成20年9月については8万7000円を,平成21年3月については10万3000円を政務調査費から支出した。

(c) 補助参加人民主は,職員雇用費交付規則に基づき,上記常勤職員1名当たり毎月11万0400円及び特別手当を仙台市から支給されている(会派職員雇用費補助)。

(d) 補助参加人民主は,平成20年12月8日,4名の臨時職員に対し,補助参加人民主の広報誌であり,会派の基本政策,市政への取組に係る基本認識,会派や所属議員の紹介等が掲載されている「民主クラブ仙台ニュース11月号」の発送作業のアルバイト代として,それぞれ1万2400円,1万9200円,1万4800円,2万2800円を支給し,当該経費を政務調査費から支出した。

b(a) まず,常勤職員に係る人件費について検討するに,会派控室に勤務する常勤職員の事務が調査研究活動の補助に当たるか否かについては容易に峻別し難い面があるといわざるを得ないことは,既に検討したとおりであり,上記常勤職員が調査研究活動に利用される割合とそれ以外の活動に利用される割合が立証されているということはできないから,当該職員に係る人件費は,その2分の1を超えて政務調査費から支出することは許されないというべきである。

補助参加人民主は,上記常勤職員には会派職員雇用費補助が充てられ,政務調査費から支出しているのは給与の2分の1を下回る旨主張するが,既に検討したとおり,会派職員雇用費補助は当該職員の業務全体に対して交付されると考えるべきであるから,会派控室に配置された常勤職員の人件費の一部が会派職員雇用費補助によりまかなわれている事実は,残額について支払われた政務調査費の按分に係る上記の結論を左右するということはできない。

したがって,補助参加人民主が会派控室の常勤職員の人件費として政務調査費から支出した額の2分の1に相当する32万5000円は違法な支出である旨の原告の主張は理由がある。

(b) 次に,臨時職員に係る人件費について検討する。

上記臨時職員らが従事した業務は,補助参加人民主の広報誌の発送作業であるところ,上記広報誌には,会派の基本政策及び会派や所属議員の紹介等が掲載されており,掲載されている情報の全てが議員の調査研究に資するものとは考え難く,また,それらの情報を調査研究に資するものとそれ以外のものとに峻別することも現実的には困難である。

そうすると,上記広報誌の発送に係る経費については,その2分の1を超えて政務調査費から支出することは許されないと解するのが相当である。

よって,上記支出額のうち3万4600円は違法な支出である旨の原告の主張は理由がある。

(カ) 事務費その他の経費

a 証拠(丙B31)及び弁論の全趣旨によれば,補助参加人民主が,会派控室におけるパソコンやシュレッダー,USBメモリー,テレビ等の事務機器等に係る経費として,合計92万8075円を政務調査費から支出したことが認められるところ,原告は,そのうち2分の1を超える部分は違法である旨主張する。

b 一般的,外形的事実からは,会派控室における上記事務機器等は,調査研究活動以外の活動にも利用されていることが推認されるというべきであるところ,補助参加人民主は,これらは全て調査研究活動のみに使用されている旨主張する。

しかし,既に検討したところによれば,補助参加人民主の会派控室におけるパソコン関連用品,シュレッダー等が調査研究活動のみに利用された事実を認めるに足りる証拠はなく,調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合が具体的に立証されているということもできないから,これらに係る経費は,その2分の1を超えて政務調査費から支出することは許されないというべきであり,補助参加人民主が支出した額の2分の1に相当する46万4037円は違法な支出である旨の原告の主張は理由がある。

イ B1議員

(ア) 調査研究費

原告は,B1議員の出張に係る旅費について政務調査費から支出された額のうち1割が違法な支出であると主張するが,旅費条例に基づき算出した額を政務調査費からの支出額とするという取扱いをもって違法であるとはいえないことは既に検討したとおりであり,原告の主張は理由がない。

(イ) 広報広聴費

a 証拠(甲B2)及び弁論の全趣旨によれば,B1議員のホームページに係る経費(合計63万円)が政務調査費から支出されたことが認められるところ,原告は,この支出のうち2分の1を超える部分は違法であると主張する。

b 証拠(甲B2)及び弁論の全趣旨によれば,上記ホームページには,B1議員のプロフィールや同議員が掲げる政策等が掲載されていることが認められるが,既に検討したとおり,議員のホームページに係る経費については,その2分の1を超えて政務調査費から支出することは許されないと解するのが相当であるから,上記支出額のうち2分の1に相当する31万5000円は違法な支出である旨の原告の主張は理由がある。

(ウ) 事務費その他の経費

a 弁論の全趣旨によれば,B1議員が支払った会派控室用のパソコンに係る代金11万4240円の全額が政務調査費から支出されたことが認められるところ,原告は,この支出のうち2分の1を超える部分は違法であると主張する。

b 既に検討したところによれば,会派控室で用いるためのパソコンであっても,一般的,外形的事実からは,調査研究活動以外の活動にも利用されていることが推認されるというべきであるところ,補助参加人民主は,これは調査研究活動のみに使用されている旨主張する。

しかし,上記パソコンが調査研究活動のみに利用された事実を認めるに足りる証拠はなく,調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合が具体的に立証されているということもできないから,これに係る経費は,その2分の1を超えて政務調査費から支出することは許されないというべきである。

よって,上記支出額のうち2分の1に相当する5万7120円は違法な支出である旨の原告の主張は理由がある。

ウ B2議員

(ア) 調査研究費

原告は,B2議員の出張に係る旅費について政務調査費から支出された額のうち1割が違法な支出であると主張するが,旅費条例に基づき算出した額を政務調査費からの支出額とするという取扱いをもって違法であるとはいえないことは既に検討したとおりであり,原告の主張は理由がない。

(イ) 資料作成費

a 証拠(甲B3)及び弁論の全趣旨によれば,B2議員のホームページの新規作成に係る経費(21万円)が政務調査費から支出されたことが認められるところ,原告は,この支出のうち2分の1を超える部分は違法であると主張する。

b 証拠(甲B3)及び弁論の全趣旨によれば,上記ホームページには,B2議員のプロフィールや同議員が掲げる政策等が掲載されていることが認められるが,既に検討したとおり,議員のホームページに係る経費については,その2分の1を超えて政務調査費から支出することは許されないと解するのが相当であるから,上記支出額のうち2分の1に相当する10万5000円は違法な支出である旨の原告の主張は理由がある。

(ウ) 資料購入費

a 弁論の全趣旨によれば,B2議員が住宅地図を購入した代金1万5120円が政務調査費から支出されたことが認められるところ,原告は,この支出のうち2分の1を超える部分は違法であると主張する。

b 住宅地図については,既に検討したのと同様に,その購入に係る支出が議員の行う調査研究活動のための支出として合理性ないし必要性を欠くとはいえず,その全額を政務調査費から支出することについて違法とはいえず,原告の主張は理由がない。

(エ) 広報広聴費

上記(イ)における認定事実及び弁論の全趣旨によれば,B2議員の上記ホームページの運営等に係る経費(合計52万5000円)が政務調査費から支出されたことが認められるところ,原告は,この支出のうち2分の1を超える部分は違法であると主張する。

既に検討したとおり,上記ホームページに係る経費は,その2分の1を超えて政務調査費から支出することは許されないと解するのが相当であるから,上記支出額のうち26万2500円は違法な支出である旨の原告の主張は理由がある。

(オ) 事務費その他の経費

a 弁論の全趣旨によれば,B2議員が会派控室用に購入したパソコン及び2万枚の封筒の印刷の代金合計21万4270円が政務調査費から支出されていることが認められるところ,原告は,この支出のうち2分の1を超える部分は違法であると主張する。

b 上記パソコンについて,既に検討したところによれば,会派控室で用いるためのパソコンであっても,一般的,外形的事実からは,調査研究活動以外の活動にも利用されていることが推認されるというべきである。補助参加人民主は,これは調査研究活動のみに使用されている旨主張するが,上記パソコンが調査研究活動のみに利用された事実を認めるに足りる証拠はなく,調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合が具体的に立証されているということもできない。

上記封筒について,封筒は,その性質上,適宜必要に応じて使用することができるものであるから,一般的,外形的事実からは,調査研究活動以外の活動にも利用されていることが推認されるというべきである。補助参加人民主は,封筒について,民主クラブ仙台ニュース及び仙台市議会民主クラブ仙台調査活動報告の発送にしか利用していない旨主張するが,2万枚もの封筒の使途を客観的に裏付ける証拠はない上,既に検討したとおり,民主クラブ仙台ニュースに掲載されている情報の全てが調査研究に資するものとは考え難く,また,それらの情報を調査研究に資するものとそれ以外のものとに峻別することも現実的には困難である。

よって,上記各代金について,その2分の1を超えて政務調査費から支出することは許されないというべきであり,上記支出額のうち2分の1に相当する10万7135円は違法な支出である旨の原告の主張は理由がある。

エ B3議員

(ア) 調査研究費

原告は,B3議員の出張に係る旅費について政務調査費から支出された額のうち1割が違法な支出であると主張するが,旅費条例に基づき算出した額を政務調査費からの支出額とするという取扱いをもって違法であるとはいえないことは既に検討したとおりであり,原告の主張は理由がない。

(イ) 資料購入費

a 証拠(丙B15)及び弁論の全趣旨によれば,B3議員が河北新報データベース「KD」を購入した代金2万1000円が政務調査費から支出されたことが認められるところ,原告は,この支出のうち2分の1を超える部分は違法であると主張する。

b 証拠(丙B15)及び弁論の全趣旨によれば,上記データベースは平成3年8月以降の河北新報の記事を収録したものであるから,市政との関連性を認めることができ,B3議員は,これを調査研究活動の資料として利用したと認めるのが相当であるから,その購入に係る支出が調査研究活動のための支出として合理性ないし必要性を欠くとはいえず,その全額を政務調査費から支出することについて違法とはいえない。

オ B4議員

(ア) 調査研究費

原告は,B4議員の出張に係る旅費について政務調査費から支出された額のうち1割が違法な支出であると主張するが,旅費条例に基づき算出した額を政務調査費からの支出額とするという取扱いをもって違法であるとはいえないことは既に検討したとおりであり,原告の主張は理由がない。

(イ) 事務費その他の経費

a 弁論の全趣旨によれば,B4議員が支払った会派控室用のパソコンのOSの代金3万2934円の全額が政務調査費から支出されたことが認められるところ,原告は,この支出のうち2分の1を超える部分は違法であると主張する。

b 既に検討したところによれば,会派控室で用いるためのパソコンであっても,一般的,外形的事実からは,調査研究活動以外の活動にも利用されていることが推認されるというべきであるところ,補助参加人民主は,これらは全て調査研究活動のみに使用されている旨主張する。

しかし,上記パソコンが調査研究活動のみに利用された事実を認めるに足りる証拠はなく,調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合が具体的に立証されているということもできないから,これに係る経費は,その2分の1を超えて政務調査費から支出することは許されないというべきである。

よって,上記支出額のうち2分の1に相当する1万6467円は違法な支出である旨の原告の主張は理由がある。

カ B5議員

原告は,B5議員の出張に係る旅費について政務調査費から支出された額のうち1割が違法な支出であると主張するが,旅費条例に基づき算出した額を政務調査費からの支出額とするという取扱いをもって違法であるとはいえないことは既に検討したとおりであり,原告の主張は理由がない。

