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さいたま地方裁判所 平成22年(ワ)1808号 判決

原告

株式会社損害保険ジャパン

被告

有限会社Y1 他1名

主文

一  原告の請求をいずれも棄却する。

二  訴訟費用は、原告の負担とする。

事実及び理由

第一請求の趣旨

一  被告らは、各自、原告に対し、八三一万八九一〇円及びこれに対する平成二一年九月一九日から支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。

二  訴訟費用は、被告らの負担とする。

三  仮執行宣言

第二事案の概要

本件は、A(以下「A」という。)が、自己の使用者である被告有限会社Y1(以下「被告会社」という。)の代表者の妻である被告Y2(以下「被告Y2」という。)を所有名義人とする自動車を運転中に起こした交通事故に関し、被害者に対して保険金を支払った原告が、平成二〇年法律第五七号による改正前の商法六六二条の保険代位により被害者の損害賠償請求権を取得したとして、被告会社に対しては不法行為(使用者責任)に基づき、被告Y2に対しては自動車損害賠償保障法(以下「自賠法」という。)三条に基づく運行供用者責任に基づき、損害賠償八三一万八九一〇円及びこれに対する不法行為の日の後である平成二一年九月一九日から支払済みまで民法所定年五分の割合による遅延損害金の支払を求めた事案である。なお、請求元本は、原告の主張する損害合計一二八七万八九一〇円(後記三(3)ア(ウ))から、支払を受けた自賠責保険金三四四万円(後記一(5))及び口頭弁論終結時までにAから受領した和解金一一二万円(後記一(6))を控除した額である。

一  基本的事実(争いのない事実の外は証拠等を併記)

(1)  被告会社は、建築請負業等を主な業務とする会社であり、後記(3)の本件事故当時、Aの使用者であった。

(2)  被告Y2は、被告会社の代表者であるBの妻であり、後記(3)ウの被告車両の所有名義人である。

(3)  以下の交通事故(以下「本件事故」という。)が発生した。

ア 発生日時 平成一九年六月一〇日午前一時七分ころ

イ 発生場所 埼玉県上尾市柏座四丁目一番一八号先路上

ウ 事故態様 Aが普通乗用自動車(ナンバー〈省略〉。以下「被告車両」という。)を運転中、前方注視義務を怠り、C(以下「C」という。)に衝突した。

(4)  原告は、Cとの自動車保険契約に基づき、平成二一年九月一八日までに、同人に対し、保険金合計一二八七万八九一〇円を支払い、この金員は、損害賠償請求権の元本に充当された。

(5)  原告は、Cの損害に関し、自賠責保険から、平成二〇年一〇月二二日一二〇万円、平成二二年三月一七日二二四万円(合計三四四万円)の支払を受け、この金員は、損害賠償請求権の元本に充当された。(弁論の全趣旨)

(6)  平成二二年一二月二一日の本件和解期日において、原告とAとの間で、要旨①Aは、原告に対し、六八六万三一二八円の支払義務のあることを認める、②Aは、原告に対し、上記①の内金五六八万円につき、平成二三年一月三一日限り一〇〇万円、同年二月から平成三六年一月まで毎月末日限り三万円宛に分割して支払う、③Aが期限の利益を失うことなく上記②の分割金を支払ったときは、原告は、Aに対し、上記①の金員から②の内金を控除した残額の支払義務を免除する、との訴訟上の和解が成立した(当裁判所に顕著)。Aは、この和解に基づき、原告に対し、平成二三年一月末日に一〇〇万円、同年二月ないし同年五月の各末日に各三万円(合計一一二万円)を支払った(証人A、弁論の全趣旨)。

二  争点

(1)  本件事故によるCの損害は、被告会社の事業の執行につき生じたものか

(2)  被告Y2の運行供用者性

(3)  Cの損害

(4)  過失相殺

三  争点に関する当事者の主張

(1)  争点(1)(本件事故によるCの損害は、被告会社の事業の執行につき生じたものか)について

ア 原告

本件事故は、被告会社の従業員であったAが、被告会社の業務用車両である被告車両を運転中に起こしたから、被告会社は、民法七一五条(使用者責任)に基づき、本件事故についての損害賠償責任を負う。

