大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

京都地方裁判所 平成5年(ワ)1383号 判決

京都市〈以下省略〉

原告

X1

同右

X2

右両名訴訟代理人弁護士

村井豊明

河田佳代子

東京都中央区〈以下省略〉

被告

岡三証券株式会社

右代表者代表取締役

右訴訟代理人弁護士

大江忠

大山政之

京都市〈以下省略〉

被告補助参加人

右訴訟代理人弁護士

柴田定治

主文

一  原告らの主位的請求をいずれも棄却する。

二  被告は、原告X1に対し金一九万二三八〇円及び内金五万二五六〇円につき平成五年七月六日から、内金一三万〇七六〇円につき平成六年六月二八日から、内金九〇六〇円につき平成七年九月一五日から各支払済みまで年六分の割合による金員をそれぞれ支払え。

三  被告は、原告X2に対し金二三万四四二〇円及び内金五万二五六〇円につき平成五年七月六日から、内金一万七八二〇円につき同年九月二二日から、内金一六万四〇四〇円につき平成六年三月二三日から各支払済みまで年六分の割合による金員をそれぞれ支払え。

四  原告らのその余の請求をいずれも棄却する。

五  訴訟費用はこれを一〇分し、その九を原告らの負担とし、その余を被告及び被告補助参加人の負担とする。

事実及び理由

第一原告らの請求

一  主位的請求(契約履行等請求)

1  被告は、原告X1(以下「原告X1」という。)に対し、金四〇九万六七八九円及び内金一〇一万二七七〇円につき平成三年七月二九日から支払済みまで年六分八厘の割合による金員を、内金五三万六二九〇円につき平成五年七月六日から、内金八万六二五二円につき平成六年三月三一日から、内金一四〇万四七八〇円につき同年六月二八日から、内金五五万六六九七円につき平成七年九月一五日から、内金五〇万円につき平成五年六月一六日(訴状送達の日の翌日)から各支払済みまで年六分の割合による金員をそれぞれ支払え。

2  被告は、原告X2(以下「原告X2」という。)に対し、金二七八万二二一七円及び内金五三万六二九〇円につき平成五年七月六日から、内金一七万〇八一一円につき同年九月二二日から、内金一六四万〇一一二円につき平成六年三月二三日から、内金一三万五〇〇四円につき同年三月三一日から、内金三〇万円につき平成五年六月一六日(訴状送達の日の翌日)から各支払済みまで年六分の割合による金員を支払え。

二  予備的請求1(債務不履行に基づく損害賠償請求)

1  被告は、原告X1に対し、金三八七万八九四五円及び内金一〇一万二七七〇円につき平成三年七月二九日から、内金五〇万四一一五円につき平成五年七月六日から、内金四万九〇九九円につき平成六年三月三一日から、内金一三一万六四二九円につき同年六月二八日から、内金四九万六五三二円につき平成七年九月一五日から、内金五〇万円につき平成五年六月一六日(訴状送達の日の翌日)から各支払済みまで年六分の割合による金員を支払え。

2  被告は、原告X2に対し、金二五八万四七〇五円及び内金五〇万四一一五円につき平成五年七月六日から、内金一六万〇〇八六円につき同年九月二二日から、内金一五四万三六五二円につき平成六年三月二三日から、内金七万六八五二円につき同年三月三一日から、内金三〇万円につき平成五年六月一六日(訴状送達の日の翌日)から各支払済みまで年六分の割合による金員を支払え。

三  予備的請求2(不法行為に基づく損害賠償請求)

1  被告は、原告X1に対し、金三六〇万六六四〇円及び内金一〇一万二七七〇円につき平成三年七月二九日から、内金四六万三八九五円につき平成五年七月六日から、内金二六五八円につき平成六年三月三一日から、内金一二〇万五九九〇円につき同年六月二八日から、内金四二万一三二七円につき平成七年九月一五日から、内金五〇万円につき平成五年六月一六日(訴状送達の日の翌日)から各支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。