キ B6議員

(ア) 調査研究費

原告は,B6議員の出張に係る旅費について政務調査費から支出された額のうち1割が違法な支出であると主張するが,旅費条例に基づき算出した額を政務調査費からの支出額とするという取扱いをもって違法であるとはいえないことは既に検討したとおりであり,原告の主張は理由がない。

(イ) 資料購入費

a 弁論の全趣旨によれば,B6議員が住宅地図を購入した代金1万7955円が政務調査費から支出されたことが認められるところ,原告は,この支出のうち2分の1を超える部分は違法であると主張する。

b 住宅地図については,既に検討したのと同様に,その購入に係る支出が議員の行う調査研究活動のための支出として合理性ないし必要性を欠くとはいえず,その全額を政務調査費から支出することについて違法とはいえず,原告の主張は理由がない。

ク B7議員

(ア) 調査研究費

原告は,B7議員の出張に係る旅費について政務調査費から支出された額のうち1割が違法な支出であると主張するが,旅費条例に基づき算出した額を政務調査費からの支出額とするという取扱いをもって違法であるとはいえないことは既に検討したとおりであり,原告の主張は理由がない。

(イ) 資料購入費

a 弁論の全趣旨によれば,B7議員がボイスレコーダーを購入した代金2万1300円が政務調査費から支出されたことが認められるところ,原告は,この支出のうち2分の1を超える部分は違法であると主張する(なお,B7議員のその余の資料購入費については,原告は第7回口頭弁論期日において,支出の2分の1を超える部分が違法な支出である旨の主張を撤回している。)。

b ボイスレコーダーについては,その性質上,適宜必要に応じて使用することができるものであるから,一般的,外形的事実からは,調査研究活動以外の活動にも利用されていることが推認されるというべきである。

補助参加人民主は,上記ボイスレコーダーは調査研究活動のみに使用しており,その目的以外に使用することはないと主張するが,その使用実態を裏付ける客観的資料は認められず,B7議員が購入した上記ボイスレコーダーが調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合が立証されているということはできないから,上記代金は,その2分の1を超えて政務調査費から支出することは許されないというべきである。

よって,上記支出のうち2分の1に相当する1万0650円は違法な支出である旨の原告の主張は理由がある。

ケ B8議員

(ア) 資料購入費

a 証拠(丙B16)及び弁論の全趣旨によれば,B8議員が購入した月刊誌「フォーサイト」の代金1万2000円が政務調査費から支出されたことが認められるところ,原告は,この支出のうち2分の1を超える部分は違法であると主張する。

b 原告は,上記月刊誌は,調査研究活動のみに必要な情報を与える類の資料ではないと主張するが,証拠(丙B16)及び弁論の全趣旨によれば,上記月刊誌は,主に国内外の政治問題や社会問題を掲載する雑誌であることが認められるから,市政との関連性を認めることができ,B8議員は,これを調査研究活動の資料として利用したと認めるのが相当であるから,その購入に係る支出が調査研究活動のための支出として合理性ないし必要性を欠くとはいえず,その全額を政務調査費から支出することについて違法とはいえない。

(イ) 事務費その他の経費

a 弁論の全趣旨によれば,B8議員が購入した電子辞書の代金3万2800円が政務調査費から支出されたことが認められるところ,原告は,上記支出のうち2分の1を超える部分が違法である旨主張する。

b 電子辞書は,その性質上,適宜必要に応じて使用するものであり,いかなる目的でどの程度使用したかを正確に把握することは困難であるというべきであるから,一般的,外形的事実からは,上記電子辞書は,調査研究活動以外の活動にも利用されていることが推認されるというべきである。

上記電子辞書の使用実態を裏付ける客観的資料は認められず,これが調査研究活動のみに利用されたと認めるに足りる証拠はなく,調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合が具体的に立証されているということもできない。

したがって,上記電子辞書に係る政務調査費の支出のうち2分の1に相当する1万6400円は違法な支出である旨の原告の主張は理由がある。

コ B9議員

原告は,B9議員の出張に係る旅費について政務調査費から支出された額のうち1割が違法な支出であると主張するが,旅費条例に基づき算出した額を政務調査費からの支出額とするという取扱いをもって違法であるとはいえないことは既に検討したとおりであり,原告の主張は理由がない。

サ B10議員

(ア) 証拠(甲B4,7)及び弁論の全趣旨によれば,B10議員が支払った会派控室用のパソコン及びソフトセットに係る代金並びにホームページの製作費(合計51万5000円)の全額が政務調査費から支出されたことが認められるところ,原告は,この支出のうち2分の1を超える部分は違法であると主張する。

(イ) 既に検討したところによれば,会派控室で用いるためのパソコンであっても,一般的,外形的事実からは,調査研究活動以外の活動にも利用されていることが推認されるというべきであるところ,補助参加人民主は,上記パソコン及びソフトセットは調査研究活動のみに使用されている旨主張する。

しかし,上記パソコン及びソフトセットが調査研究活動のみに利用された事実を認めるに足りる証拠はなく,調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合が具体的に立証されているということもできないから,これらに係る経費は,その2分の1を超えて政務調査費から支出することは許されないというべきである。

上記ホームページについては,証拠(甲B4,7)及び弁論の全趣旨によれば,補助参加人民主が掲げる政策やB10議員の活動レポート,同議員が飼育している犬の紹介等が掲載されていることが認められるが,既に検討したとおり,議員のホームページに係る経費については,その2分の1を超えて政務調査費から支出することは許されないと解するのが相当である。

よって,上記支出額のうち2分の1に相当する25万7500円は違法な支出である旨の原告の主張は理由がある。

シ 小括

以上によれば,補助参加人民主に係る違法な支出の合計額は,221万6453円である。

(3)  被告補助参加人きぼう(以下「補助参加人きぼう」という。)

ア 会派全体

(ア) 調査研究費

原告は,補助参加人きぼうの出張に係る旅費について政務調査費から支出された額のうち1割が違法な支出であると主張するが,旅費条例に基づき算出した額を政務調査費からの支出額とするという取扱いをもって違法であるとはいえないことは既に検討したとおりであり,原告の主張は理由がない。

(イ) 資料作成費

a 証拠(丙C41)及び弁論の全趣旨によれば,補助参加人きぼうが会派控室で使用するISDNやADSLの使用料,プロバイダ契約料,コピーカウント料の全額(合計24万6440円)を政務調査費から支出したことが認められるところ,原告は,この支出のうち2分の1を超える部分は違法であると主張する。

b 会派控室は,既に検討したとおり,各会議出席のための準備,待機・休憩が基本的な用途であることや,そもそも会派や議員が行う活動は極めて広範かつ多岐にわたるものであること,パソコンやコピー機等は,その性質上,適宜必要に応じて使用するものであり,いかなる目的でどの程度使用したかを正確に把握することは困難であるというべきであることを総合考慮すると,一般的,外形的事実からは,会派控室における上記備品等は,調査研究活動以外の活動にも利用されていることが推認されるというべきである。

補助参加人きぼうは,会派控室における上記備品等については,会派の取り決めにより,後援会活動及び個人使用を禁止していることから,按分の必要はない旨主張し,証拠(丙C3の1,2)及び弁論の全趣旨によれば,補助参加人きぼうは,会派確認事項として,会派に備えてある電話,テレビ,パソコン,インターネット等の備品は控室で利用し,政治活動や後援会活動での利用はできないこと,会派に備えてあるビデオカメラ,カメラ等の持出し可能な機器類についての使用は,政務調査用のものであり,その他の用途には使用できないこと,会派控室において後援会活動及び選挙活動の一切を禁ずること,会派内において個人的業務の依頼を一切禁ずることなどの申合せをしていることが認められる。

しかし,会派や議員が行う活動は,上記申合せで禁止された活動以外にも,調査研究活動に属しない種類のものがあり得ると考えられ,上記申合せの存在をもってしても,会派控室におけるパソコンやコピー機等が調査研究活動のみに利用されたと認めるには足りないというべきであり,ほかにこれらが調査研究活動のみに利用された事実を認めるに足りる証拠はなく,調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合が具体的に立証されているということもできない。

よって,会派控室におけるパソコンやコピー機等に係る経費は,その2分の1を超えて政務調査費から支出することは許されないというべきであり,補助参加人きぼうが支出した額の2分の1に相当する12万3216円は違法な支出である旨の原告の主張は理由がある。

(ウ) 人件費

a 原告は,補助参加人きぼうが政務調査費から会派控室の常勤職員及び非常勤職員の人件費を支出したことにつき,その2分の1を超える部分は違法である旨主張するところ,証拠(丙C5の1,2,丙C21の1~丙C22の12,丙C34)及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。

(a) 補助参加人きぼうは,以下の条件で,常勤職員1名を雇用した。

業務内容 会派控室内整理,来客電話対応,調査研究補助,経理,その他

就業場所 会派控室,自宅,その他

雇用期間 平成20年4月1日から平成21年3月31日

賃金   基本給11万0400円,その他政務調査補助費5万円

(b) 補助参加人きぼうは,上記常勤職員の人件費につき,平成20年4月から平成21年3月まで,毎月8万円(政務調査補助費名目5万円,超過勤務手当名目3万円)を政務調査費から支出した(合計96万円)。

(c) 補助参加人きぼうは,上記常勤職員について,職員雇用費交付規則に基づき,毎月11万0400円及び特別手当を仙台市から支給されている(会派職員雇用費補助)。

(d) 補助参加人きぼうは,以下の条件で非常勤職員1名を雇用した。

業務内容 政務調査費 経理・整理補助

就業場所 会派控室,その他

雇用期間 平成20年4月1日から平成21年3月31日

賃金   月額4万円 その他時間外手当あり

(e) 補助参加人きぼうは,上記非常勤職員につき,平成20年4月から平成21年3月までの人件費の全額(合計69万円)を政務調査費から支出した。

b(a) まず,常勤職員に係る人件費について検討するに,会派控室に勤務する常勤職員の事務が調査研究活動の補助に当たるか否かについては容易に峻別し難い面があるといわざるを得ないことは,既に検討したとおりであり,上記常勤職員が調査研究活動に利用される割合とそれ以外の活動に利用される割合が立証されているということはできないから,当該職員に係る人件費は,その2分の1を超えて政務調査費から支出することは許されないというべきである。

補助参加人きぼうは,上記常勤職員について,会派職員雇用費補助を受けているが,既に検討したとおり,会派職員雇用費補助は当該職員の業務全体に対して交付されると考えるべきであるから,会派控室に配置された常勤職員の人件費の一部が会派職員雇用費補助によりまかなわれている事実は,残額について支払われた政務調査費の按分に係る上記の結論を左右するということはできない。

したがって,補助参加人きぼうが会派控室の常勤職員の人件費として政務調査費から支出した額の2分の1に相当する48万円は違法な支出である旨の原告の主張は理由がある。

(b) 次に,非常勤職員に係る人件費について検討する。

補助参加人きぼうは,上記非常勤職員の業務内容につき,政務調査に関する書類作成や計算,整理など,特定した業務に従事した分の支給である旨主張し,上記職員が,①会派業務,②政務調査補助,③政務調査業務(計算,資料整理,その他)の業務のうち,もっぱら③の業務に従事していた旨の勤務割合表(丙C6の1~12)を提出する。

しかし,補助参加人きぼうの上記の主張及び勤務割合表の記載内容は,具体性に乏しく,具体的な業務内容が明らかではないといわざるを得ない。よって,これについての政務調査費の支出のうち少なくとも2分の1に相当する34万5000円は違法な支出である旨の原告の主張は理由がある。