本件事故に至る経緯については、以下のとおりである。すなわち、被告会社の従業員であるA、D(以下「D」という。)、E(以下「E」という。)及びF(以下「F」という。)は、本件事故の前日の業務終了後、被告車両に乗って駐車場まで戻って来たところで、Fを除く三名で後に共に飲食に出かけることを約束して、いったん解散した。Aは一人で自宅に戻ったが、Dは、そのまま駐車場からEを乗せて被告車両を運転し、同人の自宅まで行った。Eは、自宅で着替えると、再び被告車両に乗り、Dの運転でAの自宅まで行き、Aを乗せて、三人で飲食に出かけた。三人が居酒屋とキャバクラで飲食した帰途、Aが被告車両を運転中に、本件事故を起こしたものである。

かような運転は、外形上、被告会社の職務の範囲内の行為というべきであって、本件事故によるCの損害は、被告会社の事業の執行につき生じたことになり、被告会社は、本件事故につき使用者責任を免れない。

なお、被告会社が、従業員らに、被告車両の私用運転を禁止していた事実はなく、むしろ、通勤の行き帰りに被告車両を運転することを認めていたし、被告車両の鍵についても厳格な管理は行われておらず、被告会社従業員において、被告車両を持ち出すことも可能であった。

イ 被告会社

被告会社の責任は争う。なお、被告会社は、Aとの間において雇用契約を締結しておらず、請負契約にすぎなかったが、被告会社の使用者性を争うものではない。

本件車両は、もっぱら、被告会社において、工具類及び作業員を乗せて作業現場への行き帰りの足として使用されていたものであり、被告会社代表者のBは、これを私用で運転することを禁じていた。本件事故が起こったのは、平成一九年六月九日土曜日に被告会社の一週間の業務が完全に終了し、被告車両も所定の駐車場に戻され、Aを含めた従業員が一度帰宅した後に、Aらが、酒を飲みに行くという私用目的のため、被告会社の許可なくして運転していた際に起こったものであって、Aによる被告車両の運転は、外形上も被告会社の職務の範囲内の行為に当たらず、本件事故によるCの損害は、被告会社の事業の執行につき生じたとはいえないから、被告会社は、本件事故につき使用者責任を負うものではない。

(2)  争点(2)(被告Y2の運行供用者性)について

ア 原告

被告Y2は、被告車両を所有していたから、自賠法三条に基づき、本件事故につき運行供用者責任を負う。

なお、被告Y2の主張のうち、被告車両が被告Y2の名義となった経緯については不知。被告車両が、b市c区内の被告会社が賃借する駐車場に駐車されており、当時の被告Y2の自宅から直線で六キロメートル離れていたこと及び被告車両が、被告会社の作業員が工具等を積んで建設現場への行き帰りの足として使用されていたことは認める。被告Y2が私用で被告車両を運転することはなく、その運行により直接間接に利益を得ているとはいえないこと及び被告Y2が、被告会社の取締役に就任しているが、専業主婦であって被告会社の経営には関与しておらず、役員報酬も受領していないことは不知。

被告会社は、Bの個人会社であるところ、被告車両の名義を被告Y2にした理由が、同被告の主張するとおり、Bの名義ではローンが組めなかったためであるならば、被告Y2の名義を用いなければ、被告車両を購入することができず、被告会社の運営もできなかったという意味において、まさに被告Y2が、夫婦の生活を維持するため、夫であるBの事業を助けたこととなる。それゆえ、同被告は、単なる被告車両の名義人に留まるものではなく、被告車両につき運行支配、運行利益を有する者として、自賠法三条にいう「自己のために自動車を運行の用に供する者」に当たる。

