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京都地方裁判所 平成6年(行ウ)16号 判決 1999年9月10日

原告

京阪工事株式会社

右代表者代表取締役

佐藤好夫

右訴訟代理人弁護士

大槻龍馬

谷村和治

浅野芳朗

岡惠一郎

田中駿介

山崎晴夫

被告

下京税務署長 城尾嘉隆

右指定代理人

岩松浩之

長田義博

谷口弘美

松尾安起

浅井孝二

主文

一  原告の請求をいずれも棄却する。

二  訴訟費用は原告の負担とする。

事実

第一当事者の求めた裁判

一  原告

1  被告が原告に対して昭和五二年三月一九日付けでそれぞれした、原告の昭和四九年四月一日から昭和五〇年三月三一日までの事業年度(以下「昭和五〇年三月期」という。)及び昭和五〇年四月一日から昭和五一年三月三一日までの事業年度(以下「昭和五一年三月期」という。)の各法人税の更正(ただし、いずれも裁決による一部取消後のもの)のうち、所得金額が昭和五〇年三月期は一億二二八〇万〇七二五円、昭和五一年三月期は八四八二万五七〇八円をいずれも超える部分及びこれらに対する重加算税の各賦課決定をいずれも取り消す。

2  訴訟費用は被告の負担とする。

二  被告

主文と同旨

第二請求原因

一  昭和五〇年三月期及び昭和五一年三月期(以下「本件各事業年度」という。)の法人税について、原告のした確定申告、これに対して被告のした更正及び重加算税の賦課決定並びに審査請求に対する国税不服審判所長のした裁決の経緯は、別紙「課税の経緯」記載のとおりである。

二  しかしながら、

1  右各更正(いずれも裁決による一部取消し後のもの。以下「本件各更正」という。)のうち、所得金額が昭和五〇年三月期は一億二二八〇万〇七二五円、昭和五一年三月期は八四八二万五七〇八円を超える部分は、原告の所得金額を過大に認定したものであるから違法である。

2  右重加算税の各賦課決定(裁決による一部取消し後のもの。以下「本件各賦課決定」という。)は、所得を過大に認定した本件各更正を前提とする点において違法である。

三  よって、原告は本件各更正のうち右所得金額を超える部分及び本件各賦課決定の取消しを求める。

第三請求原因に対する認否

請求原因一の事実は認めるが、同二は争う。

第四被告の主張

一  原告の本件各事業年度の所得金額は、原告が確定申告した申告所得金額に、別紙1「所得金額の内訳表」記載の各金額を加算及び減算したものであり(ただし、昭和五〇年三月期の加算項目に「受贈益二三一万円」を加え、<16>「寄附金の損金算入限度超過額」を三一七万九三五三円に、<18>「加算金額計」を一億七七六八万〇〇五八円に、<28>「(被告主張)所得金額」を一億四九一二万〇二二〇円にそれぞれ訂正する。)、昭和五〇年三月期は一億四九一二万〇二二〇円、昭和五一年三月期は一億三九九八万一三四四円である。したがって、本件各更正は右所得金額を上回らないから適法である。右加算及び減算の理由は次のとおりである。

1  昭和五〇年三月期

(一) 申告所得金額に加算した項目

(1) 外注費の架空計上額 一億〇三六三万九六五〇円

原告は、外注先に依頼して架空の証ひょう書類(請求書、領収書等の原始記録をいう。)を作成させたほか、原告の経理担当者をして、実在する外注先名義又は実在しない外注先名義の証ひょう書類を作成せしめる方法等により、架空の外注費を工事原価として計上していた。右架空外注費は工事原価として損金に算入されないので、これを加算した(別紙1「所得金額の内訳表」<6>欄)。

(2) 機具経費の架空計上額 三二一五万三三三四円

原告は、株式会社トーメン(以下「トーメン」という。)及び東京産業株式会社(以下「東京産業」という。)を介して、三和機材株式会社(以下「三和機材」という。)から、建設用機械アースオーガー(以下「アースオーガー」という。)を、昭和四九年四月に三六五〇万円で、同五〇年二月に六〇〇〇万円で各一台購入した。右機械の購入代金は、機械装置として資産に計上し、七年の耐用年数を適用して減価償却をすべきであったのに、原告は、右各機械の購入代金のうち、昭和四九年四月購入の機械について一九二〇万円、昭和五〇年二月購入の機械について一〇〇〇万円の合計二九二〇万円を、消耗品を購入したように仮装して、機具経費(工事原価)として昭和五〇年三月期の損金に算入していた。

また、原告は昭和五〇年二月購入の機械の購入代金のうち一〇〇〇万円を工具勘定に計上し、本来の耐用年数より短い二年の耐用年数を適用して、昭和五〇年三月期で減価償却費を過大に計上し、工事原価として損金に算入していた。

これらの金額はいずれも工事原価として損金に算入されないので、これを加算した(同<7>欄)。

(3) 修繕費の架空計上額 三九〇万〇〇〇〇円

原告が昭和四九年四月に購入したアースオーガーの機械の代金三六五〇万円は、右(2)のとおり機械装置としてその総額を資産に計上すべきところ、原告は、その代金のうち三九〇万円を一般管理費の修繕費として計上し、損金に算入していた。右金額は一般管理費として損金に算入されないので、これを加算した(同<9>欄)。

(4) 受取利息の除外額 四万二九二四円

原告は、架空外注費を計上する方法等で簿外資金を有し、その一部を簿外の普通預金に預け入れていたが、右預金に係る受取利息は益金に算入すべきである。しかし、原告は、これを除外していたので、これを加算した(同<10>欄)。

(5) 賃貸収入の除外額 一〇〇万〇〇〇〇円

原告は、山一建設工業こと山住信一(以下「山住」という。)に対し、堀削用機械ユンボを賃貸していたが、右賃貸収入は益金に算入すべきである。しかし、原告は、これを除外していたので、これを加算した(同<11>欄)。

(6) 雑損失の過大計上額 一八二五万〇〇〇〇円

原告は、特別償却費として一八二五万円を損金に算入していたが、本件処分に伴い、昭和五〇年三月期以降の法人税について青色申告の承認を取り消された。このため、中小企業者の機械等の特別償却(昭和五一年法律第五号による改正前の租税特別措置法四五条の二・取得価額の五分の一の初年度特別償却をいう。以下同じ。)の適用を否認し、右金額を加算した(同<13>欄)。

(7) 受贈益 二三一万〇〇〇〇円

原告は、三和機材から、ホリゾンガー用部品を無償で譲り受けたが、右資産の時価二三一万円は受贈益として益金に算入すべきである。しかし、原告は、これを除外していたので、これを加算した。

(8) 交際費の損金不算入額 一三二〇万四七九七円

確定申告に係る支出交際費額五五一万三八九九円に、簿外の資金から支出していた交際費の増加額一三〇六万二二四三円を加算して得た総額一八五七万六一四二円を基に、交際費の損金不算入額(昭和五一年法律五号による改正前の租税特別措置法六二条の規定を適用して各事業年度の交際費の総額を基に算出した損金不算入額をいう。以下同じ。)を再計算した結果、損金不算入額が増加した。

右増加額は損金に算入されないので、これを加算した(同<15>欄)。

(9) 寄附金の損金算入限度超過額 三一七万九三五三円

原告は、簿外の資金から寄附金を支出していたが、その総額五〇八万円を基に、寄附金の損金算入限度額(法人税法三七条、同施行令七三条を適用して計算した金額。以下同じ)を計算した結果、右限度額を超える部分の金額が生じることとなった。右金額は損金に算入することができないので、これを加算した(同<16>欄)。

(二) 申告所得金額から減算した項目

(1) 簿外外注費の認容額 九〇万〇〇〇〇円

原告は、簿外金銭出納帳を通さずに、架空外注費等で捻出した資金から、直接、簿外の外注費を支出していたので、右金額を工事原価として認容し、これを損金に算入した(同<22>欄)。

(2) 簿外費用の認容額 四五四三万一五八八円

原告は、簿外金銭出納帳を経由して、簿外資金から完成工事原価及び一般管理費となる費用を支出していたので、これを認容し、損金に算入した(同<23>欄)。

(3) 未納事業税の認容額 六万〇〇〇〇円

被告は、原告に対し、前事業年度である昭和四九年三月期分の法人税額等の更正処分を行った。その結果、同期の事業税額が増加し、未納事業税額が生じたので、これを損金に算入した(同<26>欄)。

(三) 所得金額 一億四九一二万〇二二〇円

原告の確定申告書記載の所得金額一七八三万一七五〇円(同<1>欄)に、右(一)(1)ないし(9)の各項目の合計額一億七七六八万〇〇五八円を加算し、右(二)(1)ないし(3)の各項目の合計額四六三九万一五八八円(同<27>欄)を減算して得た一億四九一二万〇二二〇円が原告の昭和五〇年三月期の所得金額である。

2  昭和五一年三月期

(一) 申告所得金額に加算した項目

(1) 完成工事収入の除外額 二六四〇万〇〇〇〇円

原告は、昭和五一年三月期において、株式会社日本基礎(以下「日本基礎」という。)から工事を受注し、その工事出来高二六四〇万円が確定したが、これを公表帳簿(当初の確定申告額算定の基礎となった帳簿をいう。)に記載せず、工事代金の一部として受け取った手形及び残部の工事未収入金を簿外としていたので、これを完成工事高として益金に算入した(同<2>欄)。

なお、これに対応する完成工事原価については、後記(二)(3)に記載のとおりである。

(2) 完成工事原価の架空計上額 二二六八万三三〇二円

原告は、城陽新幹線今池工事等について、多数の下請業者に下請させて工事を施工し、当該工事に係る工事原価は六億五八八一万六六九八円と確定していた。ところが、原告は、右の他に、暁建設株式会社(以下「暁建設」という。)に下請させたごとく仮装して、二二六八万三三〇二円を水増しして、過大に工事原価を計上していた。そこで、完成工事原価の架空計上として、右水増し額を加算した(同<3>欄)。