(エ) 事務費その他の経費

a 弁論の全趣旨によれば,補助参加人きぼうが,会派控室で使用するシュレッダーやビデオカメラ,スキャナー,DVDライター,デジタルカメラ等に係る費用の全額(28万9000円)を政務調査費から支出したことが認められるところ,原告は,そのうち2分の1を超える部分は違法である旨主張する。

b 一般的,外形的事実からは,会派控室における上記備品等は,調査研究活動以外の活動にも利用されていることが推認されるというべきであるところ,補助参加人きぼうは,これらは全て調査研究活動のみに使用されている旨主張する。

しかし,既に検討したところによれば,補助参加人きぼうの会派控室における上記備品等が調査研究活動のみに利用された事実を認めるに足りる証拠はなく,調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合が具体的に立証されているということもできないから,これらに係る経費は,その2分の1を超えて政務調査費から支出することは許されないというべきであり,補助参加人きぼうが支出した額の2分の1に相当する14万4500円は違法な支出である旨の原告の主張は理由がある。

イ C1議員

(ア) 人件費

a 弁論の全趣旨によれば,C1議員が平成20年4月から平成21年3月までに雇用していた職員に支払った報酬のうち3分の2(合計120万円)が政務調査費から支出されたことが認められるところ,原告は,この支出のうち報酬額の2分の1を超える部分は違法であると主張する。

b 補助参加人きぼうは,上記の支出額は,上記職員の活動実態を踏まえて調査研究活動以外の業務の割合を多めに見積もって3分の1として按分した上での支出であるから,更なる按分の必要はないと主張し,C1議員は,臨時調査補助員を,経理報告の作成,政務調査活動の代行,広報広聴活動,現地調査等に従事させていること,同補助員は後援会活動の事務担当を兼ねていることもあり,その割合を3分の1として,その余を調査研究活動に必要な人件費として計上したことなどを説明する(丙C28,35)。

しかし,C1議員の上記説明を勘案しても,C1議員が長期間にわたって雇用していた者が従事していた業務の具体的内容は明らかでないといわざるを得ず,C1議員が支払った上記の人件費は,調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合が立証されているということができないから,その2分の1を超えて政務調査費から支出することは許されないというべきである。

よって,上記支出額のうち30万円は違法な支出である旨の原告の主張は理由がある。

(イ) 事務所費

a 証拠(丙C29)及び弁論の全趣旨によれば,C1議員が支払った事務所の賃料のうち3分の2(合計24万円)が政務調査費から支出されたことが認められるところ,原告は,この支出のうち賃料額の2分の1を超える部分は違法であると主張する。

b 補助参加人きぼうは,上記の支出額は,上記事務所の利用実態を踏まえて調査研究活動以外の割合を多めに見積もって3分の1として按分した上での支出であるから,更なる按分の必要はないと主張するが,上記事務所の利用実態を裏付ける客観的資料は認められず,上記事務所が調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合が立証されているということはできないから,上記事務所の賃料は,その2分の1を超えて政務調査費から支出することは許されないというべきである。

よって,上記賃料に係る政務調査費の支出のうち6万円は違法な支出である旨の原告の主張は理由がある。

ウ C2議員

(ア) 調査研究費

原告は,C2議員の出張に係る旅費について政務調査費から支出された額のうち1割が違法な支出であると主張するが,旅費条例に基づき算出した額を政務調査費からの支出額とするという取扱いをもって違法であるとはいえないことは既に検討したとおりであり,原告の主張は理由がない。

(イ) 資料購入費

a 証拠(甲C2)及び弁論の全趣旨によれば,C2議員が購入した「仙台藩ものがたり」,「現代用語表記辞典」,「ポケット辞典 漢字」,「盛岡の先人」,「2009年の日本はこうなる」,「東北学院卒業生職業別名簿」の代金合計1万1340円が政務調査費から支出されたことが認められるところ,原告は,上記支出のうち2分の1を超える部分は違法であると主張する。

b 上記いずれの資料についても,その題名や推認される内容に照らすと,市政との関連性を認めることができ,C2議員は,これらを調査研究活動の資料として利用したと認めるのが相当であるから,その購入に係る支出が調査研究活動のための支出として合理性ないし必要性を欠くとはいえず,その全額を政務調査費から支出することについて違法であるということはできない。

(ウ) 人件費

a 証拠(丙C11,23の1~12,丙C36)及び弁論の全趣旨によれば,C2議員が平成20年4月から平成21年3月までに雇用していた職員に支払った報酬のうち3分の2(合計120万円)が政務調査費から支出されたことが認められるところ,原告は,この支出のうち報酬額の2分の1を超える部分は違法であると主張する。

b 補助参加人きぼうは,上記の支出額は,上記職員の業務実態を踏まえて政務調査業務の割合を3分の2として按分した上での支出であるから,更なる按分の必要はないと主張し,C2議員は,上記職員を,専ら調査研究活動の補助業務に従事させたが,調査研究活動以外の業務に従事させたこともあったため,調査研究活動の補助業務の割合を3分の2として政務調査費に計上した旨を説明する(丙C36)。

しかし,C2議員の上記説明等を勘案しても,C2議員が長期間にわたって雇用していた者が従事していた業務の具体的内容は明らかでないといわざるを得ず,C2議員が支払った人件費は,調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合が立証されているということができないから(補助参加人きぼうが提出した政務調査業務従事記録(丙C23の1~12)は,誰が,いつ,いかなる根拠に基づいて作成したものであるのかが明らかではなく,補助参加人きぼう主張の上記按分割合を裏付けるには足りないというべきである。),その2分の1を超えて政務調査費から支出することは許されないというべきである。

よって,上記支出額のうち30万円は違法な支出である旨の原告の主張は理由がある。

(エ) 事務費その他の経費

a 弁論の全趣旨によれば,C2議員が購入したパソコン周辺機器等の代金合計3万7780円が政務調査費から支出されたことが認められるところ,原告は,上記支出のうち2分の1を超える部分が違法である旨主張する。

b 上記備品等は,調査研究活動に用いるほかにも,私用のみならず,調査研究活動以外の議員活動,選挙活動,政党活動,後援会活動等の目的でも日常的に頻繁,かつ容易に使用され得るから,一般的には,調査研究活動以外の活動にも利用されていることが推認されるというべきである。

補助参加人きぼうは,備品等は全て調査研究活動に使用していると主張するが,上記備品等の使用実態を裏付ける客観的資料は認められないから,C2議員が使用した上記備品等が調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合が立証されているということはできず,上記備品等の代金については,その2分の1を超えて政務調査費から支出することは許されないというべきである。

よって,上記支出のうち2分の1を超える額である1万8890円は違法な支出である旨の原告の主張は理由がある。

エ C3議員

(ア) 証拠(丙C12の1,2,丙C24の1~12,丙C25の1~12)及び弁論の全趣旨によれば,C3議員が平成20年4月から平成21年3月までに雇用していた職員2名に支払った報酬につき,合計180万4000円が政務調査費から支出されたことが認められるところ,原告は,この支出のうち2分の1を超える部分は違法であると主張する。

(イ) 補助参加人きぼうは,上記支出は調査研究活動の補助業務に従事した時間に対して支給した分であって,調査研究活動以外の業務に従事した時間に対する報酬は別途支給しているのであるから,按分の必要はないと主張する。

しかし,C3議員作成の陳述書(丙C37)や補助参加人きぼうが提出した勤務割合表(丙C13の1~24)によっても,C3議員が長期間にわたって雇用していた者らが従事していた業務の具体的内容は明らかでないといわざるを得ず,C3議員が支払った上記の人件費は,調査研究活動の補助業務のみに利用されたと認めるに足りない。また,C3議員が上記職員らに対して政務調査費の支出額とは別に支給したという金員の有無ないし額も明らかでなく,上記政務調査費が調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合が立証されているということもできない。

よって,上記支出のうち2分の1を超える部分に相当する90万2000円は違法な支出である旨の原告の主張は理由がある。

オ C4議員

(ア) 証拠(丙C30の1~丙C32の32,丙C38)及び弁論の全趣旨によれば,C4議員が平成20年4月から平成21年3月までに雇用していた職員2名に支払った報酬の全額(合計110万7800円)が政務調査費から支出されたことが認められるところ,原告は,この支出のうち2分の1を超える部分は違法であると主張する。

(イ) 補助参加人きぼうは,上記支出は調査研究活動の補助業務に特定して臨時に雇用している者に対する支出であると主張し,C4議員は,上記2名の職員を,専ら会議,事務処理,現地調査,相談業務,資料作成,議員同行等の業務に従事させた旨を説明する(丙C38)。

しかし,C4議員の上記説明や上記職員らに係る活動報告日報(丙C31の1~丙C32の32)を勘案しても,同議員が長期間にわたって雇用していた者が従事していた業務の具体的内容は明らかでないといわざるを得ず,同議員が支払った上記の人件費は,調査研究活動の補助業務のみに利用されたと認めるに足りず,また,調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合が立証されているということもできないから,その2分の1を超えて政務調査費から支出することは許されないというべきである。

よって,上記支出額のうち2分の1に相当する55万3900円は違法な支出である旨の原告の主張は理由がある。

カ C5議員

原告は,C5議員の資料購入費について政務調査費から支出された額の2分の1を超える部分の返還を求めているが,第4回口頭弁論期日において,政務調査費から支出することは妥当であるとして2分の1を超える部分が違法である旨の主張を撤回している。

キ C6議員

(ア) 広報広聴費

a 弁論の全趣旨によれば,C6議員が支払った平成20年度の朋友会の会費(合計4万6000円)が政務調査費から支出されたことが認められるところ,原告は,この支出の全額が違法であると主張する。

b 証拠(甲C4,丙C14,証人C6)及び弁論の全趣旨によれば,朋友会は,会員相互の協力により,住みよい郷土づくりのため,連絡提携を密にして交流し合い,親睦を図ることを目的とする団体であり,住みよい郷土づくりと親睦の趣旨に賛同する者,具体的には文化人や中小企業の経営者,設計会社の社員,建設会社の社員等で組織され,会員相互の情報交換や公明選挙,防犯,交通安全,火災予防等,社会福祉,道徳心の向上への積極的な参加・啓蒙などを行っていること,同会の活動として,市政や県政,建設関係等をテーマに,各会員又は外部専門家による講演会や勉強会等が行われたことが認められる。

原告は,朋友会におけるC6議員の活動は,政治活動そのものであり,政務調査活動に該当しない旨主張するが,市政や県政,建設関係等をテーマに,各会員又は外部専門家による講演会や勉強会等を行うという上記認定の朋友会の活動内容等によれば,同会の活動への参加について市政に関する調査研究のための必要性を欠くというべき事情は見当たらないから,その経費を政務調査費から支出することの違法をいう原告の主張は理由がない。

(イ) 人件費

a 証拠(丙C15,34)及び弁論の全趣旨によれば,C6議員が平成20年4月から平成21年3月までに雇用していた職員1名に支払った報酬のうち3分の2(合計144万円)が政務調査費から支出されたことが認められるところ,原告は,この支出のうち報酬額の2分の1を超える部分は違法であると主張する。

b 補助参加人きぼうは,上記の政務調査費の支出は,上記職員の業務実態(政務調査補助業務以外の就労時間が15.7%であること)を踏まえて政務調査業務の割合を3分の2として按分した上での支出であるから,更なる按分の必要はないと主張し,C6議員は,上記職員を,専ら調査研究活動の補助業務に従事させているが,突発的に調査研究活動の補助業務以外の業務が生ずることもあるから,調査研究活動の補助業務の割合を3分の2として,政務調査費に計上した旨を説明する(丙C34)。

