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京都地方裁判所 平成13年(ワ)2482号 判決

京都市中京区壬生松原町42番地

原告

日本合繊工業株式会社

同代表者代表取締役

稲田辰男

大阪府茨木市美穂ヶ丘19番A―711号

被告

仙波庄士

同訴訟代理人弁護士

伊原友己

加古尊温

主文

1  原告の請求を棄却する。

2  訴訟費用は原告の負担とする。

事実

第1  当事者の求めた裁判

1  請求の趣旨

(1)  被告は、原告に対し、1000万円及びこれに対する平成13年9月17日から支払済みまで年6分の割合による金員を支払え。

(2)  訴訟費用は被告の負担とする。

2  請求の趣旨に対する答弁

主文同旨

第2  当事者の主張

1  請求原因

(1)  当事者等

ア 原告は、繊維製品の染色整理加工等を業とする会社であり、下記(2)の布目矯正装置(以下「旧型機」という。)の出願人である。

イ 被告は、技術コンサルタントを主たる業務とするメック株式会社の代表取締役である。

(2)  特許権の特定

ア 原告及び株式会社土谷製作所(以下「土谷製作所」という。)は、昭和53年7月17日から平成8年3月2日まで、旧型機について以下の特許権(以下「本件特許権」という。)を有していた。

(ア) 出願番号:55―131046

(イ) 発明の名称:布目矯正装置

(ウ) 発明者:稲田辰男及び被告

(エ) 出願人:原告及び土谷製作所

(オ) 出願日:昭和55年9月20日

(カ) 公告日:平成元年3月2日

(キ) 登録日:平成2年1月16日

イ ただし、被告は、特許公報では発明者として記載されているが、真実は発明者ではない。

(3)  特許請求の範囲

特許請求の範囲は、別紙特許公報該当欄記載のとおりである。

(4)  侵害行為の特定

ア 被告及び土谷製作所は、昭和62年7月27日から平成8年6月23日まで、以下の布目矯正装置(以下「新型機」という。)について実用新案権を有していた。

(ア) 出願番号:56―093358

(イ) 考案の名称:布目矯正装置

(ウ) 考案者:被告

(エ) 出願人:土谷製作所及び被告

(オ) 出願日:昭和56年6月23日

(カ) 公告日:昭和61年12月19日

(キ) 登録日:昭和62年7月27日

イ 土谷製作所は、下記(6)のとおり、新型機を製造、販売した。

(5)  原告製品と被告製品の対比

旧型機と新型機を対比すると、旧型機と新型機は同一のものというべきである。すなわち、新型機は、旧型機に、別紙図記載のAからEまでの部品部分(部品Aについては別紙1(実用新案登録第1689227号)、部品Bについては別紙2(同第1786097号)、部品Cについては別紙3(同第1786095号)、部品Dについては別紙4(同第1777946号)、部品Eについては別紙5(同第1732319号)各記載のとおり登録されていたもの)を取り付けただけで実用新案登録したものであり、ピンホイルの開閉方法やブラシ形状を変えても、ピンホイルで布目曲がりを修正する機能が同一である限り、別の機械とは言えない。

(6)  損害の発生及び額

ア 土谷製作所は、昭和56年7月13日から平成8年末までの間に、新型機を1台約450万円の価格で793台製造、販売し、総額約35億6000万円を売り上げ、少なくとも17億8000万円の粗利益を上げた。

イ 被告は、土谷製作所から、上記売上金の中からロイヤリティー料として、以下の内訳のとおり、1台につき6万円から12万円で798台分、9200万円の支払を受けた。

(ア) 昭和57年1月から昭和58年12月まで 680万円(1台10万円×68台)

(イ) 昭和59年1月から平成6年6月まで 6972万円(1台12万円×581台)

(ウ) 平成6年7月から平成8年9月まで 180万円(1台6万円×30台)

(エ) 昭和56年11月から平成8年9月まで 1368万円(1台12万円×114台)

(7)  被告の利得と原告の損害の因果関係

ア 被告は、旧型機の開発に何ら関与した事実はなく、真実は旧型機の発明者ではないのに、あたかも自ら開発したかの如く装って、土谷製作所から、同製作所が新型機を製造、販売して得た売上金の中から、上記(6)のとおり、ロイヤリティー料として金員の支払を受けた。