(3) 完成工事原価の架空計上額 二億一五三三万二八二五円

原告は、実際は未完成である工事を完成工事高に計上して実績を上げようとしていたところ、これらの工事に係る架空原価をも計上していた。この架空工事原価は損金に算入されないので、これを加算した(同<4>欄)。

なお、これに対応する完成工事高については、後記(二)(2)に記載のとおりである。

(4) 未成工事支出金の除外額 三五〇万〇〇〇〇円

原告は、決算に際して、未完成の工事の要した費用等三五〇万円を完成工事原価として損金に算入していた。しかし、右金額は、実際には工事が完成していなかったのであるから、未成工事支出金として資産に計上すべきであった。このような方法で計上された過大工事原価は損金に算入されないので、これを加算した(同<5>欄)。

(5) 外注費の架空計上額 九八五五万八六〇〇円

原告は、外注先に依頼して架空の証ひょう書類を作成させるほか、原告の経理担当者をして、実在する外注先名義又は実在しない外注先名義の証ひょう書類を作成せしめる方法等により、架空の外注費を工事原価として計上していた。右架空外注費は工事原価として損金に算入されないので、これを加算した(同<6>欄)。

(6) 機具経費の架空計上額 八〇〇万〇〇〇〇円

原告は、昭和五〇年九月に東京産業を介して三和機材からアースオーガー一台を一二〇〇万円で購入した。ところが、右機械の購入代金のうち八〇〇万円を消耗品を購入したかのように仮装し、機具経費として工事原価に計上していた。右金額は、工事原価として損金に算入されないので、これを加算した(同<7>欄)。

(7) 減価償却費の架空計上額

原告は、昭和五〇年二月にトーメンを介して三和機材から購入したアースオーガーの代金六〇〇〇万円のうち、一〇〇〇万円を工具勘定に計上した。その結果、昭和五一年三月期においても、減価償却費を過大に計上し、工事原価として損金に算入していた。右金額は工事原価として損金に算入されないので、これを加算した(同<8>欄)。

(8) 受取利息の除外額 四五万四九八六円

原告は、前記のとおり、簿外資金の一部を簿外の普通預金に預け入れ、昭和五一年三月期に係る受取利息九万四〇〇〇円を除外していたので、これを益金に算入した。

また、暁建設に対して、簿外貸付金を有していたところ、これに係る利息相当額三六万〇九八六円を計上していなかったので、これを益金に算入した(同<10>欄)。

(9) 賃貸収入の除外額 四〇〇万〇〇〇〇円

原告は、山住より収受した昭和五一年三月期に係る賃貸収入を除外していたので、これを益金に算入した(同<11>欄)。

(10) 固定資産売却益の除外額 一八五万〇〇〇〇円

原告は、昭和五〇年四月に丸紅建設機械株式会社よりポクレンを購入した。その際に、同一機種の中古機械を二〇〇万円で下取りさせたが、これを一五万円で下取りさせたと偽って、その差額の売却益を除外していた。そこで、この差額を固定資産売却益の除外額として益金に算入した(同<12>欄)。

(11) 雑損失の過大計上額 三六六万〇〇〇〇円

原告は、前記のとおり、法人税について青色申告の承認を取り消されているので、中小企業者の機械等の特別償却の適用を否認し、特別償却費として損金に算入していた金額を加算した(同<13>欄)。

(12) 雑収入の除外額 七四万九二五〇円

公表帳簿に計上した経費の一部を外注先が負担することになり、これに伴い、原告は外注先からその分の返金を受けた。

また、原告は、昭和五〇年六月に、創立一〇周年記念行事を開催したが、その際、取引先から祝い金を受け取った。

原告はこれらの金額を除外していたので、これらを益金に算入した(同<14>欄)。

(13) 交際費の損金不算入額 二一六五万一六八一円

原告の確定申告に係る支出交際費額五一一万〇六二〇円に、簿外資金から支出していた交際費の増加額二四九四万七八〇四円を加算して得た総額三〇〇五万八四二四円を基に、交際費の損金算入限度額を再計算した結果、損金不算入額が増加した。右増加額は損金に算入されないので、これを加算した(同<15>欄)。

(14) 寄附金の損金算入限度超過額 五四万三二二五円

原告は、簿外の資金から寄附金を支出していたが、その総額二三五万二〇〇〇円を基に、寄附金の損金算入限度額を計算した結果、右限度額を超える部分の金額が生じることになった。右金額は損金に算入することができないので、これを加算した(同<16>欄)。

(15) 貸倒引当金の繰入限度超過額 一二二万二六六〇円

原告は、貸倒引当金繰入限度額の計算の基となる貸金等のうちに、未完成の工事を完成工事高に繰上計上した架空の完成工事未収金等を含めていた。これを精査すると、右貸金等が減少したので、減少後の貸金等を基にして右繰入限度額(法人税法五二条、昭和五二年政令五三号による改正前の法人税法施行令九七条及び昭和五一年法律第五号による改正前の租税特別措置法五七条の六を適用して計算した金額をいう。)の再計算を行った。その結果、損金に算入できない金額が生じたので、これを加算した(同<17>欄)。

(二) 申告所得金額から減算した項目

(1) 完成工事の架空計上額 二〇〇〇万〇〇〇〇円

原告は、東興建設株式会社に対する架空の完成工事高を計上していたので、これを益金から減算した(同<19>欄)。

(2) 完成工事の架空計上額 二億〇九六四万六〇〇〇円

原告は、実際には未完成である工事を完成工事高に計上していたので、これを益金から減算した(同<20>欄)。

(3) 完成工事原価の認容額 二五四五万四三一一円

原告は、日本基礎からの前記2(一)(1)の工事収入に係る工事原価二五四五万四三一一円を他の工事原価に仮装していたので、これを右工事収入に係る工事原価として損金に算入した(同<21>欄)。

(4) 簿外外注費の認容額 二一二二万三八四〇円

原告は、簿外金銭出納帳を通さずに、架空外注費で捻出した資金から、直接、簿外の外注費を支出していたので、右金額を工事原価として認容し、損金に算入した(同<22>欄)。

(5) 簿外費用の認容額 五五二五万八四九七円

原告は、簿外金銭出納帳を経由して、簿外資金から完成工事原価及び一般管理費となる費用を支出していたので、これを認容し、損金に算入した。(同<23>欄)。

(6) 雑収入の減算額 三一一万六三五一円

原告は、昭和五〇年三月期に架空計上していた外注費の一部を、同五一年三月期において、公表帳簿上で雑収入として戻し入れしていた。架空計上された外注費については既に同五〇年三月期に所得金額に加算しているので、右戻入れ額を当期の雑収入から減算した(同<24>欄)。

(7) 減価償却費の認容額 五一一万〇〇〇一円

前記のとおり、昭和五〇年三月期の中小企業者の機械等の特別償却が否認されたことに伴い、同五一年三月期の普通償却額が増加するので、その金額を認容し、これを損金に算入した(同<25>欄)。

(8) 未納事業税の認容額 一五四七万三二八〇円

被告は、原告に対し、昭和五〇年三月期の法人税について本件更正を行った。その結果、同期の事業税額が増加し、未納事業税額が生じたので、これを損金に算入した(同<26>欄)。

(三) 所得金額 一億三九九八万一三四四円

原告が確定申告書に記載した所得金額八四八万五七〇八円(同<1>欄)に、右(一)(1)ないし(15)の各項目の合計額四億一〇四三万七九一六円(同<18>欄)を加算し、右(二)(1)ないし(8)の各項目の合計額三億五五二八万二二八〇円(同<27>欄)を減算して得た金額一億三九九八万一三四四円が原告の昭和五一年三月期の所得金額である(同<28>欄)。

二  本件各賦課決定について

原告は、本件各事業年度分の法人税について、右のとおり架空の証ひょう書類を作成する方法等により、架空外注費やその他の架空工事原価を計上等して、所得金額を過少に記載した確定申告書を提出していたものであり、このことは国税通則法六八条一項に規定する法人税の課税標準等又は税額等の計算の基礎となるべき事実の全部又は一部を隠ぺいし、又は仮装し、その隠ぺいし、又は仮装したところに基づき納税申告書を提出した場合に該当することは明らかであるから、本件各事業年度の更正に係る本件各賦課決定は適法である。

第五被告の主張に対する認否

一1(一) 被告の主張一1(一)の各加算金額のうち、(1)のうち九五五五万円(後記原告の反論二1記載の外注加工費に係る部分)、(2)、(7)ないし(9)(ただし、原告が総額五〇八万円の寄附金を支出したことは認める。)を加算すべきことは否認するが、その余は認める。

(二) 同(二)の各減算金額のうち、(2)を減算すべきことは否認するが、その余は認める。

(三) 同(三)は否認する。

2(一) 同2(一)の各加算金額のうち、(1)、(2)、(5)のうち三五七〇万八六〇〇円(後記原告の反論二1記載の外注加工費に係る部分)、(6)、(13)及び(14)(ただし、原告が総額二三五万二〇〇〇円の寄附金を支出したことは認める。)を加算すべきことは否認するが、その余は認める。

(二) 同(二)の各減算金額のうち、(3)及び(5)、(8)を減算すべきことは否認するが、その余は認める。

(三) 同(三)は否認する。

二 同二は否認ないし争う。

第六原告の主張

一  益金の過大認定

被告は、昭和五一年三月期の所得金額につき、日本基礎に対する原告の工事代金二六四〇万円を益金に算入している(別紙1「所得金額の内訳表」<2>欄)が、同年三月三一日時点において右債権は確定していなかったから、右益金への算入は違法である。

二  損金の過少認定

1  外注費

原告は、本件各事業年度において、別紙(一)「外注加工費明細」記載のとおり、各下請業者に対し、期中未払金の累積として各金額欄記載の未払外注加工費を負担していたところ、これらはそれぞれの該当する各事業年度の損金に算入されるべきであるにもかかわらず、被告はこれを架空外注費として損金に算入していない(別紙1「所得金額の内訳表」<6>欄の一部)。