しかし,C6議員の上記説明や上記職員らに係る活動報告日報(丙C16の1~245)を勘案しても,C6議員が長期間にわたって雇用していた者が従事していた業務の具体的内容は明らかでないといわざるを得ず,C6議員が支払った上記の人件費は,調査研究活動の補助業務のみに利用されたと認めるに足りず,また,調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合が立証されているということもできないから,その2分の1を超えて政務調査費から支出することは許されないというべきである。

よって,上記支出額のうち36万円は違法な支出である旨の原告の主張は理由がある。

(ウ) 事務所費

a 証拠(丙C33の1,2)及び弁論の全趣旨によれば,C6議員が支払った事務所の地代のうち8割(合計48万円)が政務調査費から支出されたことが認められるところ,原告は,この支出のうち上記地代の2分の1を超える部分は違法であると主張する。

b 補助参加人きぼうは,上記の支出額は,上記事務所の利用実態を踏まえ,調査研究活動業務以外の割合を2割として按分計上した上での支出であるから,更なる按分の必要はないと主張し,C6議員は,上記事務所の建物のうち約8㎡を後援会備品などの収納部分としていることや,年間10回近隣町内会及びスポーツ団体が上記事務所を使用したことを含め,上記事務所のうち調査研究活動に利用された割合を低く見積もって8割とした旨説明する(丙C33の1,丙C34)。

しかし,C6議員の上記説明等を勘案しても,上記事務所が調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合が立証されているということはできないから,上記事務所の地代は,その2分の1を超えて政務調査費から支出することは許されないというべきである。

よって,上記地代に係る政務調査費の支出のうち18万円は違法な支出である旨の原告の主張は理由がある。

(エ) 事務費その他の経費

a 弁論の全趣旨によれば,C6議員が事務所に設置したパソコンのリース料等の3分の2(合計20万5800円)が政務調査費から支出されたことが認められるところ,原告は,上記支出のうちリース料等の2分の1を超える部分が違法である旨主張する。

b 補助参加人きぼうは,上記パソコンは政務調査専用として使用しているが,本来であれば按分計上の必要はなかったものの,按分割合を3分の2として計上したのであるから,更なる按分の必要はないと主張するが,上記パソコンの使用実態を裏付ける客観的資料は認められず,上記パソコンが調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合が立証されているということはできないから,上記パソコンに係る経費は,その2分の1を超えて政務調査費から支出することは許されないというべきである。

よって,上記政務調査費の支出のうち5万1444円は違法である旨の原告の主張は理由がある。

ク C7議員

(ア) 調査研究費

原告は,C7議員の出張に係る旅費について政務調査費から支出された額のうち1割が違法な支出であると主張するが,旅費条例に基づき算出した額を政務調査費からの支出額とするという取扱いをもって違法であるとはいえないことは既に検討したとおりであり,原告の主張は理由がない。

(イ) 人件費

原告は,C7議員の人件費について政務調査費から支出された額の2分の1を超える部分の返還を求めているが,第26回口頭弁論期日において,既に2分の1で按分された額が計上されていることが確認できたとして2分の1を超える部分が違法である旨の主張を撤回している。

(ウ) 事務所費

a 弁論の全趣旨によれば,C7議員が支払った事務所の賃料60万円の全額が政務調査費から支出されたことが認められるところ,原告は,この支出の全額が違法であると主張する。

b 原告は,C7議員が,上記事務所の賃貸人である仙台螺子株式会社の代表取締役であり,同会社の株式の約7割を保有していることから,いわゆるお手盛りの危険があり,上記事務所をC7議員の自己所有物件と同様に評価すべきであると主張するところ,証拠(丙C19,20の1,2,丙C26,27,39,証人C7)及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。

(a) 上記事務所の賃貸人は仙台螺子株式会社であるところ,C7議員は,同会社の代表取締役であり,その株式の7割を保有している。

(b) 上記事務所の床面積は約30坪であり,当時の賃料は,毎月5万円(オフィス分4万円,駐車場代1万円)であった。

(c) 当時,上記事務所の近隣には,23.68坪の広さで賃料月額11万円の,約100坪の広さで賃料月額45万円の貸事務所があった。

c 確かに,C7議員と上記事務所の賃貸人との関係に照らすと,一般的・外形的には,お手盛りの危険があることは原告主張のとおりである。

しかし,上記認定事実によれば,C7議員が支払った上記事務所の賃料は,近隣の貸事務所の賃料と比較して不当に高いものであったと認めるに足りず,現実にお手盛りがされた事実を認めるに足りる証拠はないから,上記事務所をC7議員の自己所有物件と同様に評価すべき旨の原告の主張を採用することはできない。

ただし,上記事務所の利用実態を裏付ける客観的資料は認められず,調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合が立証されているということはできないから,上記事務所の賃料は,その2分の1を超えて政務調査費から支出することは許されないというべきである。

よって,上記賃料に係る政務調査費の支出については,2分の1に相当する30万円が違法な支出であるという限度で原告の主張は理由がある。

ケ 小括

以上によれば,補助参加人きぼうに係る違法な支出の合計額は,411万8950円である。

(4)  被告補助参加人公明党仙台市議団(以下「補助参加人公明党」という。)

ア 会派全体

(ア) 調査研究費(平成21年1月29日出発の出張について)

a 原告は,平成21年1月29日から同月30日までの出張に係る旅費について,出張の必要性が認められないから政務調査費の支出の全額が違法である旨主張するところ,証拠(丙D9の1,2,丙D55,57,59)及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。

(a) 補助参加人公明党に所属する議員3名が,平成21年1月29日から同月30日にかけて高知県に出張し,同県に設置されているアンパンマンミュージアム(香美市立やなせたかし記念館)及び横山隆一記念まんが館を,両館の建設経緯や施設概要,入場者数等について調査し,仙台市にアンパンマンミュージアムを設置する際の参考とするため,視察した。

(b) 補助参加人公明党は,上記出張に係る旅費を政務調査費から支出した。

(c) アンパンマンミュージアムは,やなせたかし原案の同キャラクターを題材とした,ミュージアムや商業施設などからなる総合施設であり,全国数か所に設置されている。仙台市においても,平成23年7月に開業した。

横山隆一記念まんが館は,漫画家横山隆一原作の漫画に係る資料等が展示されている施設である。

b 原告は,視察態様が観光旅行の域を出ず,他の議員が既に横浜市のアンパンマンミュージアムを視察していたから,上記議員3名が重ねて高知県のアンパンマンミュージアムを視察する必要性がない旨を主張する。

しかし,仙台市において平成23年7月にアンパンマンミュージアムが開業したことに照らすと,これに先立ち高知県のアンパンマンミュージアム(香美市立やなせたかし記念館)を視察することは市政に関連する調査研究活動であったと認められ,上記の原告の指摘は,上記の視察が調査研究活動であることやその必要性を否定するには足りないというべきである。

また,横山隆一記念まんが館は,漫画等に係る資料を展示して集客する施設という点でアンパンマンミュージアムと共通しており,仙台市におけるアンパンマンミュージアム設置構想のために,同まんが館を視察することが市政に関する調査研究のため必要性を欠くということはできない。

よって,上記出張に係る旅費についての政務調査費の支出の全額が違法である旨の原告の主張は理由がない。

(イ) 調査研究費(政務調査費の支出のうち少なくとも1割が違法であるとの主張について)

原告は,補助参加人公明党の出張(上記(ア)で検討した出張を含む。)に係る旅費について,少なくとも政務調査費から支出された額のうち1割が違法な支出であると主張するが,旅費条例に基づき算出した額を政務調査費からの支出額とするという取扱いをもって違法であるとはいえないことは既に検討したとおりであり,原告の主張は理由がない。

(ウ) 調査研究費(人件費について)

a 原告は,補助参加人公明党が平成20年4月から平成21年3月までの常勤職員及び臨時職員の人件費の全額を政務調査費から支出したことにつき,その2分の1を超える部分は違法である旨主張するところ(補助参加人公明党は,職員の雇用に係る経費を,調査研究費名目,資料作成費名目,広報広聴費名目,人件費名目で政務調査費から支出しているため,併せて検討する。),証拠(丙D11の1~丙D14の12,丙D57,証人D1)及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。

(a) 補助参加人公明党は,常勤職員1名と臨時職員1名を雇用した。

(b) 常勤職員については,会派控室における業務に従事させ,月額21万0400円を支給し,うち11万0400円を仙台市から支給される会派職員雇用費補助から支出し,その余の10万円を資料作成費,広報広聴費,又は人件費名目で政務調査費から支出した。

(c) 臨時職員については,日当合計227万円を調査研究費名目で政務調査費から支出した。

b(a) まず,臨時職員に係る人件費について検討するに,補助参加人公明党は,上記臨時職員は会派控室における調査研究活動の補助業務に限定して採用した職員の人件費である旨主張し,証人D1も同趣旨の証言をしたが,上記主張及び証言は具体性に欠ける上,当該支出に係る領収証にも「調査研究のための補助員」と記載されているにすぎず,上記臨時職員が調査研究活動に利用される割合とそれ以外の活動に利用される割合が立証されているということはできないから,当該職員に係る人件費は,その2分の1を超えて政務調査費から支出することは許されないというべきである。

よって,臨時職員に係る人件費についての政務調査費の支出のうち113万5000円が違法な支出である旨の原告の主張は理由がある。

(b) 次に,常勤職員に係る人件費について検討するに,会派控室に勤務する常勤職員の事務が調査研究活動の補助に当たるか否かについては容易に峻別し難い面があるといわざるを得ないことは,既に検討したとおりであり,証人D1の証言等によっても上記常勤職員が調査研究活動に利用される割合とそれ以外の活動に利用される割合が立証されているということはできないから,当該職員に係る人件費は,その2分の1を超えて政務調査費から支出することは許されないというべきである。

補助参加人公明党は,上記常勤職員について,会派職員雇用費補助を受けているが,既に検討したとおり,会派職員雇用費補助は当該職員の業務全体に対して交付されると考えるべきであるから,会派控室に配置された常勤職員の人件費の一部が会派職員雇用費補助によりまかなわれている事実は,残額について支払われた政務調査費の按分に係る上記の結論を左右するということはできない。

したがって,補助参加人公明党が会派控室の常勤職員の人件費として政務調査費から支出した額の2分の1は違法な支出である旨の原告の主張は理由がある。

(エ) 資料作成費

a 弁論の全趣旨によれば,補助参加人公明党が,コピー使用料や資料作成に係る人件費の全額(合計114万8367円)を,資料作成費として政務調査費から支出したことが認められるところ,原告は,この支出のうち2分の1を超える部分は違法であると主張する。

b(a) 会派控室は,既に検討したとおり,各会議出席のための準備,待機・休憩が基本的な用途であることや,そもそも会派や議員が行う活動は極めて広範かつ多岐にわたるものであること,コピー機は,その性質上,適宜必要に応じて使用するものであり,いかなる目的でどの程度使用したかを正確に把握することは困難であるというべきであることを総合考慮すると,一般的,外形的事実からは,会派控室における上記備品等は,調査研究活動以外の活動にも利用されていることが推認されるというべきであるところ,補助参加人公明党は,会派控室に設置されているコピー機は全て調査研究活動のために使用されている旨主張する。