イ 上記(5)のとおり、新型機と旧型機は同一のものというべきであるから、被告は、原告の本件特許権を侵害して利得を得たものというべきである。

(8)  よって、原告は、被告に対して、不当利得返還請求権に基づき、被告が土谷製作所から支払を受けた9200万円のうち1000万円及びこれに対する訴状送達の日の翌日である平成13年9月17日から支払済みまで商事法定利率年6分の割合による遅延損害金の支払を求める。

2  請求原因に対する認否

(1)  請求原因(1)は認める。

(2)  同(2)アのうち、原告が本件特許権を有していた期間の始期が昭和53年7月17日であることは否認し、その余は認める。同(2)イは否認する。

(3)  同(3)は認める。

(4)  同(4)アは認める。同(4)イのうち、土谷製作所が新型機を製造、販売したことは認め、台数や販売金額等は不知。

(5)  同(5)は否認する。

(6)  同(6)アは不知。同(6)イのうち、被告が土谷製作所から、同(4)アの考案に関してロイヤリティーを受領したことは認め、販売台数や金額等は否認する。上記ロイヤリティーの授受は、被告と土谷製作所との間の契約に基づくものであり、原告とは全く無関係の事柄である。

(7)  同(7)アのうち、被告が土谷製作所から、同(4)アの考案に関してロイヤリティーを受領したことは認め、その余は否認する。同(7)イは否認する。

理由

1  原告の請求について

(1)  原告は、被告が、土谷製作所から、同製作所が新型機を製造、販売して得た売上金の中から、ロイヤリティー料として金員の支払を受けたことに関して、新型機と旧型機は同一のものであり、かつ、被告は旧型機の開発に何ら関与しておらず真実は旧型機の発明者ではないから、被告は、原告の本件特許権を侵害して利益を得たとして、被告に対し、不当利得の返還を請求するものである。

(2)  ところで、原告及び土谷製作所が本件特許権の共有者であることは当事者間に争いがない。そして、特許権の共有者は、契約で別段の定めをした場合を除き、他の共有者の同意を得ないでその特許発明の実施をすることができるのである(特許法73条2項)。そうすると、仮に、新型機が旧型機と同一のもの(又は新型機が本件特許権の特許発明の技術的範囲に属するもの)であり、新型機の製造、販売が旧型機の製造、販売と同一と認められるもの(又は新型機の販売が本件特許権の特許発明の技術的範囲に属する製品の製造、販売と認められるもの)であったとしても、土谷製作所は、本件特許権の共有者として、本件特許権の実施をすることができるのであるから、土谷製作所が新型機を製造、販売する行為は、原告の有する本件特許権を侵害することにはならない。

(3)  したがって、被告が、土谷製作所との契約により、同製作所が本件特許権を正当に実施して得た売上金の中からロイヤリティー料として金員の支払を受けることは、何ら原告の本件特許権を侵害することにはならず、不当利得は成立しないというべきである。

2  よって、原告の請求は、その余を判断するまでもなく理由がないから棄却することとし、訴訟費用の負担につき民事訴訟法61条を適用して、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 赤西芳文 裁判官 鈴木謙也 裁判官 矢作泰幸)

甲第三号証

(別紙)

日本国特許庁(JP) 特許出願公告

特許公報(B2) 平1―12863

Int.Cl.4  識別記号 庁内整理番号 公告 平成1年(1989)3月2日

D 06 H 3/12 7633―4L

発明の数3(全5頁)

発明の名称 布目矯正装置

審判 昭63―5058 特願 昭55―131046 公開 昭57―56575

出願 昭55(1980)9月20日 昭57(1982)4月5日

発明者 仙波庄士 大阪府大阪市東淀川区小松五丁目六番B―208

発明者 稲田辰男 京都府京都市伏見区深草僧坊山町45番地の2

出願人 株式会社 土谷製作所 京都府京都市南区久世築山町462番地

出願人 日本合繊工業株式会社 京都府京都市中京区壬生松原町42番地

代理人 弁理士 安藤惇逸

審判の合議体 審判長 鴨田利夫 審判官 山本和誠 審判官 藤井靖子

参考文献 特開 昭53―130394(JP、A) 特開 昭49―133692(JP、A)

特公 昭33―1694(JP、B1)