2  被告は、原告X2に対し、金二三四万〇三一五円及び内金四六万三八九五円につき平成五年七月六日から、内金一四万九一八二円につき同年九月二二日から、内金一四二万三〇七六円につき平成六年三月二三日から、内金四一六二円につき同年三月三一日から、内金三〇万円につき平成五年六月一六日(訴状送達の日の翌日)から各支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。

第二事案の概要

本件は、原告らが被告の投資信託に投資した際、①被告が元本及び少なくとも年六分八厘の利回りを保証する旨約したとして、その約定の履行を(主位的請求)、②被告の従業員であった補助参加人が違法な勧誘を行って原告らに損害を与えたとして、債務不履行ないし不法行為に基づき、その損害の賠償を(予備的請求)それぞれ求めた事案である。

一  争いのない事実等(「ユニット9009」につき、償還日及びその額は弁論の全趣旨によって認めることができ、その余は争いがない。)

1  当事者等

被告は、株式会社である。

補助参加人は、被告の従業員で、本件各取引の担当者であった。

原告X2は、原告X1の各取引につき、原告X1の代理人として行動した。

2  本件各取引

原告X1は、別紙「X1名義」記載の六口の投資信託について、それぞれ「①購入年月日」欄記載の日に「③購入金額」欄記載の金額を投資し、それぞれ「②償還年月日」欄記載の日に「④償還金額」欄記載の金額を受け取った(ただし、「ヨーロピアンジャンボ2」については未償還である。)。

また、原告X2は、別紙「X2名義」記載の四口の投資信託について、それぞれ「①購入年月日」欄記載の日に「③購入金額」欄記載の金額を投資し、それぞれ「②償還年月日」欄記載の日に「④償還金額」欄記載の金額を受け取った。

3  受益証券の不交付

被告は、原告らに対し、受益証券説明書を交付せずに投資信託を販売した。

二  争点

1  契約-本件各取引について、被告が元本及び少なくとも年六分八厘の利回りを保証したか(主位的請求関係)

(被告の主張)

なお、仮に、被告が右保証をしたとしても、これは、「損失保証契約」ないし「損失補填契約」に該当し、公序良俗に反し無効である。

2  被告の責任-補助参加人が違法な勧誘、取引を行ったか(予備的請求1、2関係)

(原告らの主張)

(一) 断定的判断の提供

補助参加人は、断定的判断の提供をしてはいけない義務があったのに、元本及び少なくとも年六分八厘の利回りが保証されており、銀行金利よりも利回りが良い旨の断定的判断を示した。

(二) 虚偽表示または誤解を生ぜしめるべき表示

補助参加人は、虚偽表示または誤解を生ぜしめるべき表示をしてはならない義務があったのに、投資の対象が投資信託であること、その危険性や最終利回りの説明をせずに、高利回りが保証されている旨記載したチラシを作成して、原告らに交付した。

(三) 受益証券説明書の不交付

補助参加人は、受益証券説明書を交付する義務があったのに、これをしなかった。

(四) 被告側の無過失について

原告らは、本件各取引以前にも投資信託に投資したが、その償還金を受け取ることはなく、補助参加人の勧誘に従って、別の投資信託に次々と投資しており、それらが投資信託であること(元本及び利回りが保証されていないこと)を知らなかった。

(被告の主張)

(一) 断定的判断の提供について

補助参加人は、原告らが投資信託に投資する毎に、その投資信託の内容(元本が保証されていないことなど)を記載したパンフレットを交付して説明しており(また、パンフレットは店頭に置いてあり、原告らは、自由に見ることができた。)、断定的判断を示したことはない。

(二) 虚偽表示または誤解を生ぜしめるべき表示について

チラシには虚偽表示または誤解を生ぜしめるべき表示はなかった。

(三) 受益証券説明書の不交付について

本件各取引が行われた当時は、受益証券説明書を交付する義務はなかった。

(四) 被告側の無過失

原告らは、本件各取引以前にも投資信託に投資しているところ、原告らが投資した投資信託のなかには、原告らが予想していた利回りを下回って償還されたものもあった。しかし、原告らは、それを知りながら、その後も投資信託に投資した。したがって、原告らは、投資信託の元本及び利回りが保証されていないことを知っていた。