しかし,補助参加人公明党の会派控室におけるコピー機が調査研究活動のみに利用された事実を認めるに足りる証拠はなく,調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合が具体的に立証されているということもできないから,これらに係る経費は,その2分の1を超えて政務調査費から支出することは許されないというべきである。

(b) また,資料作成費名目で支出した人件費については,上記(ウ)b(b)で検討したとおり,政務調査費の支出のうち2分の1が違法な支出である。

(c) したがって,上記支出のうち57万4180円が違法な支出である旨の原告の主張は理由がある。

(オ) 広報広聴費

a 証拠(丙D18)及び弁論の全趣旨によれば,補助参加人公明党の会派のホームページに係る経費(インターネット利用料,更新料,人件費等の合計111万0050円)が政務調査費から支出されたことが認められるところ,原告は,この支出のうち2分の1を超える部分は違法であると主張する。

b 証拠(丙D18)及び弁論の全趣旨によれば,上記ホームページには,所属議員のプロフィールや補助参加人公明党の政策提言・要望等が掲載されていることが認められるが,既に検討したとおり,議員ないし会派のホームページに係る経費については,その2分の1を超えて政務調査費から支出することは許されないと解するのが相当である。

また,広報広聴費名目で支出した人件費については,上記(ウ)b(b)で検討したとおり,政務調査費の支出のうち2分の1が違法な支出である。

したがって,上記政務調査費の支出のうち55万5019円が違法な支出である旨の原告の主張は理由がある。

(カ) 人件費

証拠(丙14の1~12)及び弁論の全趣旨によれば,補助参加人公明党が,人件費名目で合計48万円を政務調査費から支出したことが認められるところ,上記(ウ)b(b)における検討によれば,上記支出のうち2分の1を超える部分である24万円の支出は違法である旨の原告の主張は理由がある。

(キ) 事務費その他の経費

a 証拠(甲D6,丙D57,58)及び弁論の全趣旨によれば,補助参加人公明党が支払った会派控室のプリンターやパソコンのリース代,インターネット通信費等の全額(合計340万2777円)が政務調査費から支出されたことが認められるところ,原告は,この支出のうち2分の1を超える部分は違法であると主張する。

b 既に検討したところによれば,一般的,外形的事実からは,会派控室における上記備品等は,調査研究活動以外の活動にも利用されていることが推認されるというべきであるところ,補助参加人公明党は,会派控室に設置されているプリンターやパソコン等は全て調査研究活動のために使用されている旨主張する。。

しかし,補助参加人公明党の会派控室における上記備品等が調査研究活動のみに利用された事実を認めるに足りる証拠はなく,調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合が具体的に立証されているということもできないから,これらに係る経費は,その2分の1を超えて政務調査費から支出することは許されないというべきである。

したがって,上記支出のうち170万1372円が違法な支出である旨の原告の主張は理由がある。

イ D1議員

原告は,D1議員の出張に係る旅費について政務調査費から支出された額のうち1割が違法な支出であると主張するが,旅費条例に基づき算出した額を政務調査費からの支出額とするという取扱いをもって違法であるとはいえないことは既に検討したとおりであり,原告の主張は理由がない。

ウ D2議員

(ア) 調査研究費

原告は,D2議員の出張に係る旅費について政務調査費から支出された額のうち1割が違法な支出であると主張するが,旅費条例に基づき算出した額を政務調査費からの支出額とするという取扱いをもって違法であるとはいえないことは既に検討したとおりであり,原告の主張は理由がない。

(イ) 資料購入費

a 証拠(甲D9)及び弁論の全趣旨によれば,D2議員が住宅地図を購入した代金1万1000円が政務調査費から支出されたことが認められるところ,原告は,この支出のうち2分の1を超える部分は違法であると主張する。

b 住宅地図については,既に検討したのと同様に,その購入に係る支出が議員の行う調査研究活動のための支出として合理性ないし必要性を欠くとはいえず,その全額を政務調査費から支出することについて違法とはいえず,原告の主張は理由がない。

(ウ) 広報広聴費

a 弁論の全趣旨によれば,D2議員のホームページの更新料及びリニューアル代の全額(29万円),4000枚の封筒代のうち9割(7万8660円),メガホン代,デジタルカメラ代,プロジェクター代等のうち8割(13万5018円)が政務調査費から支出されたこと(合計50万3678円)が認められるところ,原告は,この支出のうち各代金等の2分の1を超える部分は違法であると主張する。

b 証拠(丙D30)及び弁論の全趣旨によれば,上記ホームページには,D2議員のプロフィールや議会報告,D2議員が掲げる政策等が掲載されていることが認められるが,既に検討したとおり,議員のホームページに係る経費については,その2分の1を超えて政務調査費から支出することは許されないと解するのが相当であるから,ホームページに係る上記支出のうち14万5000円は違法な支出である旨の原告の主張は理由がある。

c その余の支出について,補助参加人公明党は,各備品等の利用実態等を踏まえて調査研究活動に利用した割合につき必要な按分をした上での支出であるから,更なる按分の必要はないと主張し,D2議員は,監査委員に対し,封筒については稀に私的利用があるため9割の按分としたこと,メガホン,デジタルカメラ,プロジェクターについては,政務調査と直接結びつかない使用がないとはいえないため8割の按分としたことなどを記載した調査票を提出した(甲D10)。

しかし,D2議員の上記説明内容を勘案しても,上記備品等の利用実態は明らかでないといわざるを得ず,上記備品等が調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合が立証されているということはできないから,上記備品等の代金等は,その2分の1を超えて政務調査費から支出することは許されないというべきである。

よって,上記支出のうち8万5592円が違法な支出であるという限度で原告の主張は理由がある。

(エ) 事務費その他の経費

a 証拠(甲D11)及び弁論の全趣旨によれば,D2議員が支払ったPHS料金の8割(合計3万3497円)が政務調査費から支出されたことが認められるところ,原告は,この支出のうちPHS料金の2分の1を超える部分は違法であると主張する。

b PHS料金は,調査研究活動に用いるほかにも,私用のみならず,調査研究活動以外の議員活動,選挙活動,政党活動,後援会活動等の目的でも日常的に頻繁,かつ容易に使用され得るから,一般的には,調査研究以外の活動にも利用されていることが推認されるというべきである。

補助参加人公明党は,上記PHSは,ほとんど市民相談,調査活動等の政務調査活動に使用されているが,会派内規に基づいて政務調査活動の割合を8割として按分した上での支出であるから,更なる按分の必要はないと主張するところ,証拠(丙D31)及び弁論の全趣旨によれば,補助参加人公明党の政務調査費会派内規には,通信費について,本人の携帯電話の場合は8割,固定電話の場合は5割に按分した額を政務調査費から支出できる旨が定められていることが認められる。

しかし,上記のような会派内規の定めをもって直ちに議員個人の使用実態を根拠付けるということはできないのであって,上記PHSの使用実態を裏付ける客観的資料は認められず,D2議員が使用した上記PHS料金が調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合が立証されているということはできないから,上記PHS料金は,その2分の1を超えて政務調査費から支出することは許されないというべきである。

よって,上記PHS料金に係る政務調査費の支出のうち1万2560円は違法である旨の原告の主張は理由がある。

エ D3議員

(ア) 調査研究費

原告は,D3議員の出張に係る旅費について政務調査費から支出された額のうち1割が違法な支出であると主張するが,旅費条例に基づき算出した額を政務調査費からの支出額とするという取扱いをもって違法であるとはいえないことは既に検討したとおりであり,原告の主張は理由がない。

(イ) 広報広聴費

a 証拠(甲D13)及び弁論の全趣旨によれば,D3議員のホームページの更新料の全額(合計24万円)が政務調査費から支出されたことが認められるところ,原告は,この支出のうち2分の1を超える部分は違法であると主張する。

b 証拠(丙D36)及び弁論の全趣旨によれば,上記ホームページには,D3議員のプロフィールや活動レポート,議会報告,同議員が掲げる政策等が掲載されていることが認められるが,既に検討したとおり,議員のホームページに係る経費については,その2分の1を超えて政務調査費から支出することは許されないと解するのが相当であるから,上記支出額のうち2分の1に相当する12万円は違法な支出である旨の原告の主張は理由がある。

(ウ) 事務費その他の経費

a 証拠(甲D14,丙D31)及び弁論の全趣旨によれば,D3議員が支払ったデジタルカメラの代金全額(3万6300円)と携帯電話料金の8割(1万0030円)が政務調査費から支出されたことが認められるところ(合計4万6330円),原告は,この支出のうち各代金等の2分の1を超える部分は違法であると主張する。

b 上記備品等については,その性質上,適宜必要に応じて使用することができるものであるから,一般的,外形的事実からは,調査研究活動以外の活動にも利用されていることが推認されるというべきである。

補助参加人公明党は,上記デジタルカメラは調査研究活動のみに使用されており,携帯電話は,そのほとんどが調査研究活動に使用されているが,会派内規により8割の按分にしており,更なる按分の必要はないと主張するが,上記備品等の使用実態を裏付ける客観的資料は認められず,これらが調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合が立証されているということはできないから,上記各代金等は,その2分の1を超えて政務調査費から支出することは許されないというべきである。

よって,上記支出のうち2万1911円は違法な支出である旨の原告の主張は理由がある。

オ D4議員

原告は,D4議員の出張に係る旅費について政務調査費から支出された額のうち1割が違法な支出であると主張するが,旅費条例に基づき算出した額を政務調査費からの支出額とするという取扱いをもって違法であるとはいえないことは既に検討したとおりであり,原告の主張は理由がない。

カ D5議員

(ア) 調査研究費

原告は,D5議員の出張に係る旅費について政務調査費から支出された額のうち1割が違法な支出であると主張するが,旅費条例に基づき算出した額を政務調査費からの支出額とするという取扱いをもって違法であるとはいえないことは既に検討したとおりであり,原告の主張は理由がない。

(イ) 広報広聴費

a 証拠(甲D20)及び弁論の全趣旨によれば,D5議員が支払った同議員のホームページの更新料及び携帯電話料金の各8割(合計6万9496円)が政務調査費から支出されたことが認められるところ,原告は,この支出のうち各料金の2分の1を超える部分は違法であると主張する。

b 上記ホームページについては,証拠(丙D44)及び弁論の全趣旨によれば,D5議員のプロフィールや議会報告,実績等が掲載されていることが認められるが,既に検討したとおり,議員のホームページに係る経費については,その2分の1を超えて政務調査費から支出することは許されないと解するのが相当である。

また,携帯電話については,その性質上,適宜必要に応じて使用することができるものであるから,これらをいかなる目的でどの程度使用したかを正確に把握することは困難であるというべきである。補助参加人公明党は,そのほとんどが調査研究活動に使用されているが,会派内規により8割の按分にしており,更なる按分の必要はないと主張するが,上記携帯電話の使用実態を裏付ける客観的資料は認められず,これらが調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合が立証されているということはできないから,上記料金は,その2分の1を超えて政務調査費から支出することは許されないというべきである。