2  報酬、あっせん料

原告は、本件各事業年度において、別紙(二)「報酬、あっせん料明細」記載のとおり、各支払先に対し、各支払金額欄記載の金員を橋梁工事についての技術、施工等の相談及び現地指導を受けたことに対する報酬(同別紙<1>ないし<3>)並びに工事の受注のための仲介あっせん料(同別紙<4><5>)としてそれぞれ支払っているところ、これらはそれぞれの該当する各事業年度の損金に算入されるべきであるにもかかわらず、被告はこれを損金に算入していない(別紙1「所得金額の内訳表」<15>、<23>欄の一部)。

3  完成工事原価

(一) 会議費等

原告は、本件各事業年度において、別紙(三)「完成工事原価明細」記載のとおり、雑費、会議費として金員を支出しており、これらはそれぞれの該当する各事業年度の損金に算入されるべきであるにもかかわらず、被告はこれらを損金に算入していない(別紙1「所得金額の内訳表」<15>、<23>欄の一部)。

(二) 暁建設分

被告は、原告が、昭和五一年三月期において、暁建設に対して発注した工事についての工事代金の内金二二六八万三三〇二円を工事原価として損金に算入していない(同<3>欄)。

4  一般管理費

原告は、本件各事業年度において、別紙(四)「一般管理費明細」記載のとおり、各金員を福利厚生費、旅費交通費、諸会費として支出しているところ、これらはそれぞれの該当する各事業年度の損金に算入されるべきであるにもかかわらず、被告はこれらを損金に算入していない(別紙1「所得金額の内訳表」<15>、<23>欄の一部)。

5  消耗品

原告は、本件各事業年度において、別紙(五)「消耗品明細」記載のとおり、各機具を購入し各金額欄記載の支払いをなしているところ、右機具はいずれも機械本体とは別個の消耗品であり、その購入代金はそれぞれの該当する事業年度の損金に算入されるべきであるにもかかわらず、被告はこれらを損金に算入していない(別紙1「所得金額の内訳表」<7>欄)。

仮に、右機具の全てが消耗品であるとは認められないとしても、その多くは補修用の予備として購入されたものであったり、また、被告主張の機械本体とは別の機械とともに使用される機具であるので、被告主張のように機械本体と一体として評価されるべきものではない。

さらに、仮に右機具を減価償却資産として処理するとしても、昭和五〇年三月末及び昭和五一年三月末までに既に破損して破棄したものについては、除却損を計上すべきである。

第七原告の主張に対する認否・反論

一  原告の主張一のうち、昭和五一年三月期の所得金額につき、被告が日本基礎に対する原告の工事代金二六四〇万円を益金に算入していることについては認めるが、その余は争う。

二1  同二1のうち、原告が本件各事業年度において、別紙(一)「外注加工費明細」記載の各下請業者に対し、各金額欄記載の未払外注費を負担しているとして損金に算入していること及び被告がこれをそれぞれの該当する各事業年度の損金に算入していないことは認めるが、その余は争う。

未払外注費の計上及び清算にかかる原告の経理処理は不合理である。また、同別紙の未払外注費は、期中未払金の累積額の清算ではない。

2  同二2のうち、原告が本件各事業年度において、別紙(二)「報酬、あっせん料明細」記載のとおり、各支払先に対し、各支払金額欄記載の金員を各支払年月日に支払ったこと及び被告が右同別紙番号<4><5>の金員をそれぞれの該当する各事業年度の損金に算入していないことは認めるが、その余は不知ないし争う。

(一) 原告主張の本件各事業年度における野口佐治兵衛(以下「野口」という。)に対する支払いは、いずれも簿外金銭出納帳を通じて盆暮の時期に支払われており、同人に対する儀礼的な贈答と認められる。したがって、一般管理費の交際費として、それぞれの該当する事業年度の損金に算入した(別紙1「所得金額の内訳表」<23>欄の一部)。

なお、それぞれの事業年度に係る交際費の損金不算入額については、別途これを加算していることは前記のとおりである(同<15>欄の一部)。

(二) 原告主張の本件各事業年度における株式会社光映技術(以下「光映技術」という。)に対する支払いは、原告が戸田建設株式会社(以下「戸田建設」という。)から建設工事を受注できるようにするためのあっせん料であるが、当該建設工事の契約が締結には至らなかったため、原告は、その返還を求めることが可能である。したがって、損員に算入しなかった。

3(一)  同二3(一)のうち、原告が本件各事業年度において別紙(三)「完成工事原価明細」記載のとおり、各金員を各支払年月日に支出していることは認め、また、同別紙「内容等」欄に記載されている支払先等についてはおおむね認めるが、その余は不知ないし争う。

原告主張の右各金員は、簿外金銭出納帳を通じて支払われている。そして、これらの内容は、原告の得意先、仕入先その他事業に関係のある者に対する接待、きょう応、慰安、贈答その他これらに類する行為のため支出されたものであるから、一般管理費又は工事原価に係る交際費として、損金に算入した(別紙1「所得金額の内訳表」<23>欄の一部)。

なお、交際接待等が行われた本件各事業年度における交際費の損金不算入額については、別途これを加算していることは前記のとおりである(同<15>欄の一部)。

(二)  同二3(二)のうち、被告が昭和五一年三月期において、二二六八万三三〇二円を工事原価として損金に算入していないことは認めるが、その余は否認ないし争う。

原告主張の昭和五一年三月期の暁建設に係る工事原価二二六八万三三〇二円は、原告が同社以外の各下請先に直接下請させて既に確定処理済みであった工事原価六億五八八一万六六九八円に水増しして同社へ発注したごとく仮装経理をし、工事原価に計上していたものである。このため、完成工事原価の架空計上として右水増し金額を損金に算入しなかった(同<3>欄)。

4  同二4のうち、原告が、本件各事業年度において、別紙(四)「一般管理費明細」記載のとおり、各金員を各支出年月日に支出していることは認め、また、同別紙「内容等」欄に記載されている支払目的等についてはおおむね認めるが、その余は否認ないし争う。

原告主張の右各金員は、簿外金銭出納帳を通じて支払われている。そして、これらは、同別紙「科目」欄(1)<2>を除き、原告の得意先、仕入先その他事業に関係のある者に対する接待、きょう応、慰安、贈答その他これらに類する行為のため支出されたものであるので、一般管理費又は工事原価に係る交際費として、交際接待等が行われたそれぞれの事業年度の損金に算入した(別紙1「所得金額の内訳表」<23>欄の一部)。

また、同欄(1)<2>については一般管理費の雑費として、当該金額が支出された事業年度の損金に算入した(同<23>欄の一部)。

なお、交際接待等が行われた本件各事業年度における交際費の損金不算入額については、別途これを加算していることは前記のとおりである(同<15>欄の一部)。

5  同二5のうち、被告が別紙(五)「消耗品明細」の各「金額」欄記載の金員を各事業年度の損金に算入していないことは認めるが、その余は否認ないし争う。

原告は、昭和四九年四月、同五〇年二月及び同年九月に、トーメン及び東京産業を介して、三和機材からアースオーガー各一台を購入したが、その購入代金の一部につき、消耗品を購入等したかのように仮装して、工事原価及び一般管理費に算入していた。

同別紙記載の各物件(昭和四九年購入の<9>ないし<11>、<13>を除く。右部品は、三和機材から無償で取得したもので、前記受贈益に計上した。)は、右の各機械の部品であり当該機械の一部を構成するものであって、機械本体と一体となって使用されるものであるから、同別紙記載の各金額は右各機械の取得価額に算入されるべきものである。このため、被告は右の各金額を本件各事業年度の損金に算入しなかった(別紙1「所得金額の内訳表」<7>ないし<9>欄の一部)。

理由

一  請求原因一の事実は当事者間に争いがない。

二  そこで、本件各更正に原告主張の違法が存するか否かについて判断する。

1  原告の申告にかかる所得金額に、昭和五〇年三月期は被告の主張一1(一)(1)のうち九四〇八万九六五〇円、(3)ないし(6)の各金額を加算し、1(二)(1)及び(3)の各金額を減算すべきこと、昭和五一年三月期は同一2(一)(3)、(4)、(5)のうち六二八五万円、(7)ないし(12)及び(15)の各金額を加算し、2(二)(1)、(2)、(4)、(6)及び(7)の各金額を減算すべきことについては当事者間に争いがない。

2  益金の過大認定について

(一)  前記争いのない事実、証拠(甲三、九、乙三ないし一〇〔枝番を含む。〕)並びに弁論の全趣旨によれば、以下の事実が認められる。

(1) 原告は、昭和五〇年八月二五日ころ、日本基礎から、藤沢北口開発事業団の発注する藤沢北口駅前開発工事のうちパイル埋め及び土留め工事(以下「本件工事」という。)を、請負代金三三五〇万円、指定工期は同年九月一五日まで、代金の支払方法については、毎月二〇日段階での出来高を締め、それに応じた代金を翌月二八日に支払う約定で受注した。

本件工事は、地価の堀削部分に土どめをし、地下水を同所に流入させないようにするために、桝形に堀削した周囲にコンクリート製パイル(PCオール)を打ち込み、コンクリート壁を築造するものであった。

(2) 原告は、本件工事に着工し、日本基礎の検収を受けて出来高を確定した後、日本基礎から、昭和五〇年一二月から昭和五一年三月までの間に、別紙「完成工事高から除外した手形の明細」記載のとおり、手形七通(合計二四二〇万円、以下「本件手形」という。)を受け取り、二二〇万円を原告の日本基礎に対する立替金と相殺処理して、合計二六四〇万円の支払いを受けた。そして、原告は、右二六四〇万円を、いったん昭和五一年三月期の完成工事高として計上した。

(3) 原告代表者は、昭和五一年三月二〇日ころ、同社が不渡りを出したことを知り、経理担当者である佐野市郎(以下「佐野」という。)に命じて、前記のとおり計上した完成工事高を帳簿上抹消処理させ、本件手形の一部を佐野宅に保管させた。

