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京都地方裁判所 昭和44年(ワ)1226号 判決 1969年12月04日

原告

大池寛

被告

石井正志

主文

原告の請求を棄却する。

訴訟費用は原告の負担する。

事実《省略》

理由

下記(一)、(二)の事実は当事者間に争がない。

(一)、原告は、被告が拒絶証書作成義務免除の上裏書した左記約束手形一通(本件手形)の所持人である。

金額 九八万円

支払期日 昭和四四年六月三〇日

支払地、振出人 高松市

支払場所 高松信用金庫片原町支店

振出日 昭和四四年二月六日

振出人 常盤繊維株式会社

受取人 石井正志(被告)

第一裏書(白地式)裏書人

石井正志(被告)

第二裏書(白地式)裏書人

義治毛織株式会社

(二)、本件手形の振出人常盤株式会社が支払期日前に銀行取引停止処分を受けので、本件手形は一度も振出人に呈示されていない。

約束手形の振出人が満期前に銀行取引停止処分を受けた場合、所持人は、(1)満期前に振出人の営業所もしくは住所において、又は(2)満期もしくはこれにつぐ二取引日内に支払場所において(支払場所の記載のある場合)、振出人に対し手形の支払のための呈示をしなければ(拒絶証書作成義務免除のない場合は、なお、拒絶証書を作成しなければ)、裏書人に対する遡求権を保全しえないと解するのが相当である(手形法第四三条第四四条第七七条)。

よつて、原告の本訴請求は正当でないからこれを棄却し、民事訴訟法第八九条を適用し主文のとおり判決する。

(小西勝)

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