イ 被告Y2

被告会社が、被告車両を、代表者であるB名義のローンにより購入しようとしたところ、同人の当時の信用状況では金融機関の審査が通らないことが判明した。しかし、被告Y2の名義であればローンを組むことが可能であったため、被告Y2は、単に登録上、被告車両の所有者として名義を貸したにすぎず、ローンの返済はすべて被告会社が行い、返済終了後も所有名義は被告Y2のままになっていた。そして、①被告車両は、b市c区内の被告会社の賃借する駐車場に駐車されており、当時の被告Y2の自宅から直線で六キロメートルも離れていたこと、②被告車両は、被告会社の従業員が工具等を積んで建設現場への行き帰りする際の足として使用されており、被告Y2が私用で運転することはなく、その運行により直接間接に利益を得ていたとはいえないこと、③被告Y2は、被告会社の取締役に就任しているが、専業主婦であって被告会社の経営には関与しておらず、役員報酬も受領していないことからすれば、被告Y2は、被告車両を事実上支配、管理することができる立場ないし社会通念上その運行が社会に害悪をもたらさないように監視、監督すべき立場にあるとはいえず、被告車両について、「自己のために自動車を運行の用に供する者」に当たらない(最高裁判所昭和五〇年一一月二八日第三小法廷判決・民集二九巻一〇号一八一八頁)。

(3)  争点(3)(Cの損害)について

ア 原告

(ア) Cは、本件事故により、外傷性SAH、びまん性軸索損傷、頸椎捻挫、右大腿骨転子部骨折、後頭部挫傷の傷害を受け、以下のとおり入通院した。

a さいたま赤十字病院

入院 平成一九年六月一〇日から同年七月三〇日(五一日間)

通院 平成一九年八月一七日から平成二一年三月二五日(五八七日間、うち実日数一一日)

b 埼玉県総合リハビリテーションセンター

入院 平成一九年七月三〇日から同年一〇月一九日(八二日間)

通院 平成一九年七月一八日

c 松本接骨院

通院 平成一九年一一月一三日から平成二一年三月三〇日(五〇四日間、うち実日数二二七日)

(イ) Cは、平成二一年三月二五日に症状が固定し、一二級七号(労働能力喪失率一四パーセント)の後遺障害が残存した。

(ウ) Cの受けた損害は、以下の合計一二八七万八九一〇円である。

a 治療関係費 二〇三万四二二〇円

b 入院雑費 一四万五二〇〇円

日額一一〇〇円に入院日数一三二日を乗じた額である。

c 通院交通費(タクシー代) 一万二五四〇円

d 文書料 一万二五四〇円

e 休業損害 三〇五万八一六四円

基礎収入日額一万三九〇二円に、休業期間一八二日(平成一九年六月一一日から同年一二月九日までのうちの対象日数)を乗じて得られた二五三万〇一六四円に、賞与減額分五二万八〇〇〇円を加えた額である。

f 傷害慰謝料 二〇三万一六〇〇円

g 逸失利益 四五九万六五八六円

Cは、昭和二二年四月一八日生まれで、本件事故当時六〇歳であった。425万1846円(年収)×0.14×7.722(10年のライプニッツ係数)=459万6586円

h 後遺障害慰謝料 一〇〇万円

イ 被告ら

原告の主張(ア)、(イ)は不知。同(ウ)のaないしdは不知。eないしhは争う、Cは、本件事故直前の平成一九年四月に定年を迎え、雇用形態は嘱託に変わっていたものと推測され、休業期間中に同年三月及び四月と同水準の給与を得られた蓋然性はないから、基礎収入日額は、同年五月の給与を三〇日で除した八九八〇円と考えるべきである。休業日数は、休日を除いて、Cが実際に休業した一二五日とすべきである。また、Cの平成二〇年度の実年収は、事故がなかった場合の推定年収とほぼ同じであり、後遺障害による減収は全く発生していない。さらに、Cの職種は一般事務であり、後遺障害は右股関節の可動域制限であること等からすれば、逸失利益の発生は認められないし、仮に認められるとしても、その期間は、勤務先(a社)で嘱託職員として雇用が継続される蓋然性のある年齢までに限定されるべきである。