(4) さらに、原告代表者は、本件工事に係る工事原価二五四五万四三一一円を、三重県企業庁から受注した海蔵川八〇〇ミリ送水管推進工事(以下「三重県企業庁工事」という。)の工事原価に付け替え、右工事原価として昭和五一年三月期の損金に算入した。三重県企業庁工事は、同期末時点では未完成であったが、原告は完成工事高として繰上げて同期の益金に計上するとともに、右のとおり、本件工事に係る工事原価を損金に計上した。

(5) 原告は、作業の遅延のため、指定工期経過後も本件工事を継続していたが、日本基礎が昭和五一年三月二〇日ころ倒産したため工事を中断し、同年四月ころ、工事現場から機械、人員を引き上げ、本件工事から全面撤退した。

(二)  ところで、請負による収益については、物の引渡しを要する契約にあってはその目的物の全部を完成した相手方に引き渡した日、物の引渡しを要しない契約にあってはその契約に係る役務の全部を完了した日の属する事業年度において、収入を益金に算入するのが原則であるけれども、出来高に応じて代金を支払う旨の特約がある場合には、全部の完成引渡しを待たずに、その一部について報酬債権が確定するから、当該事業年度において契約の一部が未完成であった場合でも、特約に従って、既に完成された部分について、出来高に応じて手形等が現実に授受され、報酬債権が現実化している場合には、これを同事業年度の益金に算入すべきであると解するのが相当である。

これを本件について見るに、右認定事実を総合すれば、原告は、昭和五〇年一一月から昭和五一年三月までの間に、検収を受けた出来高に対応する工事代金の支払いを受けており、本件手形の額面及び立替金相殺の限度で請負代金債権の一部が現実化したと認められるから、本件工事代金のうち二六四〇万円については昭和五一年三月期の益金として計上すべきである。

(三)  そうすると、原告は右二六四〇万円を益金に計上していないから、「完成工事収入の除外額」として昭和五一年三月期の所得金額に右二六四〇万円を加算し(別紙1「所得金額の内訳表」<2>)、本件工事の工事原価二五四五万四三一一円を「完成工事原価の認容額」として減算すべきこととなる(同<21>)。

また、前記繰上げ計上した三重県企業庁工事の完成工事高二億〇九六四万六〇〇〇円は同期末には未完成であるから、「完成工事の架空計上額」としてこれを減算し(同<20>)、本件工事の原価を付け込んだ後の三重県企業庁工事に係る工事原価二二六八万三三〇二円を「完成工事原価の架空計上額」として加算すべきである(同<3>)。

3  外注費について

(一)  原告における外注費の会計処理等について

前記争いのない事実、証拠(乙三、八、一二ないし四八)並びに弁論の全趣旨によれば、以下の事実が認められる。

(1) 原告の各下請先は、毎月二〇日に工事出来高を締めて、原告に対して請求書を提出することと定められていた。

原告の各工事現場の監督は、下請先から提出された右請求書に基づき、各工事出来高の査定を行った上で、右請求書を業務課に回付し、業務課では、右請求書に基づいて各下請先別に工事名、請求金額、査定金額、これから差引き相殺する前払金及び原告が下請先に支払うべき金額をそれぞれ記載した「下請支払明細表」(以下「外注台帳」という。)を作成していた。したがって、下請代金の支払いに関する事柄については、原則として外注台帳に記帳されるシステムになっていた。

業務課は、支払指図書を経理課に回し、経理課では、毎月、各下請先別に査定金額、支払金額等を記載した「工事未払金台帳」を作成し、請求月の翌月一〇日に各下請先に対して右査定金額から前払金等を控除した金額を支払っていた。

原告の下請業者は零細な者が多く、原告からの支払いによって経営が成り立っているのが実情であったため、原告に対して請求した工事代金を請求月の翌月一〇日に受領せず、二か月以上放置することは特段の事情がない限りあり得なかった。

(2) 原告は、得意先に対する接待費等に充てる簿外資金を確保する目的で、実在する外注先又は実在しない外注先を取引先として、架空の外注費を計上していた。

原告は、右計上により確保した簿外資金を、架空名義の普通預金口座へ入金した上、「簿外金銭出納帳」二冊に記入して管理していた。

(二)  右認定の事実を前提として、別紙(一)「外注加工費明細」記載の外注費が架空のものであるかについて検討する。

<1> 坂本勇(坂本組)分

原告は、昭和五〇年三月三一日付けで、坂本に対する未成工事支出金として一〇〇万円を計上しているところ、右一〇〇万円は、坂本からの請求金額と原告が一方的に査定した支払金額との差額の昭和五〇年三月期における累積分を包括的に未払金として計上したものであり、原告がこれを再検討したところ実際の外注費は七五万円であったため、差額二五万円を借方欄に計上した旨主張する。

しかし、右未払金算出の具体的根拠は明らかではないし、証拠(甲五の各枝番)によってもかかる差額を累積する処理が行われていたことを認めるに足りないうえ、前掲証拠によれば、右一〇〇万円は、原告の外注台帳に対応する記載がなく、その算出根拠となるべき請求書等も存在しないこと、右一〇〇万円は、計上された翌月一〇日に支払われず、昭和五一年三月期に繰越されていること、原告は、《1》昭和五〇年五月三一日付けで同月分の坂本に対する工事代金の査定額一二九万五〇〇〇円のうち、五四万五〇〇〇円のみを未成工事支出金として計上して七五万円を消却し、《2》同年九月一一日付けで交通・宿泊代値引の名目で雑収入二五万円を計上して未払金と相殺し、帳簿上、右一〇〇万円全額を消却したこと、原告は、坂本に対し、同年六月一〇日に右査定額一二九万五〇〇〇円を支払ったことが認められ、右事実を総合すれば、右一〇〇万円の工事未払金は、架空のものと認めるのが相当である。

<2> 西沢一郎(三京工業所)分

原告は、昭和五〇年三月三一日付けで、西沢に対する未成工事支出金として一〇〇万円及び五〇万円の合計一五〇万円を計上しているところ、右一五〇万円は、西沢からの請求金額と原告が一方的に査定した支払金額との差額の昭和五〇年三月期における累積分を包括的に未払金として計上したものである旨主張する。

しかし、右未払金算出の具体的根拠は明らかではないし、証拠(甲六の各枝番)によっても、かかる差額を累積する処理が行われていたことを認めるに足りないうえ、前掲証拠によれば、右一五〇万円は、原告の外注台帳に対応する記載がなく、その算出根拠となるべき請求書等も存在しないこと、右一五〇万円は、計上された翌月一〇日に支払われず、昭和五一年三月期に繰越されていること、原告は、《1》昭和五〇年一二月分の西沢に対する工事代金の査定額四二万三八四〇円を計上しないことにより同額を消却し、《2》昭和五一年三月三一日付けで値引き名目で雑収入一〇七万六一六〇円を計上して未払金と相殺し、帳簿上、右一五〇万円全額を消却したこと、原告は、西沢に対し、右査定額について、昭和五〇年一二月二七日に三〇万円、昭和五一年一月一〇日に一〇万円、同月一二日に五〇〇〇円、五四四〇円、一万三四〇〇円の合計四二万三八四〇円を支払ったことが認められ、右事実を総合すれば、右一五〇万円の工事未払金は、架空のものと認められるのが相当である。

<3> 並木輝人(並木組)分

原告は、昭和五一年三月三一日付けで、並木に対する未成工事支出金として五九九万八六〇〇円を計上しているところ、右五九九万八六〇〇円は、並木からの請求金額と原告が一方的に査定した支払金額との差額の昭和五一年三月期における累積分を包括的に未払金として計上したものである旨主張する。

しかし、右未払金算出の具体的根拠は明らかではないし、証拠(甲七の各枝番)によっても、かかる差額を累積する処理が行われていたことを認めるに足りないうえ、前掲証拠によれば、右五九九万八六〇〇円は、原告の外注台帳に対応する記載がなく、その算出根拠となるべき請求書等も存在しないこと、右五九九万八六〇〇円は、計上された翌月一〇日に支払われず、昭和五二年三月期に繰越されていることが認められ、右事実を総合すれば、右五九九万八六〇〇円の工事未払代金は、架空のものと認めるのが相当である。

<4> 堤梅雄(堤組)の昭和五〇年三月期分

原告は、昭和五〇年三月三一日付けで、堤に対する未成工事支出金として一五〇万円及び二〇五万円の合計三五五万円を計上しているところ、右三五五万円は、堤からの請求金額と原告が一方的に査定した支払金額との差額の昭和五〇年三月期における累積分を包括的に未払金として計上したものである旨主張する。

しかし、右未払金算出の具体的根拠は明らかではないし、証拠(甲八の各枝番、甲一一)によっても、かかる処理が行われていたことを認めるに足りないうえ、前掲証拠によれば、右三五五万円は、原告の外注台帳に対応する記載がなく、その算出根拠となるべき請求書等も存在しないこと、右三五五万円は、計上した翌月一〇日に支払われず、昭和五一年三月期に繰越されていること、原告は、昭和五〇年九月三〇日付けで、同月分の堤に対する工事代金の査定額四九〇万〇六二〇円のうち一三五万〇六二〇円のみを計上して、帳簿上、前記三五五万円を消却したこと、原告は、堤に対し、同年一〇月一一日に右査定額四九〇万〇六二〇円を支払ったことが認められ、右事実を総合すれば、右三五五万円の工事未払金は、架空のものと認められるのが相当である。

<5> 堤の昭和五一年三月期分

原告は、堤に対する未成工事支出金として、昭和五〇年七月三一日付けで八六五万円及び一五〇〇万円、昭和五一年一月六日付けで三〇〇万円の合計二六六五万円を計上しているところ、右二六六五万円は、堤からの請求金額と原告が一方的に査定した支払金額との差額の昭和五一年三月期における累積分として一六六五万円の包括的な未払金を計上し、これに架空の一〇〇〇万円を混入させたものである旨主張する。