したがって,上記支出のうち2万6060円は違法な支出である旨の原告の主張は理由がある。

キ D6議員

(ア) 調査研究費

原告は,D6議員の出張に係る旅費について政務調査費から支出された額のうち1割が違法な支出であると主張するが,旅費条例に基づき算出した額を政務調査費からの支出額とするという取扱いをもって違法であるとはいえないことは既に検討したとおりであり,原告の主張は理由がない。

(イ) 資料購入費

a 証拠(甲D22)及び弁論の全趣旨によれば,D6議員が住宅地図を購入した代金1万6800円が政務調査費から支出されたことが認められるところ,原告は,この支出のうち2分の1を超える部分は違法であると主張する。

b 住宅地図については,既に検討したのと同様に,その購入に係る支出が議員の行う調査研究活動のための支出として合理性ないし必要性を欠くとはいえず,その全額を政務調査費から支出することについて違法とはいえず,原告の主張は理由がない。

ク D7議員

(ア) 調査研究費

原告は,D7議員の出張に係る旅費について政務調査費から支出された額のうち1割が違法な支出であると主張するが,旅費条例に基づき算出した額を政務調査費からの支出額とするという取扱いをもって違法であるとはいえないことは既に検討したとおりであり,原告の主張は理由がない。

(イ) 広報広聴費

a 証拠(甲D24)及び弁論の全趣旨によれば,D7議員のホームページの更新料の全額(合計24万円)が政務調査費から支出されたことが認められるところ,原告は,この支出のうち2分の1を超える部分は違法であると主張する。

b 証拠(丙D49)及び弁論の全趣旨によれば,上記ホームページには,D7議員のプロフィールや活動ブログ,同議員が掲げる政策等が掲載されていることが認められるが,既に検討したとおり,議員のホームページに係る経費については,その2分の1を超えて政務調査費から支出することは許されないと解するのが相当であるから,上記支出額のうち2分の1に相当する12万円は違法な支出である旨の原告の主張は理由がある。

(ウ) 事務費その他の経費

a 証拠(甲D25,丙D58,証人D7)及び弁論の全趣旨によれば,D7議員が自宅に設置しているコピー機のリース料金の全額(1万3734円)が政務調査費から支出されたことが認められるところ,原告は,この支出のうち上記料金の2分の1を超える部分は違法であると主張する。

b コピー機については,その性質上,適宜必要に応じて使用することができるものであるから,一般的,外形的事実からは,調査研究活動以外の活動にも利用されていることが推認されるというべきである。

補助参加人公明党は,上記コピー機は調査研究活動に専用使用されている旨主張し,D7議員は,同議員の自宅にはコピー機が2台設置されており,政務調査費からリース料金を支出したコピー機を同議員の家族が使用することはない旨説明するが(前掲各証拠),上記説明を裏付けるべき客観的な資料は認められず,上記コピー機が調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合が立証されているということはできないから,上記リース料金は,その2分の1を超えて政務調査費から支出することは許されないというべきである。

よって,上記支出のうち6867円は違法な支出である旨の原告の主張は理由がある。

ケ D8議員

(ア) 調査研究費

原告は,D8議員の出張に係る旅費について政務調査費から支出された額のうち1割が違法な支出であると主張するが,旅費条例に基づき算出した額を政務調査費からの支出額とするという取扱いをもって違法であるとはいえないことは既に検討したとおりであり,原告の主張は理由がない。

(イ) 資料作成費

a 証拠(甲D28)及び弁論の全趣旨によれば,D8議員が購入したデジタルカメラの代金の全額(2万3333円)が政務調査費から支出されたことが認められるところ,原告は,この支出のうち2分の1を超える部分は違法であると主張する。

b デジタルカメラについては,その性質上,適宜必要に応じて使用することができるものであるから,一般的,外形的事実からは,調査研究活動以外の活動にも利用されていることが推認されるというべきである。

補助参加人公明党は,上記デジタルカメラは,調査研究活動に使用しており,その目的以外に使用することはないと主張するが,その使用実態を裏付ける客観的資料は認められず,これが調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合が立証されているということはできないから,上記代金は,その2分の1を超えて政務調査費から支出することは許されないというべきである。

したがって,上記支出のうち1万1666円は違法な支出である旨の原告の主張は理由がある。

コ 小括

以上によれば,補助参加人公明党に係る違法な支出の合計額は,475万5227円である。

(5)  被告補助参加人社民党仙台市議団(以下「補助参加人社民党」という。)

ア 会派全体

(ア) 調査研究費

原告は,補助参加人社民党の出張に係る旅費について政務調査費から支出された額のうち1割が違法な支出であると主張するが,旅費条例に基づき算出した額を政務調査費からの支出額とするという取扱いをもって違法であるとはいえないことは既に検討したとおりであり,原告の主張は理由がない。

(イ) 資料購入費

a 原告は,補助参加人社民党が支払った書籍や資料等の代金に係る政務調査費の支出につき,その2分の1を超える部分が違法であると主張するところ,証拠(甲E1)及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。

(a) 補助参加人社民党は,次の題名の書籍や資料等を購入した。

(新聞類)

河北新報,毎日新聞,読売新聞,朝日新聞,日経新聞,公明新聞,日本教育新聞,日中友好新聞,産経新聞

(図書類)

その手は命づな,時刻表,ふるさと仙台外3冊

(その他)

月刊誌「日本の進路」,週刊「金曜日」,月刊「Dファイル」,法律図書の加除,広範な国民連合「会報」,住宅地図

(b) 補助参加人社民党は,上記資料等の購入費の全額(合計4万9882円)を政務調査費から支出した。

b 上記新聞類並びに「その手は命づな」と題する書籍,時刻表,「ふるさと仙台」と題する書籍,及び上記(a)の「その他」の各資料については,題名や推認される内容等の一般的・外形的事実から市政との関連性を認めることができ,補助参加人社民党は,これを調査研究活動の資料として利用したと認めるのが相当であるから,その購入に係る支出が調査研究活動のための支出として合理性ないし必要性を欠くとはいえず,その全額を政務調査費から支出することについて違法とはいえない。よって,これらの書籍や資料等に係る政務調査費の支出の違法をいう原告の主張は理由がない。

他方,上記(a)の「外3冊」については,題名や内容等が明らかではなく,市政との関連が不明であるといわざるを得ないから,これらの購入費の2分の1に当たる支出が違法な支出である旨の原告の主張は理由があるというべきである。

補助参加人社民党が支出した上記資料等の購入費の具体的な内訳が明らかでなく,「外3冊」の購入費用を特定するに足りる証拠がないから,上記資料等の数量等を勘案し,購入費合計額の1割(4988円)がそれらの書籍の購入費であると推認する。よって,その2分の1である2494円の支出が違法であるという限度で原告の主張は理由がある。

(ウ) 人件費

a 原告は,補助参加人社民党が平成20年4月から平成21年3月までの常勤職員及び臨時職員の人件費の全額を政務調査費から支出したことにつき,その2分の1を超える部分は違法である旨主張するところ,証拠(丙E5~13,35,証人E5,証人E3)及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。

(a) 補助参加人社民党は,以下の条件で会派控室における常勤職員1名を雇用した。

業務内容 事務全般,調査研究補助,資料収集,資料整理,控室管理

雇用期間 平成20年4月1日から

基本給  時給800円(ただし,月23日計算とし,月額払いとする。)

(b) 補助参加人社民党は,上記常勤職員の人件費につき,平成20年4月から平成21年3月まで,毎月,基本給に超過勤務手当及び通勤手当を加えた額から,仙台市から支給される会派職員雇用費補助11万0400円を控除した額を政務調査費から支出した。

上記常勤職員について,政務調査費からの支出額は,例えば,平成20年4月が4万4930円,同年5月が4万7930円であり,平成20年度に支出した額を合計すると少なくとも72万1760円である。

(c) 補助参加人社民党は,平成20年10月,臨時に雇用した職員に対し,5日間の平成21年度会派要望等作成業務に対する賃金として2万5300円を支払い,同額を政務調査費から支出した。

(d) 補助参加人社民党は,平成21年1月及び同年2月に非常勤職員を雇用し,合計12万8700円を支払い,同額を政務調査費から支出した。

b(a) まず,常勤職員に係る人件費について検討するに,会派控室に勤務する常勤職員の事務が調査研究活動の補助に当たるか否かについては容易に峻別し難い面があるといわざるを得ないことは,既に検討したとおりであり,上記常勤職員が調査研究活動に利用される割合とそれ以外の活動に利用される割合が立証されているということはできないから,当該職員に係る人件費は,その2分の1を超えて政務調査費から支出することは許されないというべきである。

補助参加人社民党は,上記常勤職員について,毎月11万0400円の会派職員雇用費補助を受けているが,既に検討したとおり,会派職員雇用費補助は当該職員の業務全体に対して交付されると考えるべきであるから,会派控室に配置された常勤職員の人件費の一部が会派職員雇用費補助によりまかなわれている事実は,残額について支払われた政務調査費の按分に係る上記の結論を左右するということはできない。

したがって,補助参加人社民党が会派控室の常勤職員の人件費として政務調査費から支出した額の2分の1である36万0880円が違法な支出である旨の原告の主張は理由がある。

(b) 次に,補助参加人社民党が平成20年10月に臨時に雇用した職員については,5日間という短期間の雇用であったとはいえ,上記職員が従事した「平成21年度会派要望等作成業務」の具体的な内容が明らかではなく,上記常勤職員が調査研究活動に利用される割合とそれ以外の活動に利用される割合が立証されているということはできないから,当該職員に係る人件費は,その2分の1を超えて政務調査費から支出することは許されないというべきであり,上記職員に支払った賃金に係る政務調査費の支出の2分の1である1万2650円の支出が違法である旨の原告の主張は理由がある。

(c) 補助参加人社民党が平成21年1月及び同年2月に雇用した非常勤職員についても,その具体的な業務内容は明らかではないから,これらについて支出された政務調査費の2分の1である6万4350円の支出が違法である旨の原告の主張は理由がある。

(エ) 事務費その他の経費

a 証拠(甲E14,丙35,40)及び弁論の全趣旨によれば,補助参加人社民党が,会派控室におけるコピー機の使用料や事務用品,パソコンの経費等の全額(合計66万3696円)を,政務調査費から支出したことが認められるところ,原告は,この支出のうち2分の1を超える部分は違法であると主張する。

b 会派控室は,既に検討したとおり,各会議出席のための準備,待機・休憩が基本的な用途であることや,そもそも会派や議員が行う活動は極めて広範かつ多岐にわたるものであること,コピー機等の上記備品等は,その性質上,適宜必要に応じて使用するものであり,いかなる目的でどの程度使用したかを正確に把握することは困難であるというべきであることを総合考慮すると,一般的,外形的事実からは,会派控室における上記備品等は,調査研究活動以外の活動にも利用されていることが推認されるというべきであるところ,補助参加人社民党は,会派控室に設置されている上記備品等は全て調査研究活動のために使用されている旨主張する。

しかし,補助参加人社民党の会派控室における上記備品等が調査研究活動のみに利用された事実を認めるに足りる証拠はなく,調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合が具体的に立証されているということもできないから,これら係る経費は,その2分の1を超えて政務調査費から支出することは許されないというべきである。

したがって,上記支出のうち33万1842円が違法な支出である旨の原告の主張は理由がある。

イ E1議員

(ア) 資料購入費

a 原告は,E1議員が支払った書籍の代金に係る政務調査費の支出につき,その2分の1を超える部分が違法であると主張するところ,証拠(甲E2,丙E14の1~3)及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。