(4)  争点(4)(過失相殺)について

ア 被告ら

本件事故の発生場所道路は、車道と路側帯の区別があり、中央線も引かれているところ、Cは、本件事故当時、酒に酔ってこの道路を川越市方面に向かって歩いており、ふらつきながら徐々に道路の中央寄りに進んでゆき、中央線付近を歩いていた際に、被告車両と衝突したものである。かような事故態様等からすれば、Cにも四割の過失が認められ、この割合で過失相殺すべきである。

イ 原告

本件事故の態様については被告らの主張を認める。ただし、Cは、当時、道路を横断しようとして、本件事故に遭ったものである。仮に、横断中でなかったとしても、Cが突然に道路に飛び出したという事情もなく、同人の不注意の程度は、道路横断者と同程度のものと捉えるべきである。本件事故の発生場所付近は、商店や住宅が立ち並んでいて、歩行者がいることが予想されたところ、夜間でも非常に明るく、車両の運転者から歩行者の存在に気付くことは容易であった。したがって、Aにおいても、通常の注意をもって前方を注視すれば、本件事故を避け得たところ、当時、同人は、酒気帯び運転の基準値(呼気一リットル中〇・一五ミリグラム)の四倍もの高濃度のアルコールを身体に保有する状態で被告車両を運転していたこと等から、注意散漫となり、助手席のEに気を取られて、Cに気付かぬまま、何ら回避措置を取ることなく同人に衝突した。かようなAの重大な過失を考慮すると、Cについて過失相殺をすることは損害の公平な分担の見地から相当でないし、仮に過失相殺をするとしても、一割程度に留めるべきである。

第三争点に対する判断

一  争点(1)について

(1)ア  証拠(甲一四、乙B六、七、一一、A証人)によれば、本件事故に至る経緯について、次のイのとおりの事実が認められる。

イ  すなわち、被告会社は、建築請負業等を主な業務とする会社であり、本件事故当時、Aの使用者であった。本件車両は、もっぱら、被告会社において、工具類及び作業員を乗せて作業現場へ行き帰りする足として使用されていた。当時、被告車両の鍵は、Dが保管することとされており、被告車両の私用運転については、明示的には禁止されておらず、Aは、以前に、帰宅時に豪雨が降っていた際、原付自転車で帰宅するのは気の毒だからとの理由で、Bから、例外的に、被告車両で帰宅することを許可されたことがあった。作業員であるA、D、E及びFは、本件事故の前日である平成一九年六月九日(土曜日)の業務終了後、同日午後六時ころ、Dの運転する被告車両に乗車して、b市c区□□所在の被告会社が賃借している駐車場に戻ったが、Fは帰宅し、AとDは、便所を借りるため、駐車場の近くにあるEの自宅に行き、三名で、後に飲食に出かけることを約束した。Aは、原付自転車でいったん自宅に戻り、Dは、後に、駐車場からEを乗せて被告車両を運転して、同日午後八時ころAの自宅まで行き、同人と合流して、三人で被告車両で飲食に出かけた。三人は、同日午後八時三〇分ころから、JR上尾駅近くの居酒屋とキャバクラで飲食した後、Dは交際中の女性の運転する車で帰宅したが、AがEを乗せて被告車両を運転して帰宅途中、同月一〇日午前一時七分ころ、本件事故を起こした。