しかし、右未払金のうち一六六五万円算出の具体的根拠は明らかではないし、証拠(甲八の各枝番、甲一一)によっても、かかる処理が行われていたことを認めるに足りないうえ、前掲証拠によれば、原告は、同年三月二日に右二六六五万円のうち一〇〇〇万円を支払ったこととし、同月三日付けで簿外金銭出納帳に入金し裏金としていること、残金一六六五万円は、原告の外注台帳に対応する記載がなく、その算出根拠となるべき請求書等も存在しないこと、原告は、《1》昭和五一年四月一〇日に一六六〇万円を支払ったことに仮装して同額を消去し、《2》同日、雑収入五万円を計上して未払金と相殺し、帳簿上、右一六六五万円全額を消去したことが認められ、右事実を総合すれば、右一六六五万円の工事未払代金は、架空のものと認めるのが相当である。

<6> 株式会社旭基礎工事(以下「旭基礎」という。)の昭和五〇年三月期分

原告は、昭和五〇年三月三一日付けで、旭基礎に対する未成工事支出金として二五〇万円を計上しているところ、右二五〇万円は、旭基礎からの請求金額と原告が一方的に査定した支払金額との差額の昭和五〇年三月期における累積分及び旭基礎に対して支払うべき東京竹の塚の工事に関するセミシールド推進機一式にかかる修理費・運搬費等の費用を、包括的に未払金として計上したものである旨主張する。

しかし、右未払金算出の具体的根拠は明らかではないし、かかる差額を累積する処理が行われていたこと及び右費用の存在については、証拠(甲一四の各枝番)によってもこれらを認めるに足りないうえ、前掲証拠によれば、右二五〇万円は、原告の外注台帳に対応する記載がなく、その算出根拠となるべき請求書等も存在しないこと、右二五〇万円は、計上された翌月一〇日に支払われておらず、昭和五一年三月期に繰越されていること、原告は、昭和五〇年一二月三一日に同月分の旭基礎に対する工事代金の査定額四二八万七六〇〇円のうち、一七八万七六〇〇円のみを計上し、二五〇万円を計上しないことによって、帳簿上、右二五〇万円を消去したこと、原告は、旭基礎に対し、昭和五〇年一二月二五日に二〇〇万円、昭和五一年一月一七日に二二八万七〇〇〇円を支払い、六〇〇円を値引き処理して、右査定額四二八万七六〇〇円を支払ったことが認められ、右事実を総合すれば、右二五〇万円の工事未払金は、架空のものと認めるのが相当である。

<7> 旭基礎の昭和五一年三月期分

原告は、昭和五一年三月三一日付けで、旭基礎に対する未成工事支出金として二〇〇万円及び五〇万円の合計二五〇万円を計上しているところ、右二五〇万円は、旭基礎からの請求金額と原告が一方的に査定した支払金額との差額の昭和五一年三月期における累積分を包括的に未払金として計上したものである旨主張する。

しかし、その算出の具体的根拠は明らかではないし、証拠(甲一四の各枝番)によってもかかる差額を累積する処理が行われていたことを認めるに足りないうえ、前掲証拠によれば、右二五〇万円は、原告の外注台帳に対応する記載がなく、その算出根拠となるべき請求書等も存在しないこと、右二五〇万円は、計上された翌月一〇日に支払われておらず、昭和五二年三月期に繰越されていることが認められ、右事実を総合すれば、右二五〇万円の工事未払金は、架空のものと認めるのが相当である。

<8> 池田武雄(池田組)の昭和五〇年三月期分

原告は、昭和五〇年三月三一日付けで、池田に対する未成工事支出金として一〇〇万円を計上しているところ、右一〇〇万円は、池田からの請求金額と原告が一方的に査定した支払金額との差額の昭和五〇年三月における累積分を包括的に未払金として計上したものであり、池田の請求額三七二万円に対し、原告は二七二万円と査定したが一〇〇万円を加算して支払った旨主張する。

しかし、右未払金算出の具体的根拠は明らかでないし、証拠(甲一五の各枝番)によっても、かかる差額を累積する処理が行われていたことを認めるに足りないし、かかる加算支払いをすべき合理的理由も見あたらないうえ、前掲証拠によれば、右一〇〇万円は、原告の外注台帳に対応する記載がなく、その算出根拠となるべき請求書等も存在しないこと、右一〇〇万円は、計上された翌月一〇日に支払われておらず、昭和五二年三月期に繰越されていること、昭和五〇年九月三〇日に同月分の池田に対する工事代金の査定額三七二万円のうち、二七二万円のみを計上し、一〇〇万円を計上しないことによって、帳簿上、右一〇〇万円を消却したこと、原告は、池田に対し、同年一〇月一一日に右査定額三七二万円を支払ったことが認められ、右事実を総合すれば、右一〇〇万円の工事未払金は、架空のものと認めるのが相当である。

<9> 池田の昭和五一年三月期分

原告は、昭和五一年三月三一日付けで、池田に対する未成工事支出金として二九三万円及び二〇七万円の合計五〇〇万円を計上しているところ、右五〇〇万円は、池田からの請求金額と原告が一方的に査定した支払金額との差額の昭和五一年三月期における累積分を包括的に未払金として計上したものである旨主張する。

しかし、右未払金算出の具体的根拠は明らかではないし、証拠(甲一五の各枝番)によっても、かかる差額を累積する処理が行われていたことを認めるに足りないうえ、前掲証拠によれば、右五〇〇万円は原告の外注台帳に対応する記載がないこと、右五〇〇万円は計上された翌月一〇日に支払われず、昭和五二年三月期に繰越されていることが認められ、右事実を総合すれば、右五〇〇万円の工事未払代金は、架空のものと認めるのが相当である。

<10> 大平静雄(大平組)分

原告は、昭和五一年三月三一日付けで、大平に対する未成工事支出金として二〇六万円を計上しているところ、右二〇六万円は、大平からの請求金額と原告が一方的に査定した支払金額との差額の昭和五一年三月期における累積分を包括的に未払金として計上したものである旨主張する。

しかし、右未払金算出の具体的根拠は明らかではないし、証拠(甲一六の各枝番)によっても、かかる処理が行われていたことを認めるに足りないうえ、前掲証拠によれば、右二〇六万円は原告の外注台帳に対応する記載がなく、その算出根拠となるべき請求書等も存在しないこと、右二〇六万円は、計上された翌月一〇日に支払われず、昭和五三年三月期に繰越されていることが認められ、右事実を総合すれば、右二〇六万円の工事未払金は、架空のものと認めるのが相当である。

<11> エスケー工事株式会社(以下「エスケー工事」という。)分及び株式会社光映技術(以下「光映技術」という。)分

原告は、昭和五一年三月三一日付けで、未成工事支出金として、エスケー工事に対して一〇〇万円、光映技術に対して二五〇万円を、それぞれ計上しているところ、右五〇〇万円は、光映技術に対し、千葉県君津市木更津区画整理事業の仲介と右工事の設計図面等の対価として支払ったものであるから光映技術にその返還を求めることはできないので、これを便宜的にエスケー工事及び光映技術に対する未成工事支払金として計上した旨主張する。

しかし、原告と光映技術との間でかかる図面等の授受があったことを認めるに足りる的確な証拠はないうえ、前掲証拠によれば、右三五〇万円は原告の外注台帳に対応する記載がないこと、原告は、光映技術との間で右区画整理事業工事につき、請負人である戸田建設から原告が下請業者として受注することを条件として、昭和五〇年三月二二日に一〇〇万円、昭和五一年二月二八日に一五〇万円、同年四月一二日に二五〇万円の合計五〇〇万円をあっせん料として支払ったが、同年一〇月ころ、原告が右工事を受注できないことが決定したこと、そこで、そのころ、原告の東京営業所長である斉藤茂は、光映技術の代表者である渡辺光に対し、右五〇〇万円を返金するよう申し入れたところ、渡辺は、これに応じる旨答えたが、資金繰りの都合から右金員を返還することができなかったことが認められ、右事実を総合すれば、右三五〇万円の工事未払金は、いずれも架空のものと認めるのが相当である。

(二)  そうすると、原告が、本件各事業年度において、損金として計上した別紙(一)「外注加工費明細」<1>ないし<12>記載の外注費はいずれも架空のものであるから、原告の所得金額に、昭和五〇年三月期は九五五万円(同別紙<1><2><4><6><8>)、昭和五一年三月期は三五七〇万八六〇〇円(同別紙<3><5><7><9><10><11><12>)が「外注費の架空計上額」として加算されるべきこととなる(別紙1「所得金額の内訳表」<6>の一部、前記争いのない部分を合算すると<6>の額になる。)。

4  報酬、あっせん料について

(一)  野口に対する支払い

(1) 前記争いのない事実、証拠(乙一七、四三、四八)並びに弁論の全趣旨によれば、以下の事実が認められる。

<1> 暁建設は、橋梁工事の施工を主体とする建設会社であったが、昭和四五年七月ころ、原告が資本参加して実質的に経営権を取得し、同社を支配下においた。同年九月からは原告代表者が暁建設の代表者に就任し、従前の代表者であった野口は、会長に退き、同社から毎月一定額の報酬を受けていた。

原告は、管工事の施工を主体としていたが、昭和四七年ころからは橋梁工事も受注するようになった。

<2> 原告は、野口に対し、別紙(二)「報酬、あっせん料明細」<1>ないし<3>記載の金員を各支払年月日に支払った。これらはいずれも盆暮れの時期に支払われている。

<3> 右金員はいずれも簿外資金から支払われており、同別紙<1><2>の金員については簿外金銭出納帳の摘要欄に「金一封」と記載されている。

(2) 原告は、右金員は、原告が野口から橋梁工事についての指導を受けたことに対する指導料として支払ったものであると主張するが、右指導及びこれに対する報酬契約の存在を的確に認めるに足りる証拠はないうえ、右認定の事実を総合考慮すれば、右金員は、野口に対する儀礼的な贈答のために支出されたもので、交際費に当たると認めるのが相当である。