特許請求の範囲

1 布の走行方向に沿つて末広がりに配置すると共に布の耳部を外周リム部に植設したピンに掛けて各別に回転しうるようにした一対のピンホイールを組込んだ布目矯正装置において、ピンホイール軸の外端は傾斜可能に軸架し、また内端は傾斜可能に軸架すると同時に、布の幅方向と平行に配置すると共に布の幅方向と直角の方向に平行移動しうる可動スライドレールに摺嵌させたことを特徴とする布目矯正装置。

2 可動スライドレールは、布の幅方向と平行に配置した軸の回りに回動しうるようにした、特許 の範囲第1項記載の布目矯正装置。

布の走行方向に沿つて末広がりに配置すると共に布の耳部を外周リム部に植設したピンに掛けて各別に回転しうるようにした一対のピンホイールを組込んだ布目矯正装置において、ピンホイール軸の外端は傾斜可能に軸架すると同時に、その少なくとも一方は布の幅方向と平行に配置した固定スライドレールに摺嵌させ、また内端は傾斜可能に軸架すると同時に、布の幅方向と平行に配置すると共に布の幅方向と直角の方向に平行移動しうる可動スライドレールに摺嵌させたことを特徴とする布目矯正装置。

4 可動スライドレールは、布の幅方向と平行に配置した軸の回りに回動しうるようにした、特許請求の範囲第3項記載の布目矯正装置。

5 布の走行方向に沿つて末広がりに配置すると共に布の耳部を外周リム部に植設したピンに掛けて各別に回転しうるようにした一対のピンホイールを組込んだ布目矯正装置において、ピンホイール軸の外端は傾斜可能に軸架すると同時に、その一方は布の幅方向と平行に配置した固定スライドレールに摺嵌させ、また内端は傾斜可能に軸架すると同時に、布の幅方向と平行に配置すると共に布の幅方向と直角の方向に平行移動しうる可動スライドレールに摺嵌させ、布の一方の耳部は固定ピンホイールに当接するようにセンタリングロールを制御すると同時に、他方の耳部は可動ピンホイールに当接するように可動ピンホイールを制御するようにしたことを特徴とする布目矯正装置。

6 可動スライドレールは、布の幅方向と平行に配置した軸の回りに回動しうるようにした、特許請求の範囲第5項記載の布目矯正装置。

発明の詳細な説明

本発明は、捺染台用の生地張り機、給布装置等に組込み、もしくはこれらと組合せる布目矯正装置に関する。

捺染に際して、布目の斜向もしくは波状曲りのない状態で給布し、または生地張りすることは、高品質の捺染品を得る上にきわめて重要であり、例えば実開昭55―15056号には、布の走行方向に沿つて末広がりに配置すると共に布の耳部を外周リム部に植設したピンに掛けて各別に回転しうるようにした一対のピンホイールを用い、布目の斜向等のひずみは相互に独立して回転しうる一対のピンホイールの回転速度の差によつて吸収する旨が記載されている。本発明は上記考案を大きく改良したものであり、ピンホイールの末広がり度の調節に別異の優れた機構を採用し、またピンホイールを布の幅方向に変位させうる機構を付加して、ピンホイールのピンを布の耳部に精度よく追従、掛合させうる制御システムを採用した布目矯正装置を提供するものである。

すなわち、本発明に係る布目矯正装置は、布の走行方向に沿つて末広がりに配置すると共に布の耳部を外周リム部に植設したピンに掛けて各別に回転しうるようにした一対のピンホイールを組込んだ布目矯正装置において、ピンホイール軸の外端は傾斜可能に軸架し、また内端は傾斜可能に軸架すると同時に、布の幅方向と平行に配置すると共に布の幅方向と直角の方向に平行移動しうる可動スライドレールに摺嵌させたことを特徴としている。

上記において、ピンホイールの末広がり度の調節のためには、ピンホイール軸の外端に対する内端の相対的位置を変位させる必要があり、したがつて、その内端を支持する可動スライドレールは、布の幅方向と直角の方向に平行移動させうる必要がある。この平行移動の手段としては、例えば可動スライドレールの移動が円柱面、もしくは平面を形成するように構成することができ、前者の場合は可動スライドレールの回転角度を、また後者の場合は可動スライドレールの移動距離を、それぞれ変更することにより、ピンホイールの末広がり度を調節すればよい。ピンホイールは、可動スライドレールの上記平行移動により、その移動方向と同方向に末広がりとなる。したがつて、ピンホイールに掛けられた布の内、上記移動方向と同方向に走行する部分の布は拡幅作用を受けることになる。