(五) 公序良俗違反

なお、原告らの主張は、「損失保証契約」ないし「損失補填契約」に該当し、これは、公序良俗に反し無効であり、このような約束に基づいて行った取引による損害を不法行為等と捉えて損害賠償を請求することはできない。

3  原告らの損害(原告らの主張)

(一) 主位的請求関係

原告らは、既償還の投資信託については、別紙「X1名義」及び別紙「X2名義」記載の「③購入金額」欄記載の金額に「①購入年月日」欄記載の日から「②償還年月日」欄記載の日まで年六分八厘の割合による金員を加算した「⑤」欄記載の金額から、「④償還金額」欄記載の金額を控除した「⑥」欄記載の金額の支払いを、未償還の投資信託については、「③購入金額」欄記載の金額に「①購入年月日」欄記載の日から支払済みまで年六分八厘の割合による金員を加算した金額の支払いをそれぞれ求める。

(二) 予備的請求1関係

原告らは、既償還の投資信託については、別紙「X1名義」及び別紙「X2名義」記載の「③購入金額」欄記載の金額に「①購入年月日」欄記載の日から「②償還年月日」欄記載の日まで年六分の割合による金員を加算した「⑦」欄記載の金額から、「④償還金額」欄記載の金額を控除した「⑧」欄記載の金額の支払いを、未償還の投資信託については、「③購入金額」欄記載の金額に「①購入年月日」欄記載の日から支払済みまで年六分の割合による金員を加算した金額の支払いをそれぞれ求める。

(三) 予備的請求2関係

原告らは、既償還の投資信託については、別紙「X1名義」及び別紙「X2名義」記載の「③購入金額」欄記載の金額に「①購入年月日」欄記載の日から「②償還年月日」欄記載の日まで年五分の割合による金員を加算した「⑨」欄記載の金額から、「④償還金額」欄記載の金額を控除した「⑩」欄記載の金額の支払いを、未償還の投資信託については、「③購入金額」欄記載の金額に「①購入年月日」欄記載の日から支払済みまで年五分の割合による金員を加算した金額の支払いをそれぞれ求める。

4  過失相殺

(被告の主張)

原告らは、投資信託に投資する前に、被告が作成したパンフレットを見たり、自ら投資信託の内容を検討したりして、投資信託の元本及び利回りが保証されていないことを知り得た。

また、原告らは、補助参加人の説明を信じて順次投資信託に投資して損害を拡大した。

(原告らの主張)

原告X2は、証券取引に疎い主婦であり、従前は現物の国債を購入したことがあるにすぎず、投資信託のパンフレットを見たこともない。

5  弁護士費用相当の損害(原告らの主張)

(一) 原告X1

金五〇万円

(二) 原告X2

金三〇万円

第三争点に対する判断

一  争点1について

本件各取引について、被告が元本及び少なくとも年六分八厘の利回りを保証したことを認めるに足りる証拠はない。

なお、原告X2自身、「スーパーアクティブ89」は年六分、「システムユニット89」は年六分三厘の利回りを約した旨供述(甲一、原告X2)しているうえに、証拠(証人Z)によれば、補助参加人は、各投資信託の最終利回りを予想したうえで、その予想を示して勧誘したに過ぎないことが窺える。

二  争点2について

1  認定事実

前記争いのない事実等及び証拠(甲一、四、五、乙一の1ないし8、二の1ないし15、三、四、五の1、2、六の1、2、七ないし一二、一三ないし一五の各1、2、一六の1ないし12、一七の1ないし3、一八ないし三〇、三一の1ないし7、三二の1ないし3、四二、証人Z、原告X2)によれば、次の事実が認められる。

(一) 受益証券説明書

本件各取引の際、補助参加人は、受益証券説明書を交付していないが、その当時、証券投資信託法及び証券投資信託協会は、受益証券説明書の交付を義務づけていなかったが、被告は、投資信託の内容を記載したパンフレットを作成し、これに受益証券説明書を見るように勧める旨の記載をしたうえ、受益証券説明書を店頭に備え付けて、顧客が自由に見れるようにしていた。