そうすると、原告は、右金員を交際費として計上していないから、原告の所得金額から、昭和五〇年三月期は五万円、昭和五一年三月期は一五万円が、「簿外費用の認容額」としてそれぞれ減算されるべきこととなる(別紙1「所得金額の内訳表」<23>の一部)。

(二)  光映技術に対する支払い

原告が、別紙(二)「報酬、あっせん料明細」<4><5>記載の金員を光映技術に支払った経緯は、前記3(二)<11>で認定したとおりであり、原告は、光映技術に対し、右金員の返還を請求することが可能であると認めるのが相当である。

したがって、右金員については、本件各事業年度の損金に算入できない。

5  工事完成原価(暁建設分)について

前記争いのない事実、証拠(甲一七、乙三、八、一〇、一四、三〇、四八ないし五三)並びに弁論の全趣旨によれば、以下の事実が認められる。

(一)  暁建設は、官公庁工事に受注実績のある橋梁専門の建設会社であったが、昭和四五年七月ころ、原告が資本参加し、同年九月からは原告代表者がその代表者に就任した。その後、暁建設は、社員がほとんどいなくなり、自己名義で官公庁からの工事を受注し、原告に発注する形を取って、原告が工事を施工するようになった。

また、暁建設が保有していた機械等は、原告の機械等と共に一括して保管されるようになった。

(二)  原告代表者は、経理担当者の高田利一に指示して、原告の利益を暁建設に付け替える経理処理をするよう指示して、昭和五〇年七月三一日に、別紙「各工事間の付け替え状況」番号1ないし6記載のとおり、他の下請業者に発注した各工事について、実際の工事原価合計二億一九七四万七二三九円に六六五万二七六一円を水増しした二億二六四〇万円で、さらに、昭和五一年三月三一日にも、同別紙番号4ないし15のとおり、他の下請業者に発注した各工事について、実際の工事原価合計四億三九〇六万九四五九円に一六〇三万〇五四一円を水増しした四億五五一〇万円で、それぞれ暁建設に発注したかのように帳簿上の処理をさせた。高田は、右のような処理に反対したが、原告代表者は右意見を受け入れなかった。

(三)  原告は、暁建設に計上した右架空の完成工事原価合計六億八一五〇万円を、暁建設に対する未払金として帳簿に計上し、これに符号させるために虚偽の工事契約書を作成した。右未払金は、翌事業年度に、原告が暁建設に対する貸付金等と相殺処理することにより、現実に暁建設に現金等を支払うことなく帳簿上から消去された。

右認定の事実によれば、原告は、昭和五一年三月期において、右二二六八万三三〇二円を完成工事原価として架空に計上したものというべきであるから、右金員は、「完成工事原価の架空計上額」として、同期の所得金額に加算されるべきこととなる(別紙1「所得金額の内訳表」<3>)。

6  完成工事原価(会議費等分)、一般管理費について

(一)  完成工事原価(会議費等分)

前記争いのない事実、証拠(乙一七、一八、五四〔枝番を含む。〕)並びに弁論の全趣旨によれば、以下の事実が認められる。

(1) 原告は、主として実在しない外注先名を使用して架空外注費を計上する方法で簿外資金を捻出し、右簿外資金の大部分を「簿外金銭出納帳」二冊で管理していた。

(二)  原告は、本件各事業年度において、次のとおり、別紙(三)「完成工事原価明細」記載の各金員を右簿外資金から支出した。

<1> 同別紙(1)雑費<1>

原告は、昭和四九年一二月二六日に、原告の元請先である日本鋼管工事株式会社(以下「日本鋼管工事」という。)の従業員の石井ら一四名に対し、礼金として四五万円を支払った。

<2> 同別紙(1)雑費<2>

原告は、昭和四九年一二月二八日に、日本鋼管工事の従業員の長塚に対し三〇万円、田中に対し一〇万円の合計四〇万円を礼金として支払った。

<3> 同別紙(1)雑費<3>

原告は、昭和五〇年三月二九日に、原告の元請先である吉村建設工業の従業員の桝本に対し、謝礼として三〇万円を支払った。

<4> 同別紙(1)雑費<4>

原告は、昭和五〇年八月一三日に、日本鋼管工事の従業員の長塚ら九名に対し、合計一二五万円を礼金として支払った。

<5> 同別紙(1)雑費<5>

原告は、昭和五〇年一二月二二日に、日本鋼管工事の従業員の長塚らに対し、合計二〇八万円を礼金として支払った。

<6> 同別紙(2)会議費<1>、<3>、<6>、<8>、<17>、<19>、<26>及び<28>(「藤川支払分」)

原告は、得意先従業員等、事業に関係のある者を旅館「藤川」においてマージャンなどで接待、きょう応し、その費用として、昭和四九年八月五日に五万一四四〇円(<1>)、同月一六日に二〇万一二五五円(<3>)、同年一二月二六日に四万三〇〇〇円(<6>)、昭和五〇年二月八日に六万三七〇〇円(<8>)、同年五月二三日に一九万四六〇〇円(<17>)、同年七月一日に六万二〇〇〇円(<19>)、同年一一月一一日に七万二〇〇〇円(<26>)及び同年一二月二二日に二三万三五〇〇円(<28>)を各支払った。

<7> 同別紙(2)会議費<2>(「大江戸支払分」)

原告は、昭和四九年八月五日に、日本鋼管工事及び大阪ガスの従業員を飲食店「大江戸」において接待、供応した際のチップ(五〇〇〇円)及びタクシー代(一万六〇〇〇円)として二万一〇〇〇円を支払った。

<8> 同別紙(2)会議費<4>(「飲食サウナ代分」)

原告は、昭和四九年一一月一三日に、原告従業員と日本鋼管工事の従業員らを飲食やサウナで接待し、その費用として、二万〇五〇〇円を支出した。

<9> 同別紙(2)会議費<5>、<7>、<11>、<14>、<16>、<21>、<22>、<24>、<27>及び<30>(「大まさ支払分」)

原告は、得意先従業員等、事業に関係のある者を飲食店「大まさ」において弁当、ビール等で接待、きょう応し、その費用として、昭和四九年一一月一三日に一一万〇一一七円(<5>)、同年一二月二六日に二万四一三五円(<7>)、昭和五〇年三月二二日に一一万七四三八円(<11>)、同年四月二八日に二万一一七五円(<14>)、同年五月二三日に三万八二五〇円(<16>)、同年七月一日に一四万八八四一円(<21>)、同年八月一三日に三万五二九〇円(<22>)、同年一〇月一五日に六万三三七六円(<24>)、同年一一月一一日に二万六四三八円(<27>)及び昭和五一年三月一六日に五万六一一〇円(<30>)を各支払った。

<10> 同別紙(2)会議費、<9>、<10>、<15>、<20>及び<23>(「かねよ」支払分)

原告は、得意先従業員等、事業に関係のある者を飲食店「かねよ」から仕出し弁当、ビール等を取るなどして接待、供応し、その費用として、昭和五〇年二月八日に二万七四九〇円(<9>)、同年三月二二日に五万八二九五円(<10>)、同年五月二三日に四万六一三〇円(<15>)、同年七月一日に二万二四〇〇円(<20>)及び同年八月一三日に六万七二三九円(<23>)を各支払った。

<11> 同別紙(2)会議費<12>(「窪田観光等支払分」)

原告は、昭和五〇年四月八日に、得意先の仁木工務店の従業員をスナック「キャラバン」等において接待、きょう応し、七万八六〇〇円を支払った。

<12> 同別紙(2)会議費<13>(「たかせ川支払分」)

原告は、昭和五〇年四月二六日に、得意先従業員を飲食店「たかせ川」から弁当等を取るなどして接待、きょう応し、七万一六九二円を支払った。

<13> 同別紙(2)会議費<18>(「寿し菊等支払分」)

原告は、昭和五〇年六月二六日に、下請業者の従業員らを飲食店「寿し菊」から出前を取るなどして接待、供応し、一万六三〇〇円を支払った。

<14> 同別紙(2)会議費<25>(「ドル等支払分」)

原告は、昭和五〇年一〇月二三日に、得意先従業員等、事業に関係のある者を料亭「いづう」及びスナック「ドル」において接待、きょう応し、二万九二八〇円を支払った。

<15> 同別紙(2)会議費<29>(「遠州支払分」)

原告は、昭和五一年一月二四日に、得意先従業員等、事業に関係のある者を鰻屋「遠州」から弁当を取るなどして接待、きょう応し、一万六七〇〇円を支払った。

(3) 原告は、同別紙(1)雑費<1>ないし<5>の支払いは日本鋼管工事及び吉村建設工業の従業員の労務提供に対する報酬であると主張するが、右各支払いに対応する労務提供及び報酬契約の存在を認めるに足りる的確な証拠はないうえ、右に認定したとおり、支払の相手方が原告の元請先の従業員であることの他に、その金額及び支払時期を総合すれば、これらはいずれも取引先関係者に対する贈答のために支出されたもので、交際費に当たると認めるのが相当である。

また、原告は、同別紙(2)の会議費<1>ないし<30>の支払いは、会合のために支出された会議費であると主張するが、右各支払に対応する実体を備えた会合が開催されたことを認めるに足りる的確な証拠はないうえ、右認定の事実を総合考慮すれば、これらはいずれも取引関係者を接待、供応するために支出されたもので、交際費に当たると認めるのが相当である。

(二)  一般管理費

前記争いのない事実、証拠(乙一七、一八、五四〔枝番を含む。〕、六六)並びに弁論の全趣旨によれば、以下の事実が認められる。

(1) 原告は、本件各事業年度において、次のとおり、別紙(四)「一般管理費明細」記載の各金員を簿外資金から支出した。

<1> 同別紙(1)福利厚生費<1>ないし<9>(「創立記念費用分」)