ピンホイールの末広がり度の調節のために、既述のようにピンホイール軸の内端を可動スライドレールにより変位させる必要があり、したがつてピンホイール軸の外端および内端は、球面軸受等により傾斜可能に軸架する。ピンホイール軸の傾斜に伴なつて、布の幅方向と平行に生ずる内端の変位は、可動スライドレール上の摺動により円滑に吸収させることができる。

ピンホイール軸の外端を傾斜可能に固定した場合でも、通常の布目矯正の目的は達成できるが、ピンホイールの位置の調節を容易にし、もしくは布の耳部にピンホイールを精度よく自動追従させるシステム等を採用するためには、一方もしくは両方の外端を、布の幅方向と平行に配置した固定スライドレールに摺嵌させる構造を採用すれよい。この場合、ピンホイール軸の外端、および内端は、相互に平行関係にある固定スライドレール、および可動スライドレール上をそれぞれ摺動しうるので、ピンホイールを、その末広がり度を保持したままで、布の幅方向に変位させることができる。

そこで、例えば、ピンホイール軸の一方の外端は傾斜可能に固定とし(この場合のピンホイールを固定ピンホイールと称する)、また他方の外端は固定スライドレール上を傾斜可能に可動とし(この場合のピンホイールを可動ピンホイールと称する)、布の一方の耳部は固定ピンホイールに当接するようにセンタリングロールを制御すると同時に、他方の耳部は可動ピンホイールに当接するように可動ピンホイールを制御するシステムを構成すれば、布の耳部をピンホイールに精度よく掛合させることができ、より効果的な布目矯正を実現することができる。この場合において、センタリングロールおよびピンホイールの制御方法としては、布の耳部の位置を光電子的もしくは機械的に検出して、油空気圧シリンダー、電動機等を作動させる常法を採用することができる。また、センタリングロールの構造、機械等には制限がなく、例えば分割ロール方式、その他を用いればよい。

次に、図面に示す実施例について説明する。第1~2図は、本発明の実施例におけるピンホイール機構の平面図である。いずれの場合も、外周リム部に適宜の間隔でピン1を植設したピンホイール2、2aを支承したピンホイール軸3、3aの外端および内端は、球面軸受4、4aおよび5、5aによつてそれぞれ軸架され、さらに内端における球面軸受5、5aは、可動スライドレール6に摺動自在にはめ込まれたスライド軸受7、7aに連結されている。可動スライドレール6は、回動アーム8、8aを介して、フレーム9、9aを架橋して取付けた回転軸10に連結され、回転軸10の端部に回動、固定可能に取付けたハンドル11の操作により、回転軸10と共に一定の範囲内で回動し、ピンホイール軸3、3aの外端に対 内端の相対的位置を変位させると共にピンホイール2、2aの末広がり度を調節することができる。

第1図に示すものでは、ピンホイール軸3、3aの外端は、フレーム9、9aに取付けた支持アーム12、12aに、球面軸受4、4aを介して軸架され、したがつてピンホイール2、2aは移動させることができないのに対し、第2図に示すものでは、ピンホイール軸3、3aの外端は、スライド軸受13、13aに取付けた連結アーム14、14aに、球面軸受4、4aを介して軸架され、さらにスライド軸受13、13aは、回転軸10にペアリング(図示せず)を介して外装し、かつフレーム9、9aに固定したレール支持管15、15aに並設した固定スライドレール16、16aに摺動自在にはめ込まれ、したがつてピンホイール2、2aは、可動スライドレール6もしくは固定スライドレール16、16aの軸線方向、すなわち布の幅方向に移動させることができる。

、第3図に示すものは、第1図における移動 いピンホイール、すなわち固定ピンホイール17と、第2図における移動可能なピンホイール、すなわち可動ピンホイール18を配置してなり、レール支持管15および固定スライドレール16に、布幅等に応じて調節、固定した基準片19に延設したシリンダー取付板20に、フレーム9を貫通して空気圧シリンダー21を取付けると同時に、そのピストンロツド22を連結アーム14に固定し、ピストンロツド22の作動により、可動ピンホイール18を基準片19に対して移動させうるようにしている。

第4図は、第3図に示すピンホイール機構を組込んだ布目矯正装置の要部側面図である。すなわち、布23は、センタリングロール24、布端検出器25、布送り込みロール26、27、ダンサーロール28、布端検出器29、ブラシロール30、固定ピンホイール17および可動ピンホイール18、パーエキスパンダー31等を経由して、例えばオートスクリーン捺染装置のエンドレスベルト(図示せず)に供給される。