(二) 本件各取引に至る経緯

原告X2は、元本が保証されている国債等に投資していたが、補助参加人の勧めもあって、原告X1名義で昭和五九年九月六日から昭和六三年一〇月一一日にかけて、三回にわたり、合計金五三〇万円を投資信託に投資し、また、原告X2あるいは旧姓のX2名義で、昭和五八年三月二二日から平成元年一月一七日にかけて、八回にわたり、合計金七四〇万円を投資信託に投資した。しかし、原告らは、右各投資信託が償還等になっても、償還金を受け取ることは殆どなく、更に別の投資信託に投資した。そして、原告らが投資した投資信託の最終利回りは、予想利回りよりも良いときもあれば悪いときもあって一定していなかった。特に原告X1名義で昭和六三年一〇月一一日に投資した投資信託、原告X2名義で同年四月一二日、同年五月三〇日、平成元年一月一七日に投資した各投資信託は、いずれも予想利回りが年六分以上であったのに、年一分を下回る(年一厘を下回るものもあった。)利回りで、平成四年三月一九日売却された。そして、被告が投資信託の取引が行われる毎に、顧客に対し、その銘柄、取引日、数量、単価、代金(償還金額)等を記載した「取引報告書」を送付していたので、原告らは、右各投資信託の最終利回りを知ることができたが、同月二四日、右各投資信託の売却金を「コロンブスF2世」に投資した。

原告らは、投資するに当たり、補助参加人から投資信託の内容を記載したパンフレットを示されても、これを十分見ずに、補助参加人の説明を聞いて、投資するか否かを判断していた。

(三) 本件各取引の状況

補助参加人は、別紙「X1名義」及び別紙「X2名義」記載の本件各取引を担当した。原告X2は、原告X1の各取引について、原告X1の代理人として行動した。被告は、本件各取引をするに当たり、各投資信託について、投資信託であり、元本が保証されていない旨などを記載したパンフレットを作成しており、補助参加人は、原告らに対し、右パンフレットを示したうえ、予想利回りが高い旨強調して勧誘した。しかし、補助参加人は、当時の経済情勢からして元本割れをするとは思っていなかったので、元本割れをする危険性を口頭で説明しなかった。原告らは、右パンフレットを十分見ずに、補助参加人の説明を聞いて、本件各取引を行うことにした。

2  判断

(一) 注意義務の存在等

(1) 断定的判断の提供について

補助参加人が元本及び少なくとも年六分八厘の利回りが保証されており、銀行金利よりも利回りが良い旨の断定的判断を示したことを認めるに足りる証拠はない。

したがって、原告の主張は前提事実において既に理由がない。

(2) 虚偽表示または誤解を生ぜしめるべき表示について

補助参加人は、投資信託への投資を勧誘するに当たっては、虚偽表示または誤解を生ぜしめるべき表示をしてはならず、顧客が投資信託の内容を十分理解できるように説明すべき義務があったというべきである。

(3) 受益証券説明書の不交付について

補助参加人が受益証券説明書を交付する義務があったとはいえない。

(二) 利回りの点

ところで、前記認定事実によれば、原告らは、補助参加人の高利回りである旨の勧誘を受けて、本件各取引を行っているが、原告X2(原告X1の代理人でもある。)は、本件各取引以前に投資し、償還等を受けた投資信託の最終利回りが、予想よりも良いときもあれば悪いときもあって一定していなかったことや、年一厘を下回る利回りのものもあったことを知りながら、更にその償還金等を別の投資信託に投資している。そこで、原告らは、投資信託(自分らが投資しているもの)の利回りが、運用によって高くも低くもなることを知りつつ、これを容認したうえで投資していたと推認できる。

したがって、本件各取引について、結果的に原告らが予想した利回りが確保されなかったとしても、原告らは、被告補助参加人の説明を受けるまでもなく、利回りが保証されていないことを知っており、これを容認したうえで投資したのであるから、被告は、本件各取引の利回りが低いことについては、何ら責任を負わないというべきである。