原告は、昭和五〇年七月ころ、創立一〇周年記念祝賀会を行い、取引先の招待客一〇六名及び原告の従業員約五二名がこれに参加した。原告は、式典用のリボン代金(<1>)、式典の受付係費用(<2>)、パーティーのアトラクション費用(<3>)、式典の花束贈呈式の際の従業員の貸衣裳代等(<4><5>)、二次会の飲食代金(<6>)、パーティーの余興の貸衣裳代(<7>)、記念品代金(<8>)、式典・パーティーの控室の室料(<9>)として、一二五万二四二〇円を支払った。

<2> 同別紙(1)福利厚生費<10>(「就任祝賀費用分」)

原告は、昭和五〇年七月三日に、東京営業所長の歓迎会をスナック「くらびくら」「キャラバン」等で開催し、一四万九八四〇円を支払った。

<3> 同別紙(1)福利厚生費<11>(「会食費用分」)

原告は、昭和五〇年七月九日、記念ボーリング大会の後に、得意先従業員等、事業に関係のある者をスナック「キャラバン」及び「ゴーストップ」において接待、きょう応し、五万一〇〇〇円を支払った。

<4> 同別紙(2)旅費交通費(「光代タクシー代分」)

原告は、昭和五〇年九月三〇日に、得意先従業員を祇園のクラブ「光代」で接待した際の送迎用のタクシー代として、一万六〇〇〇円を支払った。

<5> 同別紙(3)諸会費<1>ないし<4>(「伊豆旅費分」「城崎旅費分」「海外旅費分」「沖縄旅費分」)

原告は、同業者の集まりである建設業協会の行事への参加費用として、昭和四九年一〇月二五日に二〇万円(目的地・伊豆)、昭和五〇年二月二六日に二〇万円(目的地・城崎)及び同年七月一八日に一〇万円(目的地・沖縄海洋博)を支払った。また、建設業協会の内部で結成された団体である十日会の行事への参加費用として、同年四月五日に一六万九〇〇〇円(目的地・マニラ、香港)を支払った。

(2) 原告は、同別紙(1)福利厚生費<1>ないし<11>は、専ら従業員等の慰安を目的として行った創立一〇周年行事及び就任祝賀のために要した費用であり、福利厚生費に当たると主張する。

「交際費等」(租税特別措置法六二条三項)とは、交際費、接待費、機密費その他の費用で、法人が、その得意先、仕入先その他事業に関係のある者等に対する接待、きょう応、慰安、贈答その他これらに類する行為のために支出されるものをいうから、会社の創立記念行事に要した費用は、交際費等に含まれるというべきである。

しかし、専ら従業員のために行われる諸活動に通常要する費用は、福利厚生費に該当し、右交際費等の範囲から除かれるところ、福利厚生費として交際費等から除外されるためには、当該行事が法人が費用を負担して行う福利厚生事業として社会通念上一般的に行われていると認められるものであることを要すると解するのが相当であり、その判断に当たっては、行事の規模、開催場所、参加者の構成及び一人あたりの費用額、飲食の内容等を総合して判断すべきである。

前記認定の事実によれば、創立記念祝賀会の参加者に占める原告の従業員の割合は半分以下(約三三パーセント)であり、支出費用も高額であるから、専ら原告従業員等の慰安を目的とするものであったとは認められないし、また、法人が費用を負担して行う福利厚生事業として社会通念上一般的に行われていると認められる行事の程度を超えているものといわざるを得ない。したがって、右各支出(<1>ないし<9>及び<11>)は、従業員の福利厚生費ではなく、交際費等に当たると認めるのが相当である。

また、就任祝賀費用(<10>)については、特定の従業員が夜間にスナック等で飲食するために要した費用であり、その費用も高額であるから、右支出も従業員の福利厚生費ではなく、交際費等に当たると認めるのが相当である。

(3) 次に、原告は、同別紙(2)旅費交通費は交通費に当たると主張するが、前記認定の事実によれば、右費用は、得意先従業員をクラブで接待した際の送迎用のタクシー代であるから、これが交際費に当たることは明らかである。

(4) さらに、原告は、同別紙(3)諸会費<1>ないし<4>の支払いは同業者団体等の通常会費であると主張するが、前記認定の各旅行先等に照らせば、右支出は右団体の通常の業務運営に要する会費ではなく、同業者との慰安、懇親のためのものであると認められるから、交際費に当たるというべきである。

(三)  以上のとおり、別紙(三)「完成工事原価明細」及び別紙(四)「一般管理費明細」記載の各支出はいずれも交際費等に該当するところ、原告は、昭和五〇年三月期において合計二二八万八三七〇円を、昭和五一年三月期において合計六三六万八一八一円を交際費として計上していないこととなり、右金員が「簿外費用の認容額」として原告の本件各事業年度の所得金額から減算されるべきこととなる(別紙1「所得金額の内訳表」<23>の一部)。

7  消耗品について

(一)  前記争いのない事実、証拠(甲二〇、二一、二三ないし二七、乙四四、四九、五五ないし六二〔枝番を含む。〕、七〇、七一)並びに弁論の全趣旨によれば、以下の事実が認められる。

(1) アースオーガーは、堀進機構にオーガースクリューを取り付け、オーガースクリューの先にオーガーヘッドを装着し、動力源からの回転力をオーガースクリューを経てオーガーヘッドに伝達し、右オーガーヘッドが回転することによって地盤に穴を堀り、その土砂などをオーガースクリューの回転に伴って地表へ搬出する機械装置である。

右アースオーガーは、「減価償却資産の耐用年数に関する省令」(昭和四〇年三月三一日、大蔵省令第一五号。昭和五二年大蔵省令第九号による改正前のもの。)の別表第二の「建設業」番号三三五「その他の建設工業設備」の「その他の設備」に該当し、耐用年数は七年である。

(2) 《1》オーガースクリュー(別紙(五)「消耗品明細」(1)<1><2><9><12><13>、(2)<1>、(3)<1>)は先端にヘッドツメを装着したらせん状の機具、《2》ヘッドツメ(同別紙(1)<4><8>)は先端に超硬チップを結合した刃先となる機具、《3》オーガーヘッド(同別紙(1)<10>、(2)<2>、(3)<2><3><4>)はヘッドツメを固定する部品、《4》ハイテンションボルト(同別紙(1)<5>)は堀進機構・オーガスクリュー間、オーガスクリュー相互間、オーガスクリュー・オーガーヘッド間を連結させる機具、《5》スクリューパッキン(同別紙(1)<6>)は結合部分から漏水しないようにするための機具、《6》ヘッド弁(同別紙(1)<7>)はオーガーヘッドの中に設置される水等の逆流を阻止するゴム製の弁、《7》継手ピン(同別紙(1)<11>)はスクリュー相互間を連結する機具である。

アースオーガーは、右各部品を全て取り付けなければ堀進工事を行うことはできない。

オーガースクリュー、ヘッドツメ、オーガーヘッド及び継手ピンは、岩質によっては磨耗することもあるが、一般の土を掘る際には磨耗しない。掘る穴の大きさにより、大きさの異なるオーガースクリュー、オーガーヘッドが使用される。

ハイテンションボルト、スクリューパッキン、ヘッド弁は消耗が激しく、標準的な使用方法において、ハイテンションボルトは一五本、スクリューパッキンは五枚、ヘッド弁は一本必要である。

(3) 昭和四九年四月のアースオーガーK-八〇H購入

<1> 原告は、昭和四九年三月二七日、株式会社トーメンを介して、三和機材から、アースオーガーK-八〇H及びその付属品(別紙(五)「消耗品明細」(1)<1>ないし<8>、<12>を含む。)を、三六五〇万円で購入した。

また、原告は、三和機材から昭和四六年一一月に購入したホリゾンガーの性能が悪かったことを理由に、右アースオーガーを購入するに際して、同社から、ホリゾンガー用の部品(同<9>ないし<11>、<13>、時価二三一万円相当)を無償で納品させた。

<2> 原告代表者は、昭和四九年四月末ころ、トーメンの社員に依頼して、右アースオーガー本体の代金一三四〇万円と付属部品の代金二三一〇万円とに分けた請求書を発行させ、虚偽の内容の納品書等を自ら作成して、アースオーガー本体のみを一三四〇万円で取得したかのように経理してこれを減価償却資産とし、実際の購入価格との差額二三一〇万円のうち、一九二〇万円を消耗品として機具経費に計上し、残三九〇万円を修繕費として計上して、いずれも昭和五〇年三月期の損金に算入した。

(4) 昭和五〇年二月のアースオーガーD一二〇H等購入

<1> 原告は、昭和五〇年二月二〇日、トーメンを介して、三和機材から、アースオーガーD一二〇H型、リーダー及びその付属品(同別紙(2)<1><2>を含む。)を二八〇〇万円、P&H八〇P型杭打機を三二〇〇万円、合計六〇〇〇万円で購入した。

<2> 原告代表者は、三和機材の社員に依頼して、アースオーガー本体、堀進機構、ポンプミキサー、配電盤以外の物品を納品書に計上せず、消耗の激しい部品を多く記載させた虚偽の納品書をトーメンに対して発行させた。さらに、トーメンの社員に依頼して、三和機材からの右虚偽の納品書に基づいて、アースオーガーと部品の明細を記入した納品書と請求書を作成させた。

原告は、アースオーガー本体のみを四〇〇〇万円で取得したかのように経理してこれを減価償却資産とし、実際の購入価格との差額二〇〇〇万円のうち、一〇〇〇万円を消耗品として機具経費に計上し、残額一〇〇〇万円を工具(耐用年数二年)と偽って減価償却費に計上して、いずれも昭和五〇年三月期の損金に算入した。

(5) 昭和五〇年九月のアースオーガーSMD-八〇H購入

<1> 原告は、昭和五〇年九月三〇日、トーメン及び東京産業株式会社を介して、三和機材から、アースオーガーSMD-八〇H及びその付属品(同別紙(3)<1>ないし<4>を含む。)を一二三〇万円(後に値引きされて一二〇〇万円)で購入した。