布23の一方の耳部は布端検出器25により検出して、固定ピンホイール17に掛合するようにセンタリングロール24を制御し、他方の耳部は、可動ピンホイール18と連動するように取付けた布端検出器29により検出して、可動ピンホイール18が該耳部に掛合するように、可動ピンホイール18を制御する。

ダンサーロール28は軽量アルミロール等からなり、ダンサーロール回転軸32を中心に、布23の引出し速度と送り込み速度との差に応じて変位するので、その変位を検出して、布送り込みロール26に連結した可変速モーター33を制御し、布23が常に低張力で固定ピンホイール17および可動ピンホイール18に供給されるようにしている。

また、ブラシロール30は、固定ピンホイール17および可動ピンホイール18の外周リム部に押圧した状態で取付けられ、オーバーフイード状態で固定ピンホイール17および可動ピンホイール18に供給された布23をブラシロール30の周縁部に植設したブラシによつて押付けるので、布23のオーバーフイード状態を効果的に保持し、もしくはそれを促進することに役立ち、より優れた布目矯正を行なうことができる。

なお、ブラシロールは、各ピンホイールごとに独立して、好ましくは布の走行に沿つて拡幅するように配置する以外に、一対のピンホイールに対して一本のブラシロールを押圧、当接させ、ブラシロールの全長にわたつて、もしくは各ピンホイールに当接する部分にブラシを植設させたものでもよい。また、ブラシロールは、布の走行による以外に、外部動力により回転駆動させることができ、後者の場合はピンホイールにおける布のオーバーフイードを促進させることが可能となる。

上記第4図に示す実施例において併用したダンサーロール機構もしくはブラ ロール機構は、本発明に係るピンホイール機構のみならず、一般に布の走行方向に沿つて末広がりに配置すると共に布の耳部を外周リム部に植設したピンに掛けて各別に回転しうるようにした一対のピンホイールの機構に広く採用することができ、ピンホイールによる布目矯正をより効果的に行うことに役立つものである。

以上のように、本発明に係る布目矯正装置においては、ピンホイールの末広がり度の調節を容易にすると共に、さらに布の幅方向へのピンホイールの移動を可能にし、布幅に応じたピンホイールの位置の調節や布の耳部へのピンホイールの自動追従を実現しえたものである。

図面の簡単な説明

第1~3図は、本発明に係る布目矯正装置を構成するピンホイール機構の平面図、第4図は、本発明に係る布目矯正装置の要部側面図である。

1…ピン、2、2a…ピンホイール、3、3a…ピンホイール軸、4、4a…球面軸受、5、5a…球面軸受、6…可動スライドレール、7、7a…スライド軸受、8、8a…回転アーム、9、9a…フレーム、10…回転軸、11…ハンドル、12、12a…支持アーム、13、13a…スライド軸受、14、14a…連結アーム、15、15a…レール支持管、16、16a…固定スライドレール、17…固定ピンホイール、18…可動ピンホイール、19…基準片、20…シリンダー取付板、21…空気圧シリンダー、22…ピストンロツド、23…布、24…センタリングロール、25…布端検出器、26、27…布送り込みロール、28…ダンサーロール、29…布端検出器、30…ブラシロール、31…パーエキスパンダー、32…ダンサーロール回転軸、33…可変速モーター。

第1図

第2図

第3図

第4図

〈省略〉

〈省略〉

〈省略〉

〈省略〉

〈省略〉

(別紙図)

甲第十五号証

新型機

〈省略〉

(別紙1)

第1図

第2図

実用新案登録第〓〓〓〓〓〓〓号 (閉鎖)

表示部

表示番号(付記) 登録事項

(抹消)

1番 出願年月日 昭和56年6月23日 出願番号 56―093358

出願公告年月日 昭和61年12月19日 出願公告番号 61―045187

査定年月日 昭和62年3月20日

考案の名称 布目矯正装置

登録年月日 昭和62年7月27日

2番 【本権の登録の抹消】 原因 平成8年6月23日 存続期間満了 本実用新案権の登録の抹消 登録年月日 平成9年4月23日

登録料記録部

登録料

1年分 金額 4500円 納付日 昭和62年5月30日 2年分 金額 4500円 納付日 昭和62年5月30日 3年分 金額 4500円 納付日 昭和62年5月30日 4年分 金額 13500円 納付日 平成1年12月18日 5年分 金額 13500円 納付日 平成1年12月18日 6年分 金額 13500円 納付日 平成1年12月18日 7年分 金額 27000円 納付日 平成4年12月11日 8年分 金額 27000円 納付日 平成4年12月11日 9年分 金額 37800円 納付日 平成6年12月14日 10年分 金額 37800円 納付日 平成6年12月14日