(三) 元本割れの点

しかし、前記認定事実によれば、原告X2は、当初は、元本が保証されている国債等に投資していたところ、補助参加人の勧めもあって投資信託に投資するようになり、これを繰り返すようになったが、本件各取引以前に償還等を受けた投資信託の中には、元本割れが生じたものはなかった。また、前記認定事実によれば、補助参加人は、元本が保証されていない旨記載したパンフレットを示してはいるが、当時の経済情勢からして、元本割れをするとは思っていなかったことから、本件各取引の際、口頭で元本割れをする危険性を説明することなく、かえって、高利回りであることを強調して勧誘したところ、原告らは、右パンフレットを十分見ずに、補助参加人の口頭の説明を聞いて投資することにした。そこで、原告らは、元本が保証されていると誤解したまま、本件各取引を行ったことが推認できる。

したがって、補助参加人には、適切な説明をしなかった過失があるというべきであるから、被告は、原告らに対し、元本割れが生じたことによる損害を賠償する責任がある。

なお、被告は、原告らの主張が「損失保証契約」ないし「損失補填契約」に該当し、公序良俗に反し無効であり、このような約束に基づいて行った取引による損害を不法行為等と捉えて損害賠償を請求することはできない旨主張するが、右主張は、「損失保証契約」ないし「損失補填契約」があることが前提であるから、右事実が認められない本件においては失当である。

三  損害

投資信託は、それが売却ないし償還されないうちは、将来の経済情勢によって、償還金額等が上下する可能性があり、元本割れが生じたか否かは、償還等がなされた時に確定されるものであるから、投資信託に元本割れが生じたことによる損害は、償還等がなされた時を基準にして判断すべきである。

したがって、未償還の投資信託や償還時において元本割れが生じていない投資信託については、損害はないというべきであるから、本件各取引のうち、「ヨーロピアンジャンボ2」及び「コロンブスF2世」については、いずれも損害がない。

そこで、その余の投資信託について、別紙「X1名義」及び「X2名義」記載の「③購入金額」欄記載の金額から「④償還金額」欄記載の金額を控除してそれぞれの損害を求めると、原告X1については、「スーパーアクティブ89」が金二六万二八〇〇円、「クオリティ90年蓄積型」が金五二万三八〇〇円、「ユニット9009」が金四万五三〇〇円、「中小型成長株91」が金一三万円で、原告X2については、「スーパーアクティブ89」が金二六万二八〇〇円、システムユニット89」が金八万九一〇〇円、「システムユニット90」が金八二万〇二〇〇円である。

四  過失相殺

前記二1の認定事実によれば、原告らは、投資信託に投資する前に、被告が作成したパンフレットを見たりすることによって、容易に投資信託が元本割れをする危険性があることを知り得たのであるから、これを考慮すると、原告らの各損害額からそれぞれ八割を減額するのが相当である。

そこで、前記三で求めた損害を基に被告が原告らに対して賠償すべき賠償額を求めると、原告X1については、「スーパーアクティブ89」が金五万二五六〇円、「クオリティ90年蓄積型」が金一〇万四七六〇円、「ユニット9009」が金九〇六〇円、「中小型成長株91」が金二万六〇〇〇円で、原告X2については、「スーパーアクティブ89」が金五万二五六〇円、「システムユニット89」が金一万七八二〇円、「システムユニット90」が金一六万四〇四〇円である。

五  弁護士費用

本件各取引(「ヨーロピアンジャンボ2」及び「コロンブスF2世」を除く)が、いずれも本訴提起後に償還されていることに鑑みると、これらと相当因果関係のある弁護士費用相当の損害額はないというのが相当である。

第四結論

よって、主位的請求はいずれも理由がないが、予備的請求1は原告X1に対し金一九万二三八〇円、原告X2に対し金二三万四四二〇円及び右各金員に対する主文のとおり商事法定利率年六分の割合による遅延損害金の支払いを求める限度でいずれも理由がある(仮執行宣言は相当でないので付さない。)。

(裁判官 磯貝祐一)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例