<2> 原告は、三和機材の社員に依頼して、実際に納品した部品を、消耗の激しい部品に変更した虚偽の納品書を作成させた。

原告は、アースオーガー本体のみを四〇〇万円で取得したかのように処理してこれを減価償却資産として、実際の購入価格との差額八〇〇万円を消耗品として機具経費に計上して、昭和五一年三月期の損金に算入した。

(二)  右認定の事実を総合すれば、同別紙記載の部品(昭和四九年四月購入分の<9>ないし<11>、<13>と後記消耗品と認定したものを除く。)は、アースオーガー本体と一体となっており、経理上も一体で処理すべきであるから、減価償却資産のうちの工具に該当すると認めるのが相当である。

しかし、ハイテンションボルト(同別紙(1)<5>)、スクリューパッキン(同別紙(1)<6>)、ヘッド弁(同別紙(1)<7>)は、消耗が激しいものであるうえ、その価格も安いから、アースオーガー本体に通常装着される数量以上に購入された、ハイテンションボルト五本(七五〇〇円)、スクリューパッキン五枚(一五〇〇円)、ヘッド弁六九本(六九〇〇円)は、いずれも消耗品と認めるべきである。なお、前掲各証拠によれば、ヘッドツメ(同別紙(1)<4><8>)についても、ある程度消耗が激しいものと認められるが、その単価が比較的高額であることからすれば、これを消耗品と認めるのは相当ではなく、アースオーガー本体と一体として処理すべきである。

なお、原告は、同別紙記載の部品のうち、昭和五〇年三月末及び昭和五一年三月末までに既に破損して除却されたものについては、除却損を計上するべきと主張するが、証拠(甲二二)によっても、右除却の事実を認めるに足りないし、他にこれを認めるに足りる証拠はない。

(三)  そうすると、原告は、昭和五〇年三月期において、右説示の消耗品一万五九〇〇円を損金に算入し、これらを除いたアースオーガー本体の合計代金九六四八万四一〇〇円につき、法定の耐用年数七年を適用して減価償却すべきであったにも関わらず、アースオーガー本体の代金を五三四〇万円とし、二九二〇万円を消耗品として損金に算入し、一〇〇〇万円を工具として二年の耐用年数を適用して減価償却を行い、機具経費を架空に計上したことになるから、三二一三万七四三四円が「機具経費の架空計上額」として所得金額に加算されるべきである(修繕費の架空計上額三九〇万円については争いがない。)。

また、原告は、昭和五一年三月期において、アースオーガー代金一二〇〇万円のうち、八〇〇万円を消耗品として損金に算入して、機具経費を架空に計上したことになるから、八〇〇万円が「機具経費の架空計上額」として所得金額に加算されるべきである(別紙1「所得金額の内訳表」<7>)。

さらに、原告は前説示のとおりホリゾンガー用各部品(別紙(五)「消耗品明細」(1)<9>ないし<11>及び<13>)を無償で取得しているから、その時価相当額である合計二三一万円を受贈益として昭和五〇年三月期の益金に算入すべきである。

8  交際費の損金不算入額について

前記4(一)、6で認定した事実に弁論の全趣旨を合わせれば、原告は、確定申告にかかる交際費の他に、簿外資金から、昭和五〇年三月期は一三〇六万二二四三円、昭和五一年三月期は二四九四万七八〇四円の交際費を支出していると認められるので、これを加算した合計額を基準にして、本件各事業年度にかかる交際費の損金不算入額を算出すると次のようになるから、これを加算すべきである(別紙1「所得金額の内訳表」<15>)。

(一)  昭和五〇年三月期

申告交際費額 五五一万三八九九円

認定額 一三〇六万二二四三円

合計 一八五七万六一四二円

うち損金不算入額 一三二〇万四七九七円

(二)  昭和五一年三月期

申告交際費額 五一一万〇六二〇円

認定額 二四九四万七八〇四円

合計 三〇〇五万八四二四円

うち損金不算入額 二一六五万一六八一円

9  昭和五〇年三月期の寄附金の損金算入限度超過額(同<16>欄)について

三一七万九五五二円

原告が、昭和五〇年三月期に五〇八万円を寄附金として支出したことは当事者間に争いがないところ、右7記載のような処理による所得金額の変動(増加)に伴い、寄附金の損金算入限度額を計算すると三一七万九五五二円となる。

10  昭和五一年三月期の未納事業税の認容額(同<26>欄)について

一五四七万三二八〇円

なお、昭和五〇年三月期の所得金額を右のとおり認定すると、計算上は昭和五一年三月期における未納事業税額が増加することになる。

しかし、右計算における未納事業税額の増加は、被告が訴訟においてその存在を主張している前記所得金額の計算上の増加によるものに過ぎず、当該主張に基づき現実に更正が行われた、あるいは今後行われるわけではないから、これによる納税の必要が生じることもない。

したがって、本件処分における右認容額を超えて損金算入を認める必要はない。

11  そうすると、本件各事業年度の所得金額は以下のとおりとなる。

(一)  昭和五〇年三月期

原告の申告所得金額一七八三万一七五〇円に、次の(1)の<1>ないし<9>の各項目の合計額一億七七六六万四三五七円を加算し、同(2)の<1>ないし<3>の各項目の合計四六三九万一五八八円を減算した、一億四九一〇万四五一九円となる。

(1) 加算項目

<1> 外注費の架空計上額 一億〇三六三万九六五〇円

<2> 機具経費の架空計上額 三二一三万七四三四円

<3> 修繕費の架空計上額 三九〇万〇〇〇〇円

<4> 受取利息の除外額 四万二九二四円

<5> 賃貸収入の除外額 一〇〇万〇〇〇〇円

<6> 雑損失の過大計上額 一八二五万〇〇〇〇円

<7> 交際費の損金不算入額 一三二〇万四七九七円

<8> 寄附金の損金算入限度超過額 三一七万九五五二円

<9> 受贈益 二三一万〇〇〇〇円

(2) 減算項目

<1> 簿外外注費の認容額 九〇万〇〇〇〇円

<2> 簿外費用の認容額 四五四三万一五八八円

<3> 事業税の認容額 六万〇〇〇〇円

(二)  昭和五一年三月期

原告の所得金額は、申告所得金額八四八二万五七〇八円に、次の(1)の<1>ないし<15>の各項目の合計額四億一〇四三万七九一六円を加算し、同(2)の<1>ないし<8>の各項目の合計額三億五五二八万二二八〇円を減算した、一億三九九八万一三四四円となる。

(1) 加算項目

<1> 完成工事収入の除外額 二六四〇万〇〇〇〇円

<2> 完成工事原価の架空計上額 二二六八万三三〇二円

<3> 完成工事原価の架空計上額 二億一五三三万二八二五円

<4> 未成工事支出金の除外額 三五〇万〇〇〇〇円

<5> 外注費の架空計上額 九八五五万八六〇〇円

<6> 機具経費の架空計上額 八〇〇万〇〇〇〇円

<7> 減価償却費の架空計上額 一八三万一三八七円

<8> 受取利息の除外額 四五万四九八六円

<9> 賃貸収入の除外額 四〇〇万〇〇〇〇円

<10> 固定資産売却益の除外額 一八五万〇〇〇〇円

<11> 雑損失の過大計上額 三六六万〇〇〇〇円

<12> 雑収入の除外額 七四万九二五〇円

<13> 交際費の損金不算入額 二一六五万一六八一円

<14> 寄附金の損金算入限度超過額 五四万三二二五円

<15> 貸倒引当金の繰入限度超過額 一二二万二六六〇円

(2) 減算項目

<1> 完成工事の架空計上額 二〇〇〇万〇〇〇〇円

<2> 完成工事の架空計上額 二億〇九六四万六〇〇〇円

<3> 完成工事原価の認容額 二五四五万四三一一円

<4> 簿外外注費の認容額 二一二二万三八四〇円

<5> 簿外費用の認容額 五五二五万八四九七円

<6> 雑収入の減算額 三一一万六三五一円

<7> 減価償却費の認容額 五一一万〇〇〇一円

<8> 未納事業税の認容額 一五四七万三二八〇円

三  以上のとおり、本件各更正(ただし、裁決による一部取消後のもの)は、いずれも右認定にかかる所得金額を上回らないから、適法である。

四  次に、本件各賦課決定について判断するに、昭和五一年三月期の決定については、右二に認定した事実に照らせば、その前提である本件更正に所得を過大に認定した違法はなく、また、原告は、本件各事業年度の法人税の課税標準の計算の基礎となるべき事実の全部や一部を隠ぺいまたは仮装し、これに基づいて納税申告書を提出したと認められるから、同決定は適法である。

また、昭和五〇年三月期についても、同様の事実の隠ぺい又は仮装が認められるところ、同決定額(ただし、裁決による一部取消し後のもの)は、右二7の認定に基づき計算した重加算税一三二七万九五〇〇円、過少申告加算税四万六〇〇〇円の合計額を上回らないから、適法である。

五  よって、原告の本訴請求はいずれも理由がないからこれを棄却することとし、訴訟費用の負担について行政事件訴訟法七条、民事訴訟法六一条を適用して、主文のとおり判決する。

(口頭弁論終結の日 平成一一年三月二四日)

(裁判長裁判官 大谷正治 裁判官 山本和人 裁判官 平井三貴子)

別紙

各工事間の付け替え状況

<省略>

別紙

課税の経緯

<省略>

別紙1

所得金額の内訳

<省略>

別紙(一)

外注加工費明細

<省略>

別紙(二)

報酬、あっせん料明細

<省略>

別紙(三)

完成工事原価明細(No.1)

<省略>

別紙(三)

完成工事原価明細(No.2)

<省略>

別紙(四)

一般管理費明細

<省略>

別紙(五)

消耗品明細(No.1)

(1) 昭和49年4月購入

<省略>

(2) 昭和50年2月購入

<省略>

別紙(五)

消耗品明細(No.2)

(3) 昭和50年9月購入

<省略>

(別紙)

《完成工事高から除外した手形の明細》

<省略>

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