甲区

順位番号(付記) 登録事項

1番 京都市南区久世築山町462番地 株式会社土谷製作所 茨木市美穂ケ丘19番 A―711 仙波庄士 登録年月日 昭和62年7月27日

(以下余白)契約直  56.7.13 布目矯正機 契約以前に出願されたもの

ピンに生地をのせてすみやかに流れやすくする部分です

平成9年4月23日 閉鎖

上記は実用新案登録原簿に記録されている事項と相違ないことを認証する。

平成13年6月1日

経済産業事務官 杉崎隆彦

〈省略〉

(別紙2)

甲第十四号証

第1図

第2図

実用新案登録第〓〓〓〓〓〓〓号 (閉鎖)

表示部

表示番号(付記) 登録事項

(抹消)

1番 出願年月日 昭和59年4月25日 出願番号 59―061577

出願公告年月日 昭和63年12月23日 出願公告番号 63―050315

査定年月日 平成1年5月19日

考案の名称 布目矯正機

登録年月日 平成1年9月12日

2番 【本権の登録の抹消】 原因 平成3年12月23日 第04年分登録料不納 本実用新案権の登録の抹消 登録年月日 平成5年3月4日

登録料記録部

登録料

1年分 金額 6800円 納付日 平成1年7月24日 2年分 金額 6800円 納付日 平成1年7月24日 3年分 金額 6800円 納付日 平成1年7月24日

甲区

順位番号(付記) 登録事項

1番 京都市南区久世築山町462番地 株式会社土谷製作所 茨木市美穂ケ丘19番 A―711 仙波庄士 登録年月日 平成1年9月12日

(以下余白) ピンホイルを自動的に開閉角度を調節する 部分品

平成6年4月18日 閉鎖

上記は実用新案登録原簿に記録されている事項と相違ないことを認証する。

平成13年6月1日

経済産業事務官 杉崎隆彦

〈省略〉

(別紙3)

第1図

実用新案登録第〓〓〓〓〓〓〓号 (閉鎖)

表示部

表示番号(付記) 登録事項

(抹消)

1番 出願年月日 昭和59年4月25日 出願番号 59―061575

出願公告年月日 昭和63年12月23日 出願公告番号 63―050313

査定年月日 平成1年5月19日

考案の名称 布目矯正機

登録年月日 平成1年9月12日

2番 【本権の登録の抹消】 原因 平成3年12月23日 第04年分登録料不納 本実用新案権の登録の抹消 登録年月日 平成5年3月4日

登録料記録部

登録料

1年分 金額 6800円 納付日 平成1年7月24日 2年分 金額 6800円 納付日 平成1年7月24日 3年分 金額 6800円 納付日 平成1年7月24日

甲区

順位番号(付記) 登録事項

1番 京都市南区久世築山町462番地 株式会社土谷製作所 茨木市美穂ケ丘19番 A―711 仙波庄士 登録年月日 平成1年9月12日

(以下余白) アクチュエーターの説明が有るがすむすに作業を行ふ段階の部分です 部分品 Aと同じ

平成6年4月18日 閉鎖

上記は実用新案登録原簿に記録されている事項と相違ないことを認証する。

平成13年6月1日

経済産業事務官 杉崎隆彦

〈省略〉

(別紙4)

甲第十二号証

実用新案登録第〓〓〓〓〓〓〓号 (閉鎖)

表示部

表示番号(付記) 登録事項

(抹消)

1番 出願年月日 昭和58年10月8日 出願番号 58―156287

出願公告年月日 昭和63年10月14日 出願公告番号 63―039277

査定年月日 平成1年3月10日

考案の名称 ピンホイール布目矯正装置

登録年月日 平成1年7月10日

2番 【本権の登録の抹消】 原因 平成10年10月8日 存続期間満了 本実用新案権の登録の抹消 登録年月日 平成10年12月9日

登録料記録部

登録料

1年分 金額 6800円 納付日 平成1年5月17日 2年分 金額 6800円 納付日 平成1年5月17日 3年分 金額 6800円 納付日 平成1年5月17日 4年分 金額 13500円 納付日 平成3年10月14日 5年分 金額 13500円 納付日 平成3年10月14日 6年分 金額 13500円 納付日 平成3年10月14日 7年分 金額 37800円 納付日 平成6年10月13日 8年分 金額 37800円 納付日 平成7年10月12日 9年分 金額 37800円 納付日 平成8年10月14日 10年分 金額 37800円 納付日 平成9年10月13日