ウ  なお、証拠(甲一四、乙B七、A証人)中には、飲食に出かけるまでの経緯につき、上記イの認定事実と若干齟齬する部分があるが、これらの証拠は、本件事故からある程度日数が経過した後の供述であるのに対し、この認定事実に沿う乙B一一(Eの平成一九年六月一〇日付け員面調書)が、本件事故直後の比較的記憶が鮮明な時期に作成されたものであることを考慮すると、上記証拠部分は採用できない。また、証拠(被告会社代表者)中には、被告会社は、普段から、作業員に対し、被告車両の私用運転を明示的に禁止していた旨述べる部分があるが、A証人は、私用運転は明示的には禁止されていなかった旨述べるところ、既に被告会社を退職しているほか、本件事故につき罰金を納付し、和解も成立しているAが、この点につきことさらに虚偽の事実を述べるとは考えにくいことにかんがみると、証拠(被告会社代表者)中の上記部分は、採用することができない。

(2)  上記(1)イの認定事実に照らすと、被告車両は、被告会社の職務としては、もっぱら、工事現場への行き帰りに使用されていたものであって、深夜や未明の運転は予定されていなかった上、私用運転は明示的には禁止されていなかったものの、鍵の保管者が決められていて、従業員が私用運転のため容易に持ち出すということはできず、Aが職務外の運転を許可されたのも、勤務終了後の帰宅に用いるための例外的なものであったということができる。

そうすると、本件事故におけるAによる被告車両の運転は、外形上も、被告会社の職務の範囲内の行為には当たらないというべきであって、本件事故によるCの損害は、被告会社の事業の執行につき生じたということはできない。

したがって、被告会社は、本件事故につき使用者責任を負わないというべきである。

二  争点(2)について

(1)ア  証拠(甲二、乙B一二、被告代表者)及び弁論の全趣旨によれば、次のイの事実が認められる。なお、被告Y2名義の陳述書である乙B一三は、署名部分の筆跡が、Bの陳述書である乙B一二と酷似しており、Bが作成したと認められるので、その成立の真正は否定すべきである。

イ  すなわち、平成一七年、被告会社が被告車両を代表者であるB名義のローンにより購入しようとしたところ、同人の当時の信用状況では審査が通らないことが判明したが、被告Y2の名義であればローンを組むことが可能であったため、被告Y2の所有名義で被告車両を購入した。ローンの返済はすべて被告会社が行い、返済終了後も所有名義は被告Y2のままになっていた。被告車両は、被告会社の職務に使用されないときは、b市c区□□所在の被告会社が賃借していた駐車場に駐車されていたところ、この駐車場は、当時、同市d区○○にあった被告Y2の自宅から直線で五キロメートル以上離れていた。被告車両は、もっぱら、被告会社の作業員及び工具等を乗せて建設現場へ行き帰りするための足として使用されており、被告Y2が運転することはなかった。被告車両の鍵は、本件事故当時は、常時Dが保管していた。被告Y2は、被告会社の名目上の取締役に就任しているが、専業主婦であって、被告会社の経営には関与しておらず、役員報酬や給与も受けていなかった。

(2)ア  上記(1)イの認定事実からすれば、被告Y2は、被告車両の所有名義人となってはいるものの、被告車両を事実上支配、管理することができず、また、社会通念上その運行が社会に害悪をもたらさないように監視、監督すべき立場にあるとはいえないし、その運行につき利益を有する者であるともいえない。

イ  原告は、被告会社がBの個人会社であることから、同人の妻である被告Y2は、自己の名義を貸すことにより、被告車両の購入を可能にしたのであるから、夫婦の生活を維持するため、夫であるBの事業を助けたこととなり、被告車両につき運行支配、運行利益を有していた旨主張するが、かような主張は、独自の評価、見解というべきであって、被告Y2の被告車両に対する運行支配、運行利益を根拠付けるものではない。

ウ  したがって、被告Y2は、被告車両について、「自己のために自動車を運行の用に供する者」(自賠法三条)に当たるということはできず、本件事故につき運行供用者責任を負わないというべきである。

第四結論

以上によれば、その余の点について判断するまでもなく、原告の請求はいずれも理由がないから、これを棄却することとし、主文のとおり判決する。

(裁判官 原啓一郎)

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