(a) E1議員は,「こんなニッポンに誰がした」(1470円),「琉球王国のグスク」(1575円),「仙台市制施行120周年記念写真集 保存版 ふるさと仙台」(1万2600円)を購入し,その代金合計1万5645円が政務調査費から支出された。

(b) E1議員の資料購入費として政務調査費から支出された金額は,上記の1万5645円に3087円を加えた1万8732円であったが,上記3087円に係る書籍の題名は不明である。

b(a) 上記各書籍のうち,「こんなニッポンに誰がした」及び「仙台市制施行120周年記念写真集 保存版 ふるさと仙台」については,その題名等に照らして市政との関連性が認められるというべきであり,これらの書籍に係る政務調査費の支出の違法をいう原告の主張は理由がない。

(b) 他方で,「琉球王国のグスク」(1575円)は,その題名からすると市政との直接的な関連性は希薄であることが推認されるから,その購入費の2分の1に相当する政務調査費の支出が違法である旨の原告の主張は理由がある。

(c) 3087円に相当する書籍については,いかなる書籍であるか明らかではなく,政務調査との関連性は不明であるといわざるを得ないから,その購入費の2分の1に相当する政務調査費の支出が違法である旨の原告の主張は理由がある。

(d) したがって,上記のうち2330円の支出が違法であるという限度で原告の主張は理由がある。

(イ) 人件費

a 証拠(甲E3,4,丙E15の1~丙E16の12,丙E36)及び弁論の全趣旨によれば,E1議員が,平成20年4月から平成21年3月までに雇用した非常勤職員に係る経費の全額(合計20万1600円)が政務調査費から支出されたことが認められるところ,原告は,この支出のうち2分の1を超える部分は違法であると主張する。

b 補助参加人社民党は,同会派では,個々の事務所では常勤職員は雇用せず,調査研究活動に必要な補助業務を行う非常勤職員で対応する旨の申合せをしており,上記の支出はこれに従ったものであるから適法である旨主張し,E1議員は,上記申合せに基づいて,必要に応じて非常勤職員を調査研究活動の補助業務にのみ従事させている旨説明する(丙E36)。

しかし,E1議員の上記説明を勘案しても,E1議員が雇用した者が従事していた業務の具体的内容は明らかでないといわざるを得ず,E1議員が支払った上記の人件費は,調査研究活動の補助業務のみに利用されたと認めるに足りず,また,調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合が立証されているということもできないから,その2分の1を超えて政務調査費から支出することは許されないというべきである。

よって,上記支出額のうち2分の1に相当する10万0800円は違法な支出である旨の原告の主張は理由がある。

(ウ) 事務所費

a 証拠(甲E5)及び弁論の全趣旨によれば,E1議員が支払った事務所の賃料の全額(合計63万6000円)が政務調査費から支出されたことが認められるところ,原告は,この支出のうち2分の1を超える部分は違法であると主張する。

b 議員の活動が極めて広範かつ多岐にわたることに照らすと,その活動の拠点となる事務所においては,一般的,外形的には,調査研究活動以外の活動も行われることが推認される。

補助参加人社民党は,E1議員は,後援会や政治活動については上記事務所とは別の場所を利用しており,上記事務所は調査研究活動に関して使用している旨主張し,E1議員は同旨の説明をする(丙E36)。

しかし,上記事務所の使用実態を裏付ける客観的資料は認められず,上記事務所が調査研究活動に使用された割合とそれ以外の活動に使用された割合が立証されているということはできないから,上記事務所の賃料は,その2分の1を超えて政務調査費から支出することは許されないというべきである。

よって,上記賃料に係る政務調査費の支出のうち31万8000円は違法な支出である旨の原告の主張は理由がある。

(エ) 事務費その他の経費

a 証拠(甲E15)及び弁論の全趣旨によれば,E1議員が支払ったコピー機のリースやインク,フラッシュメモリーやICレコーダーに係る費用の全額(14万5938円)と,インターネットに係る費用の6割(1万3419円)が,政務調査費から支出されたことが認められる(合計15万9357円)。

b 上記備品等は,その性質上,適宜必要に応じて使用することができるものであり,一般的,外形的事実からは,調査研究活動以外の活動にも利用されていることが推認されるというべきである。

補助参加人社民党は,上記の費用は,調査研究活動のために必要な事務用品等に関する経費である旨主張するが,その使用実態を裏付ける客観的資料は認められず,上記備品等が調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合が立証されているということはできないから,上記費用は,その2分の1を超えて政務調査費から支出することは許されないというべきである。

よって,上記支出のうち7万5204円は違法な支出である旨の原告の主張は理由がある。

ウ E2議員

(ア) 人件費

a 証拠(甲E6,丙E18の1~12,丙E37)及び弁論の全趣旨によれば,E2議員が平成20年4月から平成21年3月分までに雇用していた非常勤職員に係る経費の全額(合計45万8000円)が政務調査費から支出されたことが認められるところ,原告は,この支出のうち2分の1を超える部分は違法であると主張する。

b E2議員は,会派における申合せに基づき常勤職員を雇用せず,必要に応じて非常勤職員を調査研究活動の補助業務にのみ従事させている旨説明するが(丙E37),上記説明やE2議員が作成した非常勤職員管理簿(丙E17の1~12)等を勘案しても,E2議員が雇用した者が従事していた業務の具体的内容は明らかでないといわざるを得ず,E2議員が支払った上記の人件費は,調査研究活動の補助業務のみに利用されたと認めるに足りず,また,調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合が立証されているということもできないから,その2分の1を超えて政務調査費から支出することは許されないというべきである。

よって,上記支出額のうち2分の1に相当する22万9000円は違法な支出である旨の原告の主張は理由がある。

(イ) 事務所費

a 証拠(甲E7)及び弁論の全趣旨によれば,E2議員が支払った事務所の賃料の全額(合計84万円)が政務調査費から支出されたことが認められるところ,原告は,この支出のうち2分の1を超える部分は違法であると主張する。

b 議員の活動が極めて広範かつ多岐にわたることに照らすと,その活動の拠点となる事務所においては,一般的,外形的には,調査研究活動以外の活動も行われることが推認される。

補助参加人社民党は,E2議員は,後援会活動等は自宅で行っており,上記事務所は調査研究活動に関して使用している旨主張し,E2議員は同旨の説明をする(丙E37)。

しかし,上記事務所の使用実態を裏付ける客観的資料は認められず,上記事務所が調査研究活動に使用された割合とそれ以外の活動に使用された割合が立証されているということはできないから,上記事務所の賃料は,その2分の1を超えて政務調査費から支出することは許されないというべきである。

よって,上記賃料に係る政務調査費の支出のうち42万円は違法な支出である旨の原告の主張は理由がある。

(ウ) 事務費その他の経費

a 証拠(甲E16)及び弁論の全趣旨によれば,E2議員が支払ったプリンター複合機のリースやシュレッダー,名刺整理機,封筒の印刷等に係る費用の全額(合計22万6185円)が,政務調査費から支出されたことが認められるところ,原告は,この支出のうち2分の1を超える部分は違法であると主張する。

b 上記備品等は,その性質上,適宜必要に応じて使用することができるものであり,一般的,外形的事実からは,調査研究活動以外の活動にも利用されていることが推認されるというべきである。

補助参加人社民党は,上記の費用は,調査研究活動のための事務所における事務費用を計上したものである旨主張するが,その使用実態を裏付ける客観的資料は認められず,上記備品等が調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合が立証されているということはできないから,上記費用は,その2分の1を超えて政務調査費から支出することは許されないというべきである。

よって,上記支出のうち11万3092円は違法な支出である旨の原告の主張は理由がある。

エ E3議員

(ア) 資料購入費

a 弁論の全趣旨によれば,E3議員が購入した住宅地図の代金(2万1000円)が政務調査費から支出されたことが認められるところ,原告は,上記支出のうち2分の1を超える部分が違法であると主張する。

b 住宅地図については,既に検討したのと同様に,その購入に係る支出が議員の行う調査研究活動のための支出として合理性ないし必要性を欠くとはいえず,その全額を政務調査費から支出することについて違法とはいえず,原告の主張は理由がない。

(イ) 人件費

a 証拠(甲E8,丙E21の1~12,丙E38)及び弁論の全趣旨によれば,E3議員が平成20年4月から平成21年3月までに雇用していた非常勤職員2名に支払った報酬の全額(合計47万7600円)及びホームページ更新料として支払った合計5000円の全額が,人件費として政務調査費から支出されたことが認められるところ,原告は,この支出のうち報酬額及び更新料の2分の1を超える部分は違法であると主張する。

b E3議員は,会派における申合せに基づき常勤職員を雇用せず,必要に応じて非常勤職員を調査研究活動の補助業務にのみ従事させている旨説明するが(甲E8,丙E38),上記説明やE3議員が作成した非常勤職員管理簿(丙E19の1~丙E20の3)等を勘案しても,E3議員が雇用した者が従事していた業務の具体的内容は明らかでないといわざるを得ず,E3議員が支払った上記の人件費は,調査研究活動の補助業務のみに利用されたと認めるに足りず,また,調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合が立証されているということもできないから,その2分の1を超えて政務調査費から支出することは許されないというべきである。

また,既に検討したとおり,議員のホームページに係る経費については,その2分の1を超えて政務調査費から支出することは許されないと解するのが相当である。

よって,上記支出のうち2分の1に相当する24万1300円は違法な支出である旨の原告の主張は理由がある。

(ウ) 事務費その他の経費

a 証拠(甲2の1,甲E17)及び弁論の全趣旨によれば,E3議員が支払った事務所の固定電話及び携帯電話の電話料金とコピー機カウント料,トナー代等の全額(合計3万2230円)が政務調査費から支出され,このうち携帯電話料金について1813円が返還されたことが認められるところ,原告は,上記支出額(返還された額を差し引いた額)のうち上記料金等の2分の1を超える部分は違法であると主張する。

b 上記備品等は,その性質上,適宜必要に応じて使用することができるものであり,一般的,外形的事実からは,調査研究活動以外の活動にも利用されていることが推認されるというべきである。

補助参加人社民党は,上記備品等のうちコピー機カウント料及びトナー代,固定電話料については,調査研究活動のための事務費に係るものであると主張するが,上記備品等の使用実態を裏付ける客観的資料は認められず,上記備品等が調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合が立証されているということはできないから,上記費用は,その2分の1を超えて政務調査費から支出することは許されないというべきである。

よって,上記支出のうち1万4302円は違法な支出である旨の原告の主張は理由がある。

オ E4議員

(ア) 資料作成費

a 弁論の全趣旨によれば,E4議員のホームページ作成費の全額(2万円)が政務調査費から支出されたことが認められるところ,原告は,この支出のうち2分の1を超える部分は違法であると主張する。

b 証拠(丙E22)及び弁論の全趣旨によれば,上記ホームページには,E4議員の経歴や議会における質問の映像等が掲載されていることが認められるが,既に検討したとおり,議員のホームページに係る経費については,その2分の1を超えて政務調査費から支出することは許されないと解するのが相当であるから,上記支出のうち1万円は違法な支出である旨の原告の主張は理由がある。