甲区

順位番号(付記) 登録事項

1番 京都市南区久世築山町462番地 株式会社土谷製作所 茨木市美穂ケ丘19番 A―711 仙波庄士 登録年月日 平成1年7月10日

(以下余白) ピンに生地をのせる段階で作業をしやすくするブラシの部分 部分品

平成10年12月9日 閉鎖

上記は実用新案登録原簿に記録されている事項と相違ないことを認証する。

平成13年6月1日

経済産業事務官 杉崎隆彦

する布1との接触によつて回転駆動される。パーエキスパンダー11は布目矯正された布1を拡幅する。

第3図A及びBは本考案に使用しうるブラシロールのその軸線に垂直な方向の断面図であり、同図において、前者の波形ブラシロール9aの断面周囲は長ブラシ14及び短ブラシ15からなる方形波状に、また後者の波形ブラシロール9bの断面周囲は長ブラシ14及び短ブラシ15からなる正弦波状又は三角波状に各々形成されている。

〔考案の効果〕

以上のように、本考案に係るピンホイール布目矯正装置では、布の各耳端部がブラシロールの波形構造に対応した略波形状のオーバーフイード状態でピンニングされるので、十分なオーバーフイード量と規則的且つ安定したオーバーフイード状態が得られ、従つてより優れた布目矯正が可能である。

さらに、本考案に係るピンホイール布目矯正 置では、布の先進耳端部を押圧するブラシロー の周速度が布の後進耳端部を押圧するブラシロ ルの周速度よりも小さくなるので、先進耳 走行速度を後進耳端部の走行速度に比して相対 に遅らせると共に緯糸詳の斜向歪を緩和し、布 矯正の補完又は促進に寄与する。

図面の簡単な説明

第1図は本考案の実施例の要部側面図、第2 は本考案の実施例におけるピンホイールとブラ ロールとの配置関係を示す要部正面図、第3図 及びBは本考案に使用しうるブラシロールのそ 軸線に垂直な方向の断面図である。

主要符号の説明、1……布、9、9a、9b …波形ブラシロール、10……ピンホイール、12……ピン詳、14……長ブラシ、15……短ブラシ。

第1図

〈省略〉

(別紙5)

甲第十一号証

実用新案登録第〓〓〓〓〓〓〓号 (閉鎖)

表示部

表示番号(付記) 登録事項

(抹消)

1番 出願年月日 昭和57年3月21日 出願番号 57―040160

出願公告年月日 昭和62年10月20日 出願公告番号 62―041004

査定年月日 昭和63年2月19日

考案の名称 シート材走行修正装置

登録年月日 昭和63年5月24日

2番 【本権の登録の抹消】 原因 平成8年10月20日 第10年分登録料不納 本実用新案権の登録の抹消 登録年月日 平成9年8月13日

登録料記録部

登録料

1年分 金額 6800円 納付日 昭和63年4月7日 2年分 金額 6800円 納付日 昭和63年4月7日 3年分 金額 6800円 納付日 昭和63年4月7日 4年分 金額 13500円 納付日 平成2年10月19日 5年分 金額 13500円 納付日 平成2年10月19日 6年分 金額 13500円 納付日 平成2年10月19日 7年分 金額 37800円 納付日 平成5年10月18日 8年分 金額 37800円 納付日 平成5年10月18日 9年分 金額 37800円 納付日 平成7年10月12日

甲区

順位番号(付記) 登録事項

1番 京都市南区久世築山町462番地 株式会社土谷製作所 大阪市東淀川区小松5丁目6番B―208 仙波庄士 登録年月日 昭和63年5月24日

(以下余白) センター ンクロール。〓機械全般に使用して居るロール

平成9年8月13日 閉鎖

上記は実用新案登録原簿に記録されている事項と相違ないことを認証する。

平成13年6月1日

経済産業事務官 杉崎隆彦

第1図

第2図

第3図

第5図

第4図

〈省略〉

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