(イ) 人件費

a 証拠(甲E9,丙E24の1~21,丙E39)及び弁論の全趣旨によれば,E4議員が平成20年4月から平成21年3月までに雇用した非常勤職員2名に係る経費の全額(合計71万6000円)が政務調査費から支出されたことが認められるところ,原告は,この支出のうち2分の1を超える部分は違法であると主張する。

b E4議員は,会派における申合せに基づき常勤職員を雇用せず,必要に応じて非常勤職員を調査研究活動の補助業務にのみ従事させている旨説明するが(丙E39),上記説明やE4議員が作成した政務調査費・人件費記録票(丙E23の1~21)等を勘案しても,E4議員が雇用した者が従事していた業務の具体的内容は明らかでないといわざるを得ず,E4議員が支払った上記の人件費は,調査研究活動の補助業務のみに利用されたと認めるに足りず,また,調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合が立証されているということもできないから,その2分の1を超えて政務調査費から支出することは許されないというべきである。

よって,上記支出額のうち2分の1に相当する35万8000円は違法な支出である旨の原告の主張は理由がある。

カ E5議員

(ア) 調査研究費

原告は,E5議員の出張に係る旅費について政務調査費から支出された額のうち1割が違法な支出であると主張するが,旅費条例に基づき算出した額を政務調査費からの支出額とするという取扱いをもって違法であるとはいえないことは既に検討したとおりであり,原告の主張は理由がない。

(イ) 資料作成費

a 弁論の全趣旨によれば,E5議員のホームページの作成費の全額(2万円)が政務調査費から支出されたことが認められるところ,原告は,この支出のうち2分の1を超える部分は違法であると主張する。

b 証拠(丙E31)及び弁論の全趣旨によれば,上記ホームページには,E5議員のプロフィールや同議員が掲げる政策,後援会組織の案内等が掲載されていることが認められるが,既に検討したとおり,議員のホームページに係る経費については,その2分の1を超えて政務調査費から支出することは許されないと解するのが相当であるから,上記支出額のうち1万円は違法な支出である旨の原告の主張は理由がある。

(ウ) 人件費

a 証拠(甲E10,丙E32の1~14,丙E35)及び弁論の全趣旨によれば,E5議員が平成20年4月から平成21年3月までに雇用した非常勤職員に係る経費の全額(合計40万6000円)が政務調査費から支出されたことが認められるところ,原告は,この支出のうち2分の1を超える部分は違法であると主張する。

b E5議員は,会派における申合せに基づき常勤職員を雇用せず,必要に応じて非常勤職員を調査研究活動の補助業務にのみ従事させている旨説明するが(丙E35),上記説明や領収証の記載(丙E32の1~14)等を勘案しても,E5議員が雇用した者が従事していた業務の具体的内容は明らかでないといわざるを得ず,E5議員が支払った上記の人件費は,調査研究活動の補助業務のみに利用されたと認めるに足りず,また,調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合が立証されているということもできないから,その2分の1を超えて政務調査費から支出することは許されないというべきである。

よって,上記支出額のうち2分の1に相当する20万3000円は違法な支出である旨の原告の主張は理由がある。

(エ) 事務所費

a 証拠(甲E11,丙E33)及び弁論の全趣旨によれば,E5議員が支払った事務所に係る経費(賃料,電気,電話,水道,ガス等)から,後援会により補填されている毎月3万円を控除した残額(12か月分の合計67万1856円)が政務調査費から支出されたことが認められるところ,原告は,この支出のうち上記経費の合計額の2分の1を超える部分は違法であると主張する。

b 議員の活動が極めて広範かつ多岐にわたることに照らすと,その活動の拠点となる事務所においては,一般的,外形的には,調査研究活動以外の活動も行われることが推認される。

E5議員は,上記事務所は9割以上調査研究活動に使用しているが,後援活動や政党活動的な使用も一部あることから,社民党とE5議員の後援会で月額3万円を補填していると説明する(甲E11,丙E33)。

しかし,上記事務所の使用実態を裏付ける客観的資料は認められず,上記事務所が調査研究活動に使用された割合とそれ以外の活動に使用された割合が立証されているということはできないから,上記事務所の賃料は,その2分の1を超えて政務調査費から支出することは許されないというべきである。

よって,上記賃料に係る政務調査費の支出のうち15万5924円は違法な支出であるという限度で(原告は,違法支出額の合計を15万5928円として請求しているが,正しくは15万5924円である。),原告の主張は理由がある。

(オ) 事務費その他の経費

a 証拠(甲E11)及び弁論の全趣旨によれば,E5議員が支払った事務所のコピー機のトナー代やファックス用紙代,インク代等の全額(合計4万6440円)が政務調査費から支出されたことが認められるところ,原告は,この支出のうち2分の1を超える部分は違法であると主張する。

b 上記備品等は,その性質上,適宜必要に応じて使用することができるものであり,一般的,外形的事実からは,調査研究活動以外の活動にも利用されていることが推認されるというべきであるところ,上記備品等が調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合が立証されているということはできないから,上記費用は,その2分の1を超えて政務調査費から支出することは許されないというべきである。

よって,上記支出のうち2万3220円は違法な支出である旨の原告の主張は理由がある。

キ E6議員

(ア) 研修費

a 証拠(丙E35)及び弁論の全趣旨によれば,E6議員が支払った「仙台青葉倫理法人会」及び「白石七日会」の年会費の全額(合計9万8000円)が政務調査費から支出されたことが認められるところ,原告は,この支出全額が違法であると主張する。

b(a) 仙台青葉倫理法人会については,同会の名称に照らして市政との関連性に疑問があるといわざるを得ないところ,病気療養中のE6議員に代わってE5議員がした「仙台青葉倫理法人会は,企業経営者を中心に経済活動のあるべき姿などのテーマで週1回研修会を行う団体である。」旨の証言等によっても,同会の活動内容及び実態を明らかにするには足りず,同会の年会費についての政務調査費の支出は本件使途基準に合致しない違法な支出であると推認せざるを得ない。

(b) 白石七日会については,証拠(証人E5)及び弁論の全趣旨によれば,宮城県白石高校出身者を中心とする者で構成されていることが認められ,専ら構成員相互の親睦を深めることを目的とした団体であるとの疑いがあるといわざるを得ないところ,E5議員がした「白石七日会は,宮城県白石高校出身者で経済界や大学関係者・医療関係者等を中心に構成され,年2,3回研修会を行う団体である。」旨の証言等によっても,同会の活動内容及び実態を明らかにするには足りず,同会の年会費についての政務調査費の支出は本件使途基準に合致しない違法な支出であると推認せざるを得ない。

(c) したがって,上記支出の全額が違法な支出である旨の原告の主張は理由がある。

(イ) 人件費

a 証拠(甲E12,丙E34の1~5,丙E35)及び弁論の全趣旨によれば,E6議員が平成20年4月から平成21年3月分までに雇用していた非常勤職員に係る経費の全額(合計41万円)が政務調査費から支出されたことが認められるところ,原告は,この支出のうち2分の1を超える部分は違法であると主張する。

b E6議員は,上記非常勤職員の業務内容は,調査活動の補助(原稿等入力作業,資料の整理等),議会活動報告の封入作業である旨を説明し(甲E12),E6議員に代わって証言等をしたE5議員は,会派における申合せに基づき常勤職員を雇用せず,必要に応じて非常勤職員を調査研究活動の補助業務にのみ従事させている旨説明する(丙E35)。

しかし,上記説明等を勘案しても,E6議員が雇用した者が従事していた業務の具体的内容は明らかでないといわざるを得ず,E6議員が支払った上記の人件費は,調査研究活動の補助業務のみに利用されたと認めるに足りず,また,調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合が立証されているということもできないから,その2分の1を超えて政務調査費から支出することは許されないというべきである。

よって,上記支出額のうち2分の1に相当する20万5000円は違法な支出である旨の原告の主張は理由がある。

(ウ) 事務所費

a 証拠(甲E13)及び弁論の全趣旨によれば,E6議員が支払った平成20年5月から同年9月分の事務所に係る経費の全額(合計12万円)が政務調査費から支出されたことが認められるところ,原告は,この支出のうち2分の1を超える部分は違法であると主張する。

b 議員の活動が極めて広範かつ多岐にわたることに照らすと,その活動の拠点となる事務所においては,一般的,外形的には,調査研究活動以外の活動も行われることが推認される。

補助参加人社民党は,E6議員は上記事務所を調査研究活動のために月数回ほど使用していた旨主張し,E6議員及びE5議員は同旨の説明をする(甲E13,丙E35,証人E5)。

しかし,上記事務所の使用実態を裏付ける客観的資料は認められず,上記事務所が調査研究活動に使用された割合とそれ以外の活動に使用された割合が立証されているということはできないから,上記事務所の賃料は,その2分の1を超えて政務調査費から支出することは許されないというべきである。

よって,上記賃料に係る政務調査費の支出のうち6万円は違法な支出である旨の原告の主張は理由がある。

(エ) 事務費その他の経費

a 証拠(丙E35)及び弁論の全趣旨によれば,E6議員が支払った切手代の全額(35万円)が政務調査費から支出されたことが認められるところ,原告は,この支出の全額が違法であると主張する。

b 切手について,調査研究活動のための必要性を欠くとまで認めるに足りる証拠はないから,その支出の全額が違法であるとの原告の主張は理由がない。

もっとも,切手は,その性質上,適宜必要に応じて使用することができるものであり,一般的,外形的事実からは,調査研究活動以外の活動にも利用されていることが推認されるというべきであるところ,補助参加人社民党は,上記切手は,政務調査活動の成果である議会活動報告紙の発送費用であると主張するが,これを裏付ける客観的資料は認められず,上記切手が調査研究活動に利用された割合とそれ以外の活動に利用された割合が立証されているということはできないから,上記切手代は,その2分の1を超えて政務調査費から支出することは許されないというべきである。

よって,上記支出のうち17万5000円は違法な支出であるという限度で原告の主張は理由がある。

ク 小括

以上によれば,補助参加人社民党に係る違法な支出の合計額は,358万4388円である。

3  各会派の不当利得の額

以上の検討によれば,本件政務調査費の支出について,補助参加人自民は658万9635円,補助参加人民主は221万6453円,補助参加人きぼうは411万8950円,補助参加人公明党は475万5227円,補助参加人社民党は358万4388円の不当利得返還義務を負っていることが認められる。

4  附帯請求について

原告は,平成21年5月16日を起算日とする遅延損害金を請求するよう求めているところ,その根拠は,本件条例10条1項が,前年度に政務調査費の交付を受けた会派は,当該政務調査費に残余がある場合には,当該年度の5月15日までに返還すべき旨を定めているところにあると解される。

しかし,本件条例10条1項が定める返還義務は,会派が適正な支出であるとして収支状況報告書に記載した金額を交付額から控除した残余額についての返還義務であって,目的外支出があった場合に会派が負う上記の不当利得の返還義務とは性格を異にするというべきである。

したがって,上記規定から本件請求に係る各会派の上記不当利得返還義務についても平成21年5月15日が弁済期であったと解することはできないところ,ほかに各会派の上記不当利得返還義務の弁済期が既に到来したことの主張立証はない。

よって,本件請求に係る各会派の不当利得返還義務が遅滞に陥っているとは認められないので,原告が被告に対して各会派に遅延損害金の支払を請求することを求めることはできないというべきである。

第4結論

以上によれば,原告の請求は,各会派に対して第3の3記載の各金額の返還を請求するよう被告に求める限度で理由があるから,これを一部認容することとして,主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 市川多美子 裁判官 工藤哲郎 裁判官 志田